グラグラしてる蓮さんな中編でありますぞー!
ちと、ぇろくさいよー!桃ってぽいよー!寝室でゆー!
嫌んな方は逃げ出してくんなましー
(*ΦωΦ)



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解ってはいるんだ……
わかってる、けど、でも、だけど、不安で



離してあげれない。







「っ……んっ……ぁあっ」
愛しい彼女の存在を主張するみたいに当たり前にふたりのものとなった寝室のその空間にてんてんと落とされ満ちる、甘い彼女の声。
暗がりに揺れて浮かび上がるほっそりと白く細い脚。
汗で張り付いた栗色の髪を撫で付けても、長い睫毛に縁取られた涙に潤んだ紅茶色の瞳にはもう虚の色しか浮かんでいなかった。
散々にずっと長く、蓮に揺さぶられ続けているキョーコ。
こんな一方的で自分勝手な……愛し合う行為だなんて言えないだろう。解ってる。わかってるんだ……でも
「気持ちいい?……キョーコちゃん、ここスキだよね?」
淫らなまでに低く甘く潜めさせた問う低い声に応えるように高くあがる嬌声。
「ぁぅ……きも…ちぃ……す…き」
蓮の声に、まるで鸚鵡返しのように返される声。
「……いちばんに?」
「はっぁ…………ぃちばっ……んっす……き」
しっとりとした滑らかな肌と愛しい体温。汗の香りと甘い声。虚ろに言葉を零す濡れた唇を舌でなぞる。女優でもタレントの京子でない、蓮だけのキョーコ。
俺と誰かを比べないで。俺だけ知っていて。
まるでワガママな子どものように、解っているのにがむしゃらに強く縋るように望んでしまう。
触れて繋がっていないと、不安でしょうがない。キョーコに無理をさせている。
昨日だってその前だってろくに寝かせてあげれないまま……解っているのに解放してあげられないまま。それどころか、幼いまでに痛ましく蓮の好きに揺すられたままのキョーコにズキリと罪悪感に胸が痛むけれど、それ以上の仄暗い歓びを蓮は覚えてしまうのだった。




最初は役作りの必要なんかない、美味しい役だって思っていられた。
なんせ蓮の相手役が愛しい愛しいキョーコだったのだから。
甘い言葉を囁いて……冷たく躱されるのさえ、愛を拒絶するラブミー部時代の手強い恋人を思い起こさせて、ただ懐かしく愛しいと、そう思えていたのに……
役を演じ深め、ドラマでの劇中が進むに従って……じわじわと役に侵食されるように蓮の精神は不安定になっていった。
『本当に?……だって、男は旦那しか知らないんだろう?本当にそれで1番に大切に愛されてるって解るの?比べてみればいいよ……俺と旦那と。何がいけない?アイツは……君と比べる他の女を作ったのに?』
役を憑けた蓮がキョーコに誘うように、甚振り抉るように囁いたセリフ。
なまじ蓮の役どころと、相手役がキョーコなだけに……役もセリフもそのまんまが蓮に跳ね返ってしまった。
キョーコを裏切った夫。
もちろん、蓮がキョーコを裏切って他の女となんてあり得ない。だけど……過去は?
純真なままでいてくれたキョーコと……比較出来ない程に、好きだと思ってはいても愛も伴わぬまま肌を重ね夜の数ばかりを重ね過ごしていた自分。
そして、そのキョーコに……よりにもよってふたりの自宅へと招かれ迎い入れられた自分。
役だって……『春香』と『秋吉』の家に上り込む『和臣』の役なんだって理解していても…………
役に引き摺られて、ずるずると愛しいひとが奪われる不安に侵されいってしまった蓮。




ポタリと、ましろな紙に落とされたインクがじわりじわりと広がるように……
自分の顔をした間男が自分の過去の過ちすらを言い訳に、愛しい愛しいキョーコを奪いにやって来るような……そんな妄執に取り憑かれてしまった。
キョーコが蓮を裏切る筈なんてない。そう、解っていながらも……つい先日、キョーコの手によって夫妻の自宅へと招かれて、奪い取る立場の男の役となっていた蓮。
自分と同じ顔をした間男に怯えるだなんてバカらしい…………そう、解ってはいてもだ。





ただ、腕に閉じ込めた愛しい存在が奪われぬように、誰の目にも触れないように、覆い尽くすように抱きしめて肌の上へと蓮の独占欲と所有の印を刻んで、肌を重ねて身体を繋げてるその時だけが…………恐ろしい不安を忘れていられた。
だから、蓮はキョーコに無理をさせているとは解っていながらも、連日に渡ってキョーコのその存在を求めずにはいられなかった。
「っ!……キョーコちゃん、キョーコっ……」
確かめるように、縋り付くみたいに繰り返し愛しいその名前を呼びながら被膜越しに放たれた白濁。
蓮よ腕の中に囚われたまま、細い悲鳴をあげて身体を痙攣させる愛しい存在。弱々しくも背中に回された細い指先。
なのに、蓮の中にどろりと渦巻くような不安の黒が消えないまま……




ふるりと……埋められていた楔の引き抜かれる感覚に身を震わせたキョーコ。
けれど、伏せらた瞼は閉ざされたまま。
まろい頰を指さきで撫でて……
誰かに奪われるくらいなら、いっそこのまま……俺だけに汚してしまおうか?
「ねぇ、キョーコ?もうコレ、無くてもイイかな?」
未だに癒えぬ不安と燻るような熱。蓮の下肢から外されたソレ。
そうすれば……君の総ては俺だけよものになる?誰にも奪われないように縛り付けてしまいたい。
先端にぽたりと溜まったゴムの中の欲望の白を、薄赤く色付いた独占欲の痕を散らばらせたキョーコの肌へぽたりぽたりと滴らす。
答えなんて……キョーコの意識なんてないと思っていた。だけど……なのに





「……いいですよ。それで、コーンが……貴方がそんな辛い顔をしなくていいのなら」




返されたか細い声。薄っすらと開いた愛しい瞳。
蓮の頰を辿るあたたかな指さき。
やっと、ようやっと、ハッと我に帰るような思いの蓮。
「ちがっ……ごめん。キョーコちゃん。だけど、それは……」
キョーコが夢を見るみたいな祝福される順番を飛ばして、女優としてのキャリアや立場などを全て捨てさせるような……そんな身勝手な蓮の願いを、自分の過去と役を比べて勝手に不安定になってしまっていた蓮を攻めたりせずにいてくれたキョーコ。
くしゃりと歪んだ蓮の顔をなでなでとキョーコの指が撫でている。




「解ってます。解ってますけど、でも、貴方以上に大切なものなんて……ないんですよ?」




うつらうつらと、疲労に溶けてゆく琥珀色の瞳を隠す長い睫毛。
「ありがとう、キョーコ…………いつか、いつかね。」
キョーコに何かを捨てさせるのではなく、ふたりでそう望めるようになる未来まで……ちゃんと待つから。
あと数時間後には白み始めるだろう朝までの短な時間、その眠りを妨げぬようにそっと口づけを贈りながらただ優しく優しく髪を撫でる大きな手。




すぅすぅと愛しいキョーコの微かな寝息に誘われるように、蓮も久方ぶりの不安のかけらもない満たされた眠りへと落ちながら、腕の中のこの愛しいひとへ何をしてあげれるだろうか……そんな事を考えていた。





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こんくらいなら通常で行けるかなー?雷落ちないといーなぁ。


しっかし、なんか変な方向に進んでますのぅ……
むずかしや。
_(:3 」∠)_



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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