ど……どうしてこうなった?
((((;゚Д゚)))))))ナンバリングゥゥゥ
 
 
前中後編できちんと終わりませなんだであります。
計画性も纏めきる文章力もナッシングな猫木でごめんなさい。
_:(´ཀ`」 ∠):
 
 
 
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「ごめんっ。キョーコちゃんが夢を渡れなかったのは……俺の所為なんだ……」
キョーコの首すじに頭を埋めたまま、レンの口から零された震えた声。
次々と、成体となり夢を渡る夢魔達の中でただ1人きり……置いてけぼりのように夢を渡れないでいた。飢えを満たす術もなく、弱肉強食が断りの魔界で出来損ないで落ちこぼれと笑われ遠去けられていたキョーコ。
…………それがレンの所為なのだと。凍り付いたように動きを止めたキョーコの正面へと、宙に浮かんでいた悪魔が音もなくするりと降り立つ。
そして、にんやりと笑ってうたうように楽しげに告げた。
「夢魔達は皆、夢から人の子らの夢へと渡る。お前はね……その男に夢魔の核たる『夢』を奪われたのだよ。」
ビクリと大きく震えたキョーコの肩から、顔を上げた魔術師の男。伏した黒い髪の間から見えるのは、自分を責め苛むかのような表現……でも、その深い黒の瞳はキョーコの『夢』を奪い取ったのが事実なのだと肯定するかのようにキョーコへと真っ直ぐに向けられたまま逸らされる事はない。
 
 
 
 
 
 
けれど……夢魔の能力を奪い取るなど聞いた事さえない。
そんな事が可能なのか?あの幼い人の子に?そんな、キョーコの疑問に答えを返したのはレンでなくキジマであった。
「人の子らの中に極稀に人の輪の中から外れ、我らのような人ならざる者に近しく産まれ落ちた者たち。人の子らからは神の子やら魔術師や魔女と呼ばれるようになる者たち。まぁ、大概は……狂人扱いで終わる事が多いのだけどね。」
手のひらをひらりと動かしながら、まるで幼な子に教授するかのように低い声が滔々と語る。
人ならざる異形の者どもを映すサードアイを持ち、我らからは『嬰児』と呼ばれる……その中でも、レンの持つ力は取り分け珍しい。悪魔や天使、そして妖精や精霊、それらの力となり形を成す魔力や魔素をまるで神が捏ねた泥に息を吹き込み生命を生み出すかのように、捏ね繋ぎ潰し自在に造り替える力……両の眼に『造魔の目』を持つ者。」
其れが、どれ程に……恐ろしく強い力であるのかさえ解らぬままにキョーコはレンへと視線を映す。その紅茶色の眼差しを受けて、レンはローブの首もとから銀色のチェーンを引っ張り出す。
編まれた鎖の先、銀の輪のチャームに魔術師には不似合いな程に愛らしいピンク色の宝石が煌めいていた……そしてその石こそが、奪われたキョーコの夢魔としての能力なのだと凄腕の魔術師の低い声がキョーコへと告げたのだった。
涙型の綺麗なピンク色の宝石。うっかりすれば思わずにときめいてしまいそうなキョーコなのだが。それが自分の夢魔としての力なのだと言われても、返してくれる気はあるのか?そもそも、返してもらえるようなものなのか……と途方に暮れるかのような心地でしかない。
ひょいっと、足音ひとつなくいつの間に忍び寄ったものかキョーコとレンの間を覗き込んで来るキジマ。
「ありゃ、これまた酷く歪められてる。恐ろしいまでの独占欲がべったり。」
出会ったのは確か10かそこらだろ?自分以外の男には微塵も触れさせたくないって、おっそろしい執着だねぇ……と、揶揄いの色を乗せて言うと続けたのだ。例え、キョーコが夢魔としての力を取り戻したとしてもレン以外の男の夢へなど渡れやしないだろうと。
猫が追い詰めた獲物を甚振るかのように、チクリ、チクリと詰る色をたっぷりと滲ませて。
「だから、これからは俺がずっとキョーコちゃんの『ごはん』に…」
レンのその言葉を遮るように色欲を司る悪魔は、低く刺すような声を発したのだった。
 
 
 
 
「お前、やっぱり俺の娘を殺す気だっただろ?」
 
 
 
 
 
苛立ちの色をした焔の赤がゆらゆらとキジマの瞳の中で大きく揺れる。ピリピリと肌を刺すような空気。
「名だたる悪魔たちと渡り合う程の凄腕魔術師。若く力に満ちた『嬰児』。その上に、この子に言われるがまま『はじめて』をまもったまま……夢魔にとってはさぞかし甘美で例えようもなく美味なる糧だろうとも」
するりと、キジマの指先が嬲るようにレンの頬をゆっくりとなぞる。
「だが……夢魔としての能力を奪われ、育つ事さえ出来ぬままで餓え乾いていたこの子が其れをあっさりと喰らいきれるものか?そこらの湖いっぱいの分の水をほんの小さなガラスのグラスの中へ1度に全て移し替えようとするようなものだ。結果なんて分かり切ってるだろ?それこそひとたまりもなく致命的だ。」
先ほどレンの腕の中でキョーコが気を失ってしまったのも、本能的に危機を回避しようとしたに過ぎないのだと……
キョーコを消滅させてしまう危機さえ孕んでいたのだと語るキジマの言葉に部屋の空気が凍り付いたかのようで、ただ沈黙が重たく満ちていた。
 
 
 
 
 
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何というか……こんな感じの悪魔やらなんやら何でも引っ張り込み放題☆なパラレルものって、中二心をくすぐられるというのか…………いらぬ設定を考えるのが楽しくて気がつくと手に負えなくなってしまってましたー。
_:(´ཀ`」 ∠):



つ、次で終わります。たぶん。




次回、さ・ん・た・く。←?

 

 
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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