勢いだけで突っ走った代物ですので……
どうか皆さまも深く考えずに勢いのみにて!そう、咀嚼せずにまる飲みな勢いにてダーっとお楽しみくださいませ。
_(:3」z)_



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あぁ、本当に…………なんて
ふとした拍子に懐に飛び込むかのようにやって来た、愛しいあの娘の一部。
アイツへの憎悪が産まれだなんて……少し、気に入らないが…………どこまでも愛しい愛しい最上さんの気配がする小さな子。
今までだってずっと存在はしていたのだと、目には見えない筈だった怨キョと名乗る子が何故唐突に目に見えて触れる事が出来るようになったのかは、さっぱり解らない。
解らないけど、そんな事……なんの問題もないね。
超常現象?心霊現象?ハッ、全力でwelcomeだ。
しかも、彼女を追い詰め付け狙った過去のあるあのストーカに追われているのだと言う迷子。
今度こそ、俺が護ってみせる。
………………まぁ、「お願いします」ってちんまりと頭を下げる様子が余りにも最上さんそのままでかわいくって、俺を頼ってくれたのが嬉しくてさ?いきなりその小さな最上さんがしおしおと干からびて消えそうになってしまったのは……どうやら俺の顔が緩んでしまった所為らしいんだけれど。
あの時は、心底肝が冷えた。もがく小さな最上さんが懐(?)から取り出した防護スーツとサングラスを装着させるとなんとか回復してくれて良かった。
そんな小さな最上さんとの生活は思ったよりずっとずっと楽しくて。
だって、ちょっと揶揄った時の反応や俺の食生活を気遣ってくれる時の必死っぷりなんかも、当たり前なんだけど全部全部愛しい最上さんのそのままなんだ。




