なんか甘くなりそうな思わせぶりなタイトルですが、ただただ単なる思い付きなアホ話ですゆえに……
_:(´ཀ`」 ∠):



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「私、決めましたっ!!買います!」



彼女、最上キョーコは拳をぎゅっと握りしめ決意を込めた声でそう高らかに宣言したのだった。




ここは、お値段そこそこお味抜群その上でスタッフ達の口も硬いと業界でも評判な知る人ぞ知る隠れ家的なお店。
とあるドラマのプチ打ち上げが貸切で行われいたのだ。
仕事を一区切りまでやり遂げた心地よい疲労と開放感。みんなで良いものを作り上げたという一体感に充実感。そして、美味しい料理とお酒。
大いに入り乱れては杯を鳴らし賑やかに盛り上がった宴も、そろそろぽつぽちとグループに分かれ腰を落ち着けてトークに花が咲き始めたところ。
ドラマのヒロインを演じた女優、京子もそんなひとつの席にいた。
確かな演技力と仕事に対する真摯で真面目な姿勢、そしてなによりもその飾らないキャラクターで慕われる彼女の周りにはベテランと呼ばれる演者から若手のスタッフまで様々な顔が集まっていた。
「えー!?京子さん、本当にそれ本気なんですか?」
「あぁ……でも、私、京子ちゃんの気持ちも分かるかも〜。したい人だけすれば良いのよね。女の幸せが多様化したこの時代にあのクリスマスケーキな例えとかナンセンスで失礼だわ!」
わいわいと、盛り上がる話題の中心にいるのはキョーコであるらしい。
キョーコの前の空になっていたグラスへと満たされるアルコール。
「ええっ!全くその通りですともっ!!最近は本当にしつこい方も多くて……」
憤慨と同調の頷きを返し、グイッと飲み干されたグラス。
テーブルの上には結構な量のビール瓶や徳利にデキャンタが並んでおり、かなりなスピードで酒が進んでいるようだ。
アルコールという名の潤滑油によってもろもろとこぼされては笑いや疑問など様々な感情を含み、時に右へ左へと脱線しながらも話が弾んでいた、そんな時だった。
「えー、じゃぁ京子ちゃんも買っちゃえば?」
軽〜く、京子とは親子程に年の離れた実力派な女優の唇からそうポイっと投げ落とされた言葉。
それが、卓に更に大いなる話題への分岐点であった。
そうして……冒頭のキョーコの力強い購入宣言へと繋がるのだ。





「最上さん、何を買うって決めたの?」
そう、秀麗な顔ににこやかな笑顔を浮かべて話題へと顔を挟んで来たのはドラマの主演を演じる俳優であった。
絡み酒癖のある監督に捕まりながらも器用にも密かにキョーコを意識していた男、敦賀蓮である。
監督を潰すのに成功した蓮は、「一生ものの買い物だよ?」なんて盛り上がるキョーコ達のテーブルへとさりげなくも混ざりにやって来たのだ。
キョーコが何をそんなに欲しがっているのか、キョーコへと想いを長く募らせ続けている男として、どうしてそれを聞き出さずにいれようかと。
そんな蓮へとキョーコは、はっきりくっきりあっさりと答えてみせたのだ。





「お家を……マイホームをですっ!」





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「私、(敦賀さんと一緒に住む)お家が欲しいですっ!」←カッコ内は蓮さんの願望
って強請ったら速攻で、買ってくれるんじゃないかしら?
(*ΦωΦ)



猫木以外の誰ぞが楽しいのか謎なこの話……
次回、キョコさんモテ期を語る!?な予定となっております?たぶん。



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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