猫木の3周年記念っぽい変なリク募集企画?
に頂いた蓮キョコさんたちにさんざんさせたい事をさせていくだけなものとなっておりまする。
タイトルでいきなりネタバレシリーズになるんだぜよぅ。
( *'w')b




んでは、こちら蓮くんverからの続きにでござーい。



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嬉しいような…………嬉しくないような、なんとも行きようのない複雑な気持ちを抱えて思わず意味もなく目線だけでちらりと空を仰ぐ。
「ね!ね!次、あのお店見たいの。」
そんな俺の腕を引っ張るのは愛しい最上さんの手。
向かう先には、彼女の好みそうな可愛らしい雑貨屋らしきショップ。
俺を見上げるにこりと笑う顔がかわいくって……



つい、また考えてしまうよ。
これが、普通のデートだったならどんなにか幸せなことだろうか……と。









「では……私と…………お、親子になってくださいっ!あのっ……パパ!!」



恋しい恋しい想いひとからの思わぬ願い。
パパっ子な女の子で仲良し親子デートの演技をする仕事が入ったのだと彼女は言う。
母子家庭で父親を知らず……母親からの親愛さえなく育った彼女。甘えるという、当たり前のような行為が最上さんには酷く難関な事らしい。
かといって、父親のように慕っている下宿先のだるま屋の大将はいちゃらぶ親子には程遠いどちらかといえば頑固オヤジタイプ。遠く離れたハリウッドスターに今度は男の子でなく女の子として甘えさせてくれなんて頼むなど烏滸がましくて出来やしない……困り果てた彼女。そして、俺に白羽の矢が立てられたと。
(あの重度の親バカな父なら、最上さんが頼めば嬉々として速攻で飛んでくるんじゃないかな?)
まぁ、俺を頼ってくれたのは嬉しい。
けど……親子…………4つしか違わないのに。いつも実年齢より上に見られるだけに、少し凹む。
けど、あの彼女の俺だったら演れますよね!?な役者魂に挑戦するみたいな目で見つめられると演れないなんてとても言えなくて……



なら、実際に演じてみようとふたりして出掛けてることにしたんだ。
ダークブラウンのウィッグにセルフレームな眼鏡。専属ブランドと違うカジュアルめの服装でパッと見、敦賀蓮だとはバレないように変装して。
背中の中程までの黒髪のウィッグといつもと違うメイク。ただそれだけで普段の彼女とは別人になりきってみせた最上さん。
最初の方こそ、敬語とぎこちなさが抜け切れなかったけれど、俺に合わせるようにみるみる彼女の中でパパっ子な娘を育て上げていった。
仲良し親子なたわいも無い会話を交わしながら、次から次へ最上さんに引っ張られるようにウィンドーを覗きながら雑踏を歩く。
「かわいい。」
最上さんが小さくこぼしたつぶやき。視線を辿れば、オフホワイトのワンピースを着たトルソー。
「試着してみる?」
やわらかなシルエットが彼女に似合いそうだと、そう思ったのに……
「…………だめ。だって、パパ勝手にお会計しちゃいそうなんだもん。」
じとりと俺を見る上目遣いの紅茶色の瞳がありありと、カインの時の俺の買い癖を責めていた。
そんな彼女の額をつんと指で押して
「今日のキョーコの使命は何だった?パパに甘えるんだろ?」
そう、彼女へ強請ってごらんと促してみる。困ったように、きょときょとと泳ぐ最上さんの瞳。
「あっ!パパ、あれ!!クレープ食べよう?」
彼女が指差したのはワーゲンバスのクレープ屋。
叶うのなら頭の先からつま先まで飾り立ててみたいと願っている片想いの身としては、服くらい買わせてくれたらいいのに……なんて少しだけ残念ながら思いながら
「いいよ。何がいい?イチゴのやつ?」
立て看板に大きく印刷されているイチゴとクリームたっぷりなクレープの写真を見つけてそう聞く。
「違うの。パパと!一緒に食べたいのっ!!」
食べないだなんて許しません!そう最上さんの顔に文字が浮かんでいるようだ。でも、見るからに甘そうなメニューに眉を落とせば
「ほら、甘くないのもあるから、ねっ?」
と、彼女が指を指す。どうやら珈琲だけじゃ許してもらえないらしい。
イチゴとクリームのクレープとハムとチーズのクレープ。
ワーゲンバスの側のちょっとしたオープンカフェスペースの小さなテーブルを挟むように向かい合って、さっき見た雑貨屋のマグのデザインやすれ違った散歩中の犬がかわいかったなんてたわいもない会話を交わす。
ふと見ると最上さんの口もとに付いた生クリーム。これくらいの役得があったっていいだろうと伸ばした指。
「……甘いね。」
最上さんの唇の端を掠めるように拭い取ったそれを舐めて、そうつぶやいてみせれば見る間に赤く色付く彼女の頬。
あぁ、これが本当のデートだったなら…………
なんてそう考えいたら、彼女が俺の肩を引いて耳ともに唇を寄せる。至近距離に香る彼女の香りに胸が熱くなるけれど
「敦賀さん、あっちに△△事務所の方が見えます。に、逃げましょう!」
囁かれた、焦りを含んだ声。最上さんの視線を辿ると、確かに見覚えのあるような顔がこっちを見ていて。このまま留まっていたら、「芸能界に興味とかありませんか?」なんて声でもかけられそうな気配。
面倒ごとになる前に……と、せっかくのデートを切り上げて帰って来た我が家。




