17900番目の拍手を叩いていただいた、あんり様からのリクエストにお応えしようとしてみたものの…………



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ぽたり……ぽたりと
頬に降り注ぐあたたかな雫
君が泣いている
震える指と苦しげな嗚咽に胸が軋む
けれど……俺にはもう




瞼を開く事さえ、許されてなかったんだ。





****   永遠に愛し君。  ****





「蓮、俺はいいから。はやく……」
どうしても動かせなかった仕事を終えると社さんが俺にそう言ってくれた。
これから事務所へ戻って急遽変更してもらったスケジュールの調整をしてくれるのだろう敏腕マネージャーに頭を下げてから、滑り込むように車に乗り込むと夜の賑わいに騒めきはじめた街の中へ車を走らせた。
ハンドルを握りしめ、気のせくような俺の頭に浮かんでいたのは……




ひと気のない寂しげな海岸をまっすぐに歩いてゆく彼女。
さぶざぶと裸足のままの華奢な脚が波で濡れるのも構わずに、ただ海を歩いてゆく。
ゆらりゆらりと、波に揺らめくような彼女の白いシャツがまるで花びらのように見えていた。
やがて、灰色の波間に飲み込まれるようにそのましろな花びらは冷たい海の底へと沈んで…………





回転数を落されたエンジンが唸りを上げる。コンクリートとタイヤのゴムが軋むような音を残して停止した車の中。
頭の中に重ったるく影を引き摺るような感情の残滓を振り切るように首を振って、車を降りエレベーターへと向かった。
ひとつ、またひとつと上昇を知らせてくれる数字を草卒とした気持ちで見つめていた。
そしてやっと辿り着いた最上階。開いた自宅のドア。
俺を迎えてくれたあたたかな灯り。
パタパタと聴こえてくるスリッパの足音と同じリズムでゆれる明るい色の長い髪。
俺を見てほっとしたような顔をする女の子。
「マリアちゃん」
俺を出迎えてくれた彼女の名前を呼ぶと、彼女は困ったような表情でしーとその唇に人差し指を当てて内緒話をするように小さくひそめた声で俺に告げた。





「お姉様、さっきお眠りになったばかりですの。」







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んー。飛び飛びでいつも以上に何がなんだかわかりにくくてごめんなされー!
_:(´ཀ`」 ∠):



切りどころがわからなくって前編短めとなりましたが、たぶん前中後編なものとなる予定となっておりまする。



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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