猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きのひとつとなっております。

 
 
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無表情で硬直……の、後に蕩けるような神々スマイル……ですか。そーですか、そう来ますか。
くぅ、流石は敦賀さん……でも、負けませんよ!!
 
 
 
 
 
この野望達成のその為に!と、ぐっすりとお眠りになっている敦賀さんを残してこそこそとベッドを抜け出した。
ひょこひょこギシギシする身体を引き摺った先はお風呂場。てんてんとあちこちに赤く残ったキスマークに悲鳴を上げそうになるのを必死で噛み殺してシャワーを浴びて……
ささっと手早く、それでもきちっと計算高く!面白かったメイクさんが教えてくれた『ナチュ見え愛され系メイク』を素うどんな顔に施す。衣装だってこの前モー子さんとのお買い物デートでGETしたお気に入りなふんわりティアードワンピースだ。
鏡で髪の先まで出来上がりをチェックしてからまずは手はじめに、と私が向かったのはキッチン。お料理番組で獲得したピンク色なふりふりピンクエプロンを装着して冷蔵庫を覗き込む。
うん、エビはないけど鶏肉はあった。よし!と、取り出したのはフライパン。
朝食に作るのはオムライスだ。
少食の敦賀さんには朝から重い?二日酔いの朝にはキツい?はっ、知った事ですか!しじみのお味噌汁なんて所帯くさいメニューは論外。今、重要なのは『映え』よ『映え』!……別にSNSにあげる訳じゃないけど。
なんて事を考えながら作り上げたサラダとオムライス。別にマウくもなければ特大サイズなボリュームでもない極々ふつーなその黄色にうにゅ〜とケチャップを絞り落とす。
我ながら上出来!とその出来栄えに慢心していると、寝室のドアが開けて敦賀さんが顔を覗かせる。
さぁ、ここからが本番だ。
こっそりと深呼吸をして心を決め、出来上がったばかりの朝食が乗ったトレーを持って敦賀さんへと声をかけた。
「おはようございます、蓮さん。」
と、彼をそう呼んで。びっくりした顔をしている敦賀さんへとでかでかと真っ赤なハートの乗ったオムライスを見せつけるように言ってみせたのである。
「朝ごはん、作ったんですよ?」
にっこりと笑って……そして、精一杯に全力で『彼女ヅラ』してみせながら。
 
 
 
 
 
 
………………しかし、おかしい。
いろいろと私なりには頑張ったつもりなのだ、これでも。
オムライスをあ〜んって食べさせてみたり、敦賀さんの携帯が鳴る度に「……女の人からですか?」なんて疑ってみたり…………その他諸々思い付く限りにいろいろと。
なのに、こんな筈では?などと、内心で訝しむ私の現在地は敦賀さんのお膝の上である。
いわゆる『お膝抱っこ』。ヤンデレ兄妹レベルなバカップル全開態勢である。
何故ゆえなのか、ふんふんと鼻歌でも歌いそうな楽しげな気配の敦賀さんの手は私の腰をがっしりと抱き寄せてらっしゃるし……
流石は、敦賀さん。知ってましたとも!こっちは顔が燃えそうに熱いしドキドキ煩い心臓が口から飛び出しそうなくらいにいっぱいいっぱいだっていうのに!敦賀さんは百戦錬磨で隠れ遊び人でらっしゃいますもの。えぇ、えぇ、これっくらいの事には慣れてるって事ですか、そーですか。
身勝手な嫉妬に苛々としながらも、これ以上どうすれば?と悩んでいた私の目に飛び込んで来たもの。
これだっ!って、私はそれに飛び付いたの。
液晶テレビの中でCMされているそれを欲しいと言ってみせた。買って欲しいなって色の強請るような声で。
けど………………
もぅ!なんなんですか、あなたはっ!!どれだけ遊び人が板に付き過ぎてるんですか!?
 
 
 
 
「…………最低もいいとこです。」
 
 
 
 
口の中で小さくそう呟いて、敦賀さんの膝の上から降りると床の上で正座へと座り直して頭を下げた。
私がお膳立てをする為にこんな『彼女ヅラ』までして、敦賀さんから最後に頂きたかったそれを求める為に…………
 
 
 
 
 
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かわいくいちゃいちゃしまくってくれるキョコちゃんにデレっデレだった蓮さん……なのに、キョコさんが本当に欲しいのは違うらしいっすよ?
果てさて、キョコちゃんなお求めは何なのやら?そんで、蓮さんはどうでる?
(*ΦωΦ)
 
 
 
次回、毎度ののーぷらん!!←威張れた事ではない。
_(:3」z)_
 
 
 
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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