猫木の3周年記念っぽい変なリク募集企画?
に頂いた蓮キョコさんたちにさんざんさせたい事をさせていくだけなものとなっておりまする。
タイトルでいきなりネタバレシリーズになるんだぜよぅ。
( *'w')b


んでは、こちら蓮くんverからの続きだったりしまする。
ちょいと、桃風味?な表現あり。雷もらったら限定に移動させます。



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神よ……っ!!
とうの昔に神に祈るのを辞めた癖に……頭の中で縋るように助けを乞う。
吐息すら感じ取れる程の極僅かな近い距離で、誘うように俺の首へと腕をまわし妖艶に瞳を蕩かせて笑う愛しい彼女。
羽織ったシャツの下、黒いキャミソールのレースと堪らなく魅惑的な胸の膨らみへと続く滑らかそうな彼女の肌のコントラストに視線が貼りついてしまいそうだ。
ワザとなのかっ!?煽ってるのか?誘ってるのか?
違う癖に……俺がチラッとでも『男の顔色』をすれば真っ青になって逃げて行く癖に。
もう、これは君が俺の下心を含んだ想いも全部知っていて、俺を試しているんじゃないかなんて事まで考えてしまう………………










「あの……わ、私に…………ベッドシーンの演技指導してくださいっ!!」



頬どころか顔じゅうを真っ赤に染めた最上さんの口から飛び出て来たのは、予想外過ぎるそんな願いだった。
最上さんのベッドシーン……脳裏に浮かぶ肌を晒した彼女の肌に触れる男優と絡まるように抱き合い喘ぐ最上さんの姿。そんなもの、俺以外の誰の目にも触れさせたくないっ!!
はらわたを焼くようなドロドロとした独占欲と嫉妬を含んだ怒り。けれど、同時に役者として求められるだろう演技をこれから大人の女優として様々な役を経て花開くだろう『京子』の成長を思うと、決して君には必要ないと先輩づらして握り潰し取り上げてしまえばいいとは言えない。そんな『俳優』としての冷静な声が頭の中を渦巻く。
「最上さんは…………まだ、経験もないだろう?」
やっと喉から絞り出した声は、自分でも情け無いくらいに掠れていた。
恋愛を拒絶しているラブミー部の彼女。生々しく肉欲を伴った夜の演技はまだはやいと、そう言いくるめたかった。けど……
「未体験だから演じられないなんて役者として言い訳に出来ないと先生に教わりましたっ!」
俺を見上げている強い意志を秘めた琥珀色の役者の瞳。そのまっすぐな瞳を、彼女に尊敬してくれる役者として裏切る事など出来なかった。
それに……もしもだ……俺がこのベッドシーンの演技指導を断って、最上さんが他の誰かに指導を乞うたら?その男がほいほいと腕に飛び込んで来た美味しい獲物を無事で返すとは思えない。
だから、俺は…………




非常に苦しい窮地に叩き込まれている。
よくある普通のベッドシーンなら、望まれた『絵』を作り上げるための流れに慣れているだろう俳優のリードに身を任せればいいと、そう言えた筈だろうに。
最上さんが演じるのは、『男を誘う女』。最上さんから動かなくてはいけないらしくて……
俺のベッドルームなんかに連れ込んで理性を危うくはしたくなくて、リビングのソファーに座ったままのシチュエーション。
太腿の横へ膝を乗り上げた最上さん。
いつもと逆に見上げる角度にある彼女の顔。
もごもごと迷うようなピンク色の唇が言いづらそうに言葉をこぼす。
「あの……あ、あの…………夜の帝王になってくださいっ!」
はぁ??夜の帝王ってなんだ?
顔に浮かんだ疑問符が見えたのか、真っ赤な顔の最上さんが語る…………ダークムーンごっこの時に最上さんを抱き締めてしまったハプニングを誤魔化した時や打ち上げで貴島にドレスアップされていた最上さんに釘を刺すつもりで今すぐにどうにかしようか?と告げた時の俺の事らしい。
「あの恐ろしいまでの色気な夜の帝王様なら、きっと引き摺られて地味な私もっ!!」
グッと拳を握り締めて彼女が言うのだ。…………つまり、俺に彼女に欲情してみせろと。
勘弁してくれっ!!





