21100番目の拍手を叩いてくださったkomugiさまからのリクエストをねじ曲げたつもりなものだったりらしいであります。
前にちらりと書いてしまった最強なあの子のお話
( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
 

 
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イジイジイジイジ…………
ふわさらで癖になる艶々の黒髪をここぞとばかりにいじいじと指に絡めても……心は晴れない。
だって、だってだってぇぇぇぇぇぇぇ!
「そんなに拗ねないの。」
そんな鬱々ジメジメメソメソ空気を慰めるみたいな優しい低い声。うりうりと防護服の上から頭を撫でてくれる指先。
けど…………いじけたまんまな気持ちはなくならない。流石にもう涙は引っ込んでるけど、返事も返さないでぐすんと鼻を鳴らていると、くすりと小さく笑われた。
「ほら、もうすぐ着くよ?」
愚図る自分と対照的なまでにご機嫌な様子の声。廊下にカツコツと響く革靴の靴音さえウキウキも弾んでいるようにさえ思えるこのお方、世に抱かれたい男なんて破廉恥ランキングのトップに君臨する男である。
そんな普段の敦賀氏のイメージから外れるようなはしゃぎっぷりを覗かせるおひとは、ドアの前まで辿り着くとポケットからカードキーを取り出す前にブザーを鳴らし、それからやっと玄関扉を開けたのだった。
 
 
 
 
「……お、おかえりなさいませ。」
 
 
 
 
ここは以前とあるトラブルから自分、怨キョが一時保護された一人暮らしな敦賀氏の自宅……なのだけど、帰宅した敦賀氏をおずおずと迎えたるは我ら怨キョの産みの親なる親ビン。
「ただいま、キョーコ。」
うぅっ!!全身防護スーツにサングラスな完璧防御な上に直視出来ない頭上にいるはずなのに、敦賀氏から漏れいでるかのような殺人光線スマイルの神々フラッシュが目に痛眩しいっ!!
パタパタと鳴っていた軽い足音も、そんな敦賀氏の笑顔フラッシュにたじろいだかのように止まってしまう。
眩しい光の向こう側に見える親ビン最上キョーコは、ふりふりラブリーなフリルたっぷりの薄桃色なラブリーエプロンなんてものを装備している。
そんな新婚さん新妻コス擬きエプロンも親ビンの足とものもふもふうさ耳つきスリッパも全部、自宅に親ビン専用な物を置きたいと敦賀氏がウッキウキで用意した超ハイクラスでセレブなお値段の物。
そう…………我らが怨キョの産みの親にしてお守りすべき我らが親愛なる親ビンは……親ビンはぁぁぁぁ!自分、怨キョがうっかりうかうかと敦賀氏の内通者となってしまった事件をきっかけに、地獄まで秘める筈の秘密を白状させられてしまい…………結果、敦賀氏に捕獲されてしまったのだった。
そんな親ビンの背後。親ビンの背中に隠れるみたいにひょっこりおずっと顔を覗かせているのは……
「あーーー!この裏切り者ぉぉぉーー!!」
ヒュンッと乗っけられていた敦賀氏の頭の上からそう叫びながら飛び降りて一直線に飛んで行く。
「ご、ごめんごめんって!!だって……あんたが一番耐性が高いから……」
ぽかぽかと防護スーツに包まれた手でパンチに恨みを込めて繰り出すと、怨キョ仲間達はそう謝ってくるのだけど…………でもでもっ!!だからって、ひとり人身御供に差し出され置き去りにされた恨みがそう簡単に晴れるものか!?
……遡ること4時間と少しほど前の事だ。
仕事に追いかけ回されて多忙な筈の敦賀氏が、次のお仕事先に移動中の親ビンのところへぴょっこりこそっと現れてガシッと捕まえたかと思うとぎゅぅぅぅっとそれはもう思いっきり抱擁なんてなさりやがったのだ。
幸い、偶然にもひと気のない場ではたらかれた敦賀氏の犯行は人の目に付かないでいたのだけど……
敦賀氏のスキャンダルになるとジタバタと逃げようともがく親ビンにちゃっかり杜撰な食生活まで利用しつつスペアキーを押し付けてお家デートの約束など取り付けた敦賀氏。
それでもなお『キョーコが可愛すぎて離したくないな。』なんてゾクっとするような低い声で囁いていた敦賀氏に、親ビンと怨キョ仲間たちは……代わりにこの子を!!とばかりのがっちり一致団結で敦賀氏に自分を差し出してあっという間に逃亡を果たしたのだった。
実はこっそりと、敦賀氏が親ビンのモテ話な噂にイラッとした真っ黒オーラを独占で包まれようが、艶サラの黒髪にくるまり放題撫で放題を満喫してようが……
親ビンどころか、志と産まれを同じくする怨キョ仲間にまで生贄に差し出され裏切られたこの心がそんな簡単に癒ようものかっ!!なのにっ!!
「ところでアンタ…………またうっかり親ビンの秘密とかバラしたりしてないでしょうね?」
なんて酷い濡れ衣をっ!?うきぃぃぃー!!余りにも酷いっ!!なんて、ポカスカと怨キョ達と喧喧囂囂すったもんだで揉みくちゃに争っていると……
ふと、気がつくと親ビンも敦賀氏もいなくなってしまっていた。
 
 
 
 
 
大変!親ビンはどこ?と、探してみると親ビンは敦賀宅の広くて最新鋭なシステムキッチンにいた。いたのだけど…………
そこに居たのは親ビンだけではなくって……
親ビンの背後からべったり巻き付くみたいに抱き締めている男。
「ひぃっ!……あ、あのほほほ本日は、敦賀様のご希望通りに、ややや焼き魚をですね……」
「いい匂い。美味しそうだね?」
敦賀氏の腕の中でカチッと硬直したまま、茹で蛸みたいに真っ赤になってしまっている親ビン。
そんな親ビンの髪に顔を埋めた敦賀氏。
「でも……キョーコの方がいい匂いで美味しそう。」
なんて恐ろしい事を宣っているではないかっ!?
親ビン!!親ビンが危ないっ!って、飛び出そうとした自分をがしっと止める小さな手。
「ダメ!敦賀氏のあの殺人光線を忘れたの?浄化されちゃうんだからっ!!」
危ないと抱き止める怨キョ仲間達。けど……けど、でもっ!このままじゃ親ビンが敦賀氏に食べられちゃうっ!?
 
 
 
 
 
「もぅ、あなた達には任せておけないですね。」
 
 
 
 
 
さらっとそんなセリフと共にふわりと飛び立つ影。
それが、思わぬところから降臨した最強の◯◯◯だったのだ!!
 
 
 
 
 
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一人称怨キョ視点って楽しいけど、難しっす。なんかぬぐいきれぬ違和感ががががが……
Σ੧(❛□❛✿)
 
 
頭に花が咲きまくりでこの世の春を浮かれはしゃぐ敦賀さんと危機感抱きまくりな怨キョちゃんたち。
(*ΦωΦ)
はてさて、降臨したるは何者なのか?
 
 
 
 
次回、さーて今回の◯◯◯、なーんだ!?
 
 
 
 
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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