怨キョってたくさん居るらしいし、帰したくないなって……ちょっとだけ思ったりもしてたんだけど




そして、今俺の目の前にいる小さな怨キョが「親ビン」と呼ぶ最上さん本人。
泊まりでの地方ロケ、それも手が早いと噂な馬の骨共演者有り。ガードは任せておけ!と胸を叩いてくれた有能なるマネージャーが同行してくれたロケの上がり、お願いして俺の家まで来てもらったんだ。
ロケ終わりで疲れてるところなのにごめんね?とそう言った俺に体力には自信があります!と胸を張ってくれた最上さん。とりあえず、コーヒーを出してリビングのソファーに座ってもらう。
「今日、最上さんに来てもらったのは、この子の事でなんだけど……」
俺が差し出した手の上にいる小さな小さな子を見た最上さんは、かくーんと大きく口を開けて驚いていた。
まぁ、そりゃそうだよね?今まで俺は怨キョの存在をこれっぽっちも感知出来てやいなかったんだから。
わらっと、いっぱい飛び出して来た怨キョたちが再会を抱き合って喜んでいる様子には、凄まじく癒されたな。
「えと……あの、その……それで、その子は敦賀様に保護していただいてる間に……ご無礼を働いたり……その何か、意味不明な世迷い事などを口走ったりなど…………致しませんでしたでしょうか?」
レイノに追われていたところを助けてからずっと一緒に居たと、何故かいきなり小さな怨キョと会話まで可能とさせている俺に驚いた最上さんは、ひどく狼狽して恐る恐るとそう探りを入れて来たんだ。バレたら酷くまずい事がありますって顔に書いてあるくらいにわかりやすく。
「すごくかわいくて癒されたよ?ね、キョーコ」
怨キョたちがちゃんと防護スーツを着込んでいるのを目の端で確認したのちに、彼女へ微笑んでそう告げた。かれこれ52時間ほども密着していたおかげかな?見分けることが出来る迷子だった怨キョの頭をうりうりと指で撫でながら。
最初はさ。ちょっとした俺の願望の発露だったんだ。だって、好きに呼んでいいって言ってくれたから。
だけどさ、あれは反則だろう?
なんとか俺から隠してるつもりらしかったけど……俺がキョーコとそう呼ぶ度に、顔を真っ赤にしてジタバタと挙動不審になっていた小さな最上さん。ふにゃんと顔をこっそりと綻ばせて。
今だってそう。表情こそ変なふうに固まってるけど、頬どころか栗色の髪から覗く耳まで真っ赤になってるし、かわいい唇の端がヒクヒクと動いているのは笑みの形に崩れるのを必死で抑えてる所為のように見えてしまうのは、俺の欲目だけじゃない筈なんだ。
「お風呂も寝るのもずっと一緒だったけどいい子だったよ。」
ビシリと硬直しままま、ますます真っ赤に染まり上がる最上さん。
そうお風呂。本体たる最上さんもお風呂好きみたいだから、きっと喜ぶだろうと思ったんだ。けど、こんな小さな子。溺れたりすると危ないじゃないか?
それに……少しくらい。例え、彼女のひとかけらだとて、少しくらい俺のこと男だって意識してくれたりしないかな?って思って。
「いろいろと有意義な話も聞かせてもらえたよ。そう、例えば…………俺の裸を見逃したって最上さんが悶絶するくらい悔やんでたとかもね。」
頬は赤いまま青褪めるなんて器用な顔色をしてみせる最上さん。ふるふると頭を左右に振って、はくはくと動く口から言葉はこぼれる事もない。
そんな様子さえかわいくてかわいくて、唇が釣り上がる。すると、最上さんが途端に怯えてみせるから、きっと今の俺は彼女のいういじめっ子の表情をしてるんだろうな。
さぁ、どうしてくれようか?
ジリジリと後ずさってソファーの背もたれにめり込む勢いで張り付いている最上さん。その背もたれを掴んで腕で檻を築いて閉じ込めるように追い詰めて
「そんな風に俺の身体を見てただなんて…………最上さんのえっち。」
最上さんへ抱く俺の邪な想いなんて棚上げして、耳元で囁いてやった。
そう。他にもいろいろ教えてもらったな。
最上さんが俺の髪の手触りが癖になるくらい好きだとか、セラピーって呼んじゃうくらい俺の匂いでふにゃふにゃになっちゃうだとか、俺の名前ひとつで顔が造形放棄しちゃうほどだとか……いろいろと。それはもう、名医と崇めた脳内の担当医が学習能力と一緒にさじを投げるくらいなまでに。
今だって、ほら?最上さん本人を動揺させたからだろうか……
『あんた何バラしてんのー!?敦賀氏は、絶対の絶対に、ピンポイントそこだけにはバレちゃいけない本丸のデンジャーゾーンでしょうがっ!!』『バラしてないバラしてないっ!親ビンが地獄まで持ってくって決めた敦賀氏への想いなんてバラしてないもんっ!!』
わらわらわちゃわちゃと揉み合ってもめている怨キョたち。
本体である最上さんに何故か声が届かない所為もあるんだろうな。 怨キョたちは言葉を隠す事を知らないってくらいに、思ったそのままを口にしてくれるんだ。
もともとな本人だって顔に出やすくてわかりやすい方だけど、輪をかけて更にもっとずっとダダ漏れに。
そう、最上さんの本心をそのままを。
至近距離に覗き込む最上さんの紅茶色の瞳は酷く怯えて震えている。
きっと、今までの俺なら存在の抹消を恐れ、折れて優しい先輩としての位置まで撤退していただろう…………
だけど、今はね?
怨キョには殺人光線スマイルだなんて言われてしまう、俺の君への想いを滲ませた笑顔。途端に、ぎゅぅと眩しげに泳いで逸れていく視線を絡め取るみたいに柔らかな頬に手をやって逃げれないように固定して、願いを込めて愛しい唇を指のはらでなぞる。
確かに小さい最上さんな怨キョも堪らなくかわいい。だけどね、俺が本当に欲しいと望むのはやっぱり腕にしっかりと抱きしめられる愛しい彼女本人なのだから。





「さぁ、キョーコ。地獄まで持っていくつもりの俺への想いとやらを……白状してみようか?」





間違っても、誤魔化して逃げられるだなんて思わない方がいいよ?
今の俺には、怨キョというかわいいかわいい最強の内通者がついているんだから。





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蓮さんに怨キョちゃんの声が届いたら…………
最強の内通者となってしまうんじゃないかと。
ただそれだけ。
( ´艸`)



某ゆるしゃんに会議室でいただいたネタから勢いのみでの書きなれぬ怨キョ視点ありなこの話。書いてる猫木は楽しかったでありますが、読んでる方はどうなんでしょうか?
_(┐「ε:)_
違和感とかあるかもですぞー!だって、怨キョの自分を指す一人称とかわかんないくらいブレブレですゆえに。



ゆるしゃん、楽しい蓮怨キョネタをありがとー♡
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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