「ありがとうございました。」
深々と頭を下げているのはいつもの最上さんで。
さっきまで、敬語なしで甘えてくれていたのに……と少し残念な思いながらもそんな最上さんに、これだけは忘れてはならないと聞いたんだ。
「そういえば、仲良し親子を演るってドラマ?CM?」
そう、そこはきっちり聞き出しておかないと。だって、あんなにかわいいかわいい娘だよ?あんなかわいい娘だったら俺なら絶対にお嫁になんかやらない……って、そうじゃなくて。
最上さんといちゃらぶデートする父親役がいるわけだ。もし、女癖の悪い役者だったなら社さんに徹底ガードを頼まないとだし、どこの誰だかしっかりと抑えておかないと…………
「えっ!?……いや、あの…………敦賀様に気にしていただけるような」
きょとりきょとりと泳ぎまくっている大きな瞳としどろもどろな口ぶり。
後ろめたいことがあります!と訴えるみたいにあからさまに怪しい挙動。
「……最上さん?」
声を低くして、詰め寄る。
「もっ……申し訳ありませんでしたぁー!!」
だばぁっと涙をこぼしてずべしゃっと土下座しようとする彼女。栗色の髪の頭を受け止めて上げさせて、どういうことなのか白状させようと彼女が怯える笑顔をしてみせれば
「っ……じ、実は……演るのは仲良し親子じゃなくって………………こ、恋人とのデートなんです。」
最上さんの言葉に、ガンと強く頭を殴られたようなショックを受けた。
「じゃぁ……なんで親子だなんて」
そうだろう?まるで……俺と恋人としてデートするのが耐えられないから親子だなんて偽ったみたいじゃないか。
俺がなりたいと願うのは兄でも父親でもなく、まさに彼女の恋人だというのに。
とことん男として見られてないんだと突き付けられたようで、身勝手な怒りを抑える事が出来そうもない……



「だって、みんな……モー子さんも社さんも敦賀さんに演技指導をお願いしたらいいのにって言うんですけど…………敦賀さんに恋人デートしてくださいなんて、私の願望がバレバレ過ぎてしまいそうで……」



ぶるぶると、怯えきった小動物みたいに震えながら最上さんがこぼした言葉。
最上さんの願望……俺との恋人デートが?
信じられないと我が耳を疑いながら最上さんを見ると、ハッと顔色を変えた彼女がしまった!とばかりに口を押さえていて…………
「ご、ごめんなさいっ!」
叫ぶみたいにそう言って俺の前から逃げ出そうとする最上さん。
逃してなるかっ!反射的に捕まえた彼女の手。
俺を振り返った最上さんの瞳には怯えと涙が浮かんでいたけど……けど、君の願望が俺と同じだって言うのならっ!!



「待って!……待って、最上さん。」



引き寄せて腕の中に抱き込んだ細い身体。
逃げようともがく彼女を捕まえて、栗色の髪に顔を埋めるようにその耳もとへ乞うように告げた。






「俺が君とデートしてる間、ずっと願っていた……俺の願望を聞いてくれる?」






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この後、恋人デートのやり直しを強請りまくるんじゃないっすかしらね?
♪(´ε` )



こちら、くるっぽーな伝書鳩さんにてまじーん様から頂きましたリク。
「では……私と、親子になってくださいっ!あの/////パパ!!」
を、少し変形させちゃったようなつもりのものだったりしやす。
せっかくのいちゃ甘デートなのに、父親なのかよ……ってガッカリ蓮くんとうかポロキョコさんみたいな?
_(:3」z)_



んで、この後。どっからかクーさんにキョコさんとの親子デートがバレて……
「わたしだってまだ、父さんとかおとっつぁまとしか呼ばれてないのにっ!!愛しいわたしのキョーコから『パパ』と呼ばれるだなんて、いかにお前がわたしの愛する息子だとて許せんっ!!!」
みたいな理不尽な親子喧嘩をふっかけられたりするとおもしろいのに……とか、妄想してみたり?
( ´艸`)



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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