キリリクもですが、実は、ありがたいことにこのシリーズへとリクエストというかネタ提供もちらほらと頂いたのを貯めてしまっておりまして……
そんな感じの変な敦賀さん量産シリーズものとなっておりますのよ？
_(:3」z)_
猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きのひとつとなっておりたす。
呪い→まじないではなく、のろいとお読みくださいませ。
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「……ですからっ！それは、違うんです！間違ってます！！」
何度も何度も繰り返した否定の言葉を口にしながら私を抱き寄せようとなさる方の腕から必死に身をよじる。
清らなか浄化の光を放つ神々しい微笑みも蕩けるような甘い言葉も、私に触れようと伸ばされる腕も。
全部、欲深い愚か者の私が招いた…………紛い物だ。
人間、追い詰められた状況でこそ……その本性があからさまなまでに晒されてしまうものなのだろう。
……だって、今朝の私がまさにそれだったのだもの。
パチパチと数度長い睫毛を瞬かせた後に、私を見つめた切れ長の黒い瞳。
追い詰められた私の頭の中にあったのなんて…………どうやって敦賀さんのそばにいれる先輩と後輩の関係を守るか、ただそれだけだった。
敦賀さんの形の良い唇が言葉を紡ぐ、その前に……私の手は咄嗟に目の端に映ったそれを掴み取り敦賀さんの目の前に突き付けた。
シーツの端に転がっていたピンク色の煌めきを誇る奇跡の石、クィーンローザ様のネックレスを。
「コレをよく見てください！貴方はだんだん……」
驚きにいつもより少し開かれた黒い瞳の前でクィーンローザ様をゆらゆらと左右に揺らしながら、私は敦賀さんに呪いをかけたのだ。
だって、確実にかかる筈だもの。
昨晩に打ち上げのあったドラマ、敦賀さんとの共演のそれは敦賀さんが演じる堅物系エリート警視と叩き上げの熱血派な村雨さんとの反発し合うコンビの刑事もの。
そして、そんな２人が巻き込まれた事件のキーを握る、ミステリアスといえば聞こえはいいけど……怪しい催眠術師の女が私の役。
求められたのは胡散臭いくらいの演技。だけど、演じるからには！って、本職の方に少しだけ教えを乞うたの。
ほんの少し、それくらいで習得出来るものではないけど、まぁ形にくらいなったかな？って私のあやふやな催眠術。
和気藹々とした撮影現場での休憩時間、戯れのお試しでかけてみてよ？っていわれた……そんな私の催眠術に、何故か敦賀さんだけが１００%で面白いくらいにかかってくれたの。
私が指を鳴らすまで、絶対に握った指を開けなくなったり犬のモノマネをしたりしていた敦賀さん。
だから、追い詰められた私はつい縋ってしまったのだ。
敦賀さんに催眠術をかけてしまえば…………まだ、先輩と後輩としてならそばにいれるって、そんな細い希望に。
ゆらゆらと揺らされるクィーンローザをとろんとした目で追う敦賀さん。
言おうとしてたの。……貴方は昨日の夜の記憶が無くなりますって。
でも、でもよ？一糸纏わぬ姿でベッドの上にいるふたり。敦賀さんの記憶がなくなったとしても、この状況をどう説明すれば？って……
ふと気がつくと、黙り込む私を不審げに見ていた敦賀さん。ヤバい！はやく、速く何かどうにか催眠をかけてしまわないとって……
「……えと……敦賀さんは……敦賀さんは、だんだん私が好きになりますっ！」
私の口からこぼれ落ちた、その呪い。
男の人と裸で一緒にベッドにいてもおかしくないように……テンパっていたなんて、後付けの悪どい言い訳に過ぎない。
服を着てもらってこの部屋から出る前に、もう一度敦賀さんに「敦賀さんと私には何もありませんでした。全部、忘れてください。」と、もう一度催眠術をかければいい、だなんて……
そんな私の呪いにかけられてしまった……哀れな敦賀さん。
「……愛してる、キョーコちゃん」
熱を出した時と同じ、神々しい笑顔。私じゃない……敦賀さんのキョーコちゃんを呼ぶ愛しげな声に、自分の罪の深さを今更突き付けられてしまった。地獄に落ちるどころの罰ではもう許される筈もない。
敦賀さんの想いを私の身勝手な呪いの所為で、捻じ曲げて汚してしまったって。
胸が痛くて涙が滲む。泣きたいのは私じゃなくって敦賀さんの方だろうに……何処までも卑怯な自分と涙が嫌でシーツの上へ貼り付けるみたいに深く頭を下げた。
ごめんなさい……ごめんなさい、敦賀さんっ…………
泣きじゃくる私を抱き寄せようとする、私に騙されたままの敦賀さんの腕から逃れて……
裏切られたと幻滅されてしまうとしてもっ！そう心を決めて。
私は再び、クィーンローザ様のネックレスへと手を伸ばした。
敦賀さんに、罪深い私がかけてしまった呪いを解いてさしあげなくては！！
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ある意味カモネギな即席催眠術師ＶＳずっとかかっていたいだろう似非紳士。
はたして、キョコさんは呪いを解けるのか？
(*ΦωΦ)
次回、対キョコさん催眠術に１００%かかる蓮くんの明日はどっちだ！？
＼＼\\٩( 'ω' )و //／／←好きに勝手に嘘次回予告。
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。
