猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きなひとつ嘘を吐く私。の続きとなっております。
コミック派の猫木ですゆえに、いろいろねつ造なところがあったりかもしれませぬ。
 
 
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いつだって、顰めた筈な俺の本性を暴くのは……
ただひとり恋しい君だけ。
愛しい愛しい俺のキョーコちゃん。
俺を妖精さんと呼んで泣いていた純粋な少女は、美しく聡明な女性へと成長した。
ただ……『恋愛』と『俺』を結び付ける以外の事限っては、徹底して意図的に盲目なまま
君の心の傷が癒えるのをずっとそばで待っていた。
でも、ふわりとあまりにも綺麗に花開いた君に……あの夜、男として触れた。
切羽詰まって煮詰まった俺の衝動的な行動……恋愛拒絶を拗らせた君に伝えるには、あまりにも足り無い時間。
約束しか…………残せなかったとはいえ
最初にマスコミを利用したのは君の方だ。
ズルいだなんて言わせないよ?
 
 
 
 
 
「敦賀さんっ!予定を変更しての帰国となりましたが、その理由は…」
断続的に瞬くフラッシュと突き付けられるようなマイクの群れ。
予定に変更と無理を効かせまくって、休憩も睡眠時間もなくして詰め込んだスケジュール。
ショーのランウェイを飛び降りてそのまま乗り込むみたいな勢いでの緊急帰国。
その情報を隠しもしなかったのだから、まぁ待ち受けてるだろうとは思ってた。
「もちろん、愛しい彼女に逢う為に。」
質問を投げ付けてきた癖に、俺が答えを返すと驚いた表情を浮かべるキャスター。
まぁ、あの夜を撮られたスキャンダルからこちら俺が沈黙を貫いてそれも来たからしょうがないけど……
足を止めると囲まれて身動きが出来なくなるのが目に見えているので、歩みは止めない。歩調を緩めもしない。
「そ、その彼女というのは同じ事務所の京子さんのことですか?」
バタバタと追い立てるような足音とあちらこちらから飛んで来る質問。
「他に誰が?」
……彼女の他に?あり得ないだろ。
世界中探したってこんなに恋い焦がれた想いを抱かせるのも、斜め上予想外の行動でもって俺を翻弄して振り回すのも彼女ただひとり。
今回だってそうだ。
「京子さんとのスキャンダルはお酒のせいなのではっ!?」
そう投げられた声にはどこか面白がるみたいな色。ちらりと目をやれば……見知った顔。こんな突撃に参加してるだなんて珍しい重鎮の芸能レポーター。
思わず唇に薄く笑みが浮かぶ。
「俺が彼女に飲みつぶされてお持ち帰りされたってあれですか?どれくらいで俺がつぶれるか……今度飲みに行きましょうか?」
あんな打ち上げ程度のアルコールでは、多少酔ったとしても間違いなんて起こしたりしない。ただし、一緒にいるのが彼女でなければに限れば……だけど
「敦賀くんのおごりじゃないと、財布の破産も先に潰されるのも目に見えてるから出来れば遠慮したいところですねぇ。」
タヌキおやじみたいな腹に一物ありげな企んだ笑みで返す、酒豪との名を欲しいままにしている彼へと視線で礼を伝える。
「その薔薇も京子さんへ?」
腕に抱えた深紅の薔薇の花束。
「後にも先にも、俺が薔薇を贈るのは彼女へだけですよ?」
毎年、俺が彼女の誕生日の祝いに差し出し続けているクィーンローザ。それも、事務所のお騒がせな社長の開く大掛かりなグレイトフルパーティのおかげで、有名な話だ。
だから、当初のマスコミの報道は俺の想いが叶ったとの熱愛報道一色だったんだ!君以外のみんなにはそう受け入れられてた筈なんだ!!
なのにっ、ほんの少し仕事でこの国を離れた隙になんでこうなってるのかな?
『悪女』な京子の新たなる魅力?婀娜っぽくも色気を振り撒いて悪女を演じる君。おかげで、今までと違った色を匂わせる芝居やらのオファーが次から次に舞い込んで椹さんは悲鳴を上げているらしいし、本気から割り切った付き合いの希望まで彼女に群がる馬の骨はわらわら大量に発生しているらしいしっ!!
なんだか彼女本人の思考は逸れたところへと向かっているようだけど……今さら、逃してなるものか!
 
 
 
 
 
あぁ、そう今さらだ。
もうとっくの昔に『神に逆らってでも』って決めたんだ。
存在の抹消?させてなるものか……跪いて縋ってでも、彼女の心を手に入れるまで足掻いてみせる。
 
 
 
 
 
 
ようやく迎えの車が見えて来た。社長に掛かればなんだって悪目立ちが過ぎる……
「では、あのスキャンダルは酔いのせいではないと!?」
取材時間の終わりが目に見えたせいだろう、焦ったような声と切り込んだ質問。
あの夜は俺の意志でなのだったと……確かな言質を取りたいのだろう。
車のドアを開けて待つ事務所の社長の付き人はアオザイ姿。きっと、社長本人は色取り取りで刺繍びっしりな皇帝姿でこの中継を眺めて笑ってでもいるのだろう。
乗り込む前に、立ち止まって取り囲むマスコミへとにっこりと微笑んで告げる。
「いえ。あの夜、俺は強かに酔ってましたよ?……アルコールではなく、キョーコに酔わされてましたよ、一晩中。」
あの夜の俺の背中を抱く細い腕と汗を浮かべた滑らかで白い肌を思い浮かべながら。
あの愛しい夜を一夜の過ちなんかにしてやるものか……君が『悪女』?それなら、俺はどれだけ『酷い男』になればいいのかな?
必要なら、どれだけだろうと本性を晒してみせるよ。
さぁ、彼女がどこかへと逃亡する前にどんな手使ってでも捕まえに行ってやろうじゃないか。
あの朝、願った筈だ
帰国したら伝えたい事があるんだって、君に。
 
 
 
 
 
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悪女の一枚上手をゆく酷い男……みたいな?
(*ΦωΦ)
カフェオレ色なシミの付いちゃったキョコさんとこへと向かう蓮さん。薔薇の花束は108本(求婚)が良いけど、絵的に大き過ぎて決まらないので21本(真実の愛)とかで……
 
 
 
うっかりとネタっぽいことコメントすると拾われちゃいますぞ?な、↓拍手コメントにて17171さまからいただきましたこちら
 
「マスコミバレからの敦賀さんを守るために、女優としての破滅覚悟で悪女になりきるキョコさん。」
 
な、ものをねじ曲げ勝手にぽちぽちとしたつもりなものとなっておりまする。
楽しい悪女キョコさんネタ、ありがどうございましたー!!
・:*+.\(( °ω° ))/.:+
 
 
 
帰国したばっかってことは、出入国の関係でコーンな姿に返ってるんじゃ?って気付いたのは書き終わってからでしたとさ。
ど、どっかでこそこそ着替えたりカツラ被ったりしてたんだだだだだ。
_:(´ཀ`」 ∠):
 
 
 

↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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