毒喰らいが終わったから、次はリクエストだと言いましたが……
あれは、嘘だっ!!(Φ皿Φ)クワ! 


ごめんなさい。ちゃんとリクも考えてます。
ただ、三人称にするか一人称にすりかとかタイトルとか行き詰まって悩んでたところへ……
某会議室で某ゆるしゃんからおもしろそーなネタが転がり込んできたので、つい書いてしまったのが、こちらな成れの果てにございます。
_(:3」z)_


なんでもいーや☆なお方は暇つぶしにでもどうでしょうか?



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はぁはぁはぁはぁ…………
どこをどう曲がって登って駆け下りてここにたどり着いたのかもわからない。
吸っては吐き出す荒い呼吸音さえ、聞きとがめられるんじゃないかって怖くて仕方がなかった。
とっさに潜り込んだ物陰で可能なかぎりに身を縮めて息を殺す。
針を落とす音さえ響きそうな不気味な静けさの中、震える身体を抱きしめながら……
どれくらいそうしていただろう?
…………もう、大丈夫だろうか?あの恐ろしい男の手から逃げおおせたのだろうか?そう思った時だった。
カツカツ………と、あの男の靴音が近付いて来たのは。
ひぃっと喉から飛び出そうな悲鳴を喉で押し殺す。
どうか!どうかお願い!!見逃してっ!!なんて必死の祈りを無下にするかのように、近くぴたりと止まる足音。
もう、ダメだって……ぎゅっと目を瞑っていると聞こえて来た低い声。
アイツへと何か威嚇するような冷たくて硬い声…………遠去かっていくあの男の靴音。
た、助かった……の?
あぁっ、でも、そんなものより何よりも……
『なんて心地の良い、黒い怒りのオーラ!!』
思わずドアを開けて入って来たその真っ黒なそのオーラの発信源である人へと飛んで行って、ふくふくと心行くまで全身に浴びるように感じて、調子に乗って大胆にもすりすりと胸もとあたりに懐いてたの。
だって、いつもなら止められちゃうから。それでなくても、今の今まですっごい怖くて心細い思いをしてたんだものっ!?
ちょっとくらい美味しい思いしたって許してもらえるんじゃないかって……
でも、まさか……まさかよ?




ふわりと、背中を包む大きな手のひら。




いやいや、まさか。人間に触れられるなんて事、滅多にあり得ないんだから!あり得ない。気のせいよ、気のせい……気のせい、よね?
そろりっと、恐る恐るに見上げれば……バチッと音がしそうな程に確信的にこっちを見ている切れ長の黒い瞳と目が合った。合ってしまった。
「えっと……最上さんの声と顔をしてるけど、君は一体?」
あまつさえ、不思議そうにそう声を掛けられた。怨キョなのに、だ。
NOOOOOOO!!なんで?どうしてっ!?だって、普通は我々は人間には見えない存在の筈なのに!?それこそ、あの今まで追いかけ回されてたレイノがびっくりどっきり人間規格外なだけで、今までだって見つかった事なんてなかったのに!?
どうしよう?逃げる??……あ、でも、まだ近くにあの魔界人が居たらどうしよう?もうストラップに繋がれるのはいやぁぁぁぁぁ!!!親びぃぃぃぃん……
我々怨キョは身体が小さい分、ただでさえひとつの感情でいっぱいいっぱいになりがちなのに……魔界人に追い回されてた恐怖と疲労と不安、そこにこのパニックで、もうどうしていいのかわからなくて、えぐえぐと泣きじゃくっていると
「大丈夫、大丈夫だから泣かないで。」
宥めるような優しい低い声と、身体をすっぽりと包むあったかくて大きな手。
自分で言うのもおかしな話だけど、怨キョなんてこんな摩訶不思議生物が飛び込んで来たってのに、怯えたりめんどくさがったりしないでこんな優しくしてくれるだなんて……
親ビンが神の寵児だって崇拝するだけの事はあるのかな……





もう宙を飛ぶ元気もなくって、楽屋と呼ばれるその部屋のローテーブルの上にべしゃっと蹲る。
対面のソファーに座っているのは、親ビンが敦賀さんと呼ぶおひと。
気遣って「お茶とかお水とか飲む?」って聞いてくれたけど、怨キョだから飲めないとフルフルと顔を左右に振ってみせる。
魔界人に遭遇しそうでこの部屋をひとりで出るのも怖くて……どうやったら親ビンと仲間たちの所へと帰れるのかわからなくて……
敦賀氏が促すがままに、縋るようにぽしょぽしょとなんでこんなことになったかの経緯を話したの。
ことのはじまりは、憎っくきあの男!憎悪の対象たるアヤツめと親ビンがこのテレビ局にてばったりと出会ってしまったことだった。
我々、怨キョはいつもみたいに総攻撃に打って出ていた。
自分は、奴のあの軽い頭に張り付いてキューティクルと毛根にダメージを与えていた……んだけど。波平ヘアが良いかM字ハゲがいいか、それとも落ち武者スタイルか……なんて夢中になっている間に親ビンとヤツはマネージャーによって引き離されたらしく、気が付いたら親ビンは居なくなってて……
迷子は嫌ぁ!!って探してるところにあの魔界人に見つかってしまって……あの思い出したくもないVD前の時のように束縛されそうになってたとこをなんとか逃げ出したのだ。
えぇ!そりゃぁもう、死にものぐるいに必死でっ!!だって、あの魔界人が一緒に寝るだのちゅーするだの恐ろしい脅し文句を。あぁ、思い出すだけでも震えが走る。
それからどれくらい追いかけ回されていたのか…………逃げ込んだ先がこの敦賀氏の楽屋だったという訳なのだった。
あー、それにしてもまた敦賀氏からいい感じに黒い感情が滲み出してるぅぅぅ、なんてウズウズと浮かれそうになってると敦賀氏が言い出したのだ。





「えと、それで君のいう親ビン?最上さんなんだけどね。今、泊まりでロケで地方に出てて……俺が連れて行ってあげれたらいいんだけど、仕事があって。ごめんね?それで、最上さんが東京に帰って来るのが明後日の予定なんだけど。レイノが君を諦めたかどうかもわからないし、良かったら……それまでうちに来ないかな?」





それが、自分、迷子なはぐれ怨キョが不本意ながら〇〇〇となってしまう、そのはじまりだった。





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| 壁 |д・)いや、さ、ほら……
怨キョと蓮くんが絡む話とか……おもしろそうじゃないですか???
まぁ、書くのが所詮猫木ゆえに期待出来ないんですけどね。
毒喰らいの後遺症かのようにどこかくどい、そんなものでの前中後編予定?です。



さて、蓮くんは怨キョちゃんとのドキドキ同居生活やいかに!?〇〇〇とはなんぞや!?
よろしければ、お付き合いお願いしやっす!!



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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