「俺の首に腕をまわして……俺に擦り寄るみたいに動いて?そんなに大きな動きでなくていいから……そう、俺に合わせてゆっくり……」
どう動けば求められた『絵』になるのか、役者魂を無理矢理フルに燃焼させながら俺の膝の上に跨った最上さんへ口頭で教えながら……
俺の頭の中には、母国で通った協会で聞いた聖書の一文や牧師の言葉、こっちに来てから耳にしたようなうろ覚えな念仏が呪文のようにグルグルと凄いスピードで巡っていた。
首から肩へと肌を擽るように滑る最上さんの細い指。ひとつ、またひとつ、焦らすようにゆっくりと外されていくシャツのボタン。絡み合うような視線とにんやりと見せつけるように誘う艶やかな唇。ヒール兄妹を演じていたあの夜のように肌の上を這う彼女の唇。胸に感じる愛しい体温。
襲い掛からなかった自分を褒めてやりたい!!
「息を乱して…………声を出して?」
もうこうなったら逸早くこの演技指導を終わらせようとそう言ったんだ。無言のままではそれっぽくなんてならないから。
「えと……あの、声ってどうすれば?」
うにゅっと眉を落とした最上さんは言う。
そこから…………そこからなのか
やっぱり、俺を試してるとか玩んでるとかじゃないだろうか?
いっそ、このまま腕の中にある細い身体を組み敷いてイイ声が出せるようにその肌に手と唇を這わせて…………なんて出来る訳もなく。
記憶の奥底から円周率や素数に数式、化学式なんかを必死で引っ張り出して思い浮かべてながら最上さんの腰に沿わせていた手を動かす。
背骨の上を指でなぞるように首すじへと撫で上げ、栗色の髪の中へ指を絡める。
「ひゃっ……ぁんっ……んぅぅ」
噛み殺された最上さんの甘い声。
ぎゅっと俺のシャツを握る最上さんの指先の感覚にさえ、脳裏を焼くみたいで頭がどうにかなりそうだ!!
こんな状況で、なのに……彼女のいう夜の帝王の演技を貼り付けながら、それでも彼女を襲うことなく、その上に…………反応しないようにだと?
歩く天然記念物的純情乙女の彼女、男の身体が欲情するとどう反応するかなんて理解してるかはわからないが……俺の下半身に密着してるといえる距離にいる彼女。
先輩としてしか見てない俺が邪な欲望を抱いてるなんて勘付かれようものなら………………ダメだ。もう二度と近づいてくれない未来しか思い描けない。
だから、最上さんにバレないように密かに奥歯を噛み締めて、あの思い出したくもないトラウマ級な母の手作り料理と詰め込むみたいなどこよりもハードな食生活だって鮮明に思い出してみせたさっ!!
静まれ、俺の下半身!本当に、これは一体なんの拷問なんだっ!?





「ありがとうございました。」
頭を下げて最上さんが俺にそう演技指導の礼を言う。
いつもならどうにか引き延ばそうと画策する最上さんとの時間。だけど、今夜はもう
この擦り切れた理性がなんとかもっている内に俺の手の届かない距離へと離した方がいい、そう思って彼女を車に詰め込んで送り届けた最上さんの下宿先。
店の扉を開ける前に振り返ってもう一度ぺこりと頭を下げる彼女へ手を振ってみせた。
最上さんの姿がだるま屋の中へと消えて行ったのを見届けて、ハンドルにぐたりと頭を伏せた。
…………疲れた。ハードなアクションシーンの撮影なんか目じゃないくらいに疲弊しているのを感じる。
なのに、頭の中にはさっきまでの最上さんが思い出されていく。
愛しい彼女の香りと体温。濡れたような紅茶色の瞳と赤く色付いた頬。押し付けられてた想像してたよりずっとやわらかな膨らみ。デニムのスカートからすらりと伸びた白い脚。ほんの少し、戯れるみたいにくすぐった指さきに敏感に跳ねた彼女の身体と高い声。
今夜は微塵も眠れそうもない、車を動かすことも出来ないままそうぐったりしていたんだ。






犯行に及ぶ前に彼女を逃す事に必死で、聞き出し忘れていた最上さんのベッドシーンの相手役。
それが、俺だなんて知らされて……他の男に譲れり訳もなく、妖艶な役を憑けた彼女にもっと振り回されて更なる窮地へと追い込まれる事になるだなんて、まだ知りもしないで。







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ギリギリ崖っぷち、哀蓮くん。
( ´艸`)



こちら↓拍手コメントにて、かほ様よりいただきましたリク
「ベッドシーンの手ほどきを!なキョコさんと清らガールを前に◯っちゃわないように悶絶しながら教えてあげるかわいそうな蓮くん」
な蓮キョコさんずにさせたいことにお応えしてみた成れの果てにてございます。
_(:3」z)_




枯れたゴム理性でがんばれ、蓮くん!
君はファンブックで言っていたさ!自分の長所を、我慢強いことだと!!
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↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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