暑かったり寒かったりな温度の高低差に気管支の狭まった、猫木であります。
季節の変わり目に必ずにひゅーひゅー鳴る気管、我ながら困りものでありますなぁ。
(´△`)
皆さまも体調など崩されぬようご自愛くださいませ。


さて、本日のコレはリハビリにてございます。
次に続きを書いてこうと企んでるのがライトノベル的な三人称なもので……
そんな感じの三人称リハビリ。ちょいとくどいかもしれませぬが、どぞお手すきのところにでもお付き合い頂けましたなら、これ幸いにござーい。



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「全然まったく、ダメダメですっ!!」



仁王立ちで腰に手を当てたキョーコは、高らかにそうダメ出しを繰り出している……かつて、神とまで崇め賜うた所属事務所の先輩俳優である敦賀蓮そのひとを相手に。
「そんなにダメかな?」
強烈なるダメ出しをくらっている筈の蓮といえば、どこ吹く風とまるで応えていない様子でなんてことない応接ソファーに優雅に腰掛け、キョーコを見上げてそう答えている。
「はい!ダメダメです!!なんですか、その万人に赤面と心拍数の急増と失神を招くであろう浄化の光溢るる神々スマイル!!その笑顔もそのどこぞのヤンデレ兄が溺愛する妹を見るみたいな甘ったるい瞳も、全部ダメですっ!!」
ずびしっと、世の乙女達の抱かれたい男NO.1に君臨する美貌へ人差し指を突き付けてダメ出しポイントを指摘してゆくキョーコと
「ひとを指差すのはマナー違反だよ、キョーコ」と、突き付けられたキョーコの指をなんとも如何わしいような手つきで搦め捕ろうとしている蓮。
「キョーコって呼ばないっ!過剰に触ろうとしないっ!!」
むきぃっ!と更に頭に血が昇ったのか、その蓮の手を叩き落すキョーコ。
「そんな事ではバレバレです!!さぁ、なんだこの使えない干からびた大根役者は……と目で語り殺すような冷たく蔑んだ目で私を見てくださいっ!!」
敦賀蓮のイメージとして些かどうであろうか?なそんな要求を、さぁさぁ今すぐにAction!!とカチンコを鳴らすジェスチャーさえしながら突き付けてみせているキョーコ。



どんどんダメ出しの内容はヒートアップしてるのに、この楽屋の外に響かない音量にキープされてるあたりキョーコちゃんも器用だなぁ……なんて、じゃれ合うかのようなふたりから少し離れた所で座ってお茶をすすっていたマネージャーの社はそう心でつぶやいたとか。
彼のかわいい弟妹とも思える恋愛問題児たちであるふたり。
なんと、目出度くもその曲解に捻れ絡まった重量級な恋を実らせたばかりの出来たてホヤホヤ熱々カップルな……筈である。
が、当の恋仲となったふたりのうちひとりであるキョーコ。彼女は、大半の者が手に入れれば一度は誰かにこそりと惚気たりなんならSNS等で交際を匂わせる投稿のひとつでもしたくなるだろう、敦賀蓮の彼女の座を超機密事項なひた隠しにしたいと望んでいるのである。事務所から交際を秘密にしろといった指令もないのに。寧ろ、トップ自らお祭り騒ぎで背中を押す勢いであるにもかかわらず。
難しい役どころを次々と物にして話題を掻っさらいマルチな活躍を見せては赤丸急上昇中のキョーコ曰く、天下の敦賀蓮の隣に自分のようなペーペーの下っ端女優の名が並ぶなど天が許しません!と、そう一刀両断にはっきりくっきりと。
だから、高セキュリティに守られたプライベート空間な蓮の自宅以外では、壁に耳あり障子に目ありどんなキッカケタイミングで誰に気付かれるやもわからないと恋人の空気厳禁!!とばかりに彼氏である蓮へ先輩後輩の一線をはみ出さないNO親密NO甘さな振る舞いをと、釘を刺し注意を促しているのだった。
が……その蓮はといえば、頭に花が咲きまくったのだろう幸せオーラ全開である。どちらかといえば、付き合ってもいない時でさえダダ漏れな執着心バリバリのこの男。
目に入れても痛くないかわいいかわいい恋人にまとわり付く目障りな馬の骨どもへの牽制撃退にと、虎視眈々と公表して周りたいと企んでいそうな気配さえある。




「そんなに徹底しなくても……なかなかマスコミまでバレたりしないと思うよ?」
プリプリと怒るキョーコもかわいいな、などとは思っていそうなとろけっぷりではあるが、楽屋の中でさえ手も触れさせずに憧れなキョーコ呼びもさせて貰えないでいる蓮が不服をこぼす。
「ダメです!!その油断が命取りなんです!誰にも……一度でもバレたらそこで終わりなんですから!!」
ブンブンと栗色の髪を左右に振るうキョーコ。
「なんで……そこまで?」
まるで捨て犬じみた気配まで覗かせた蓮が縋るように問う。
同空間にいる社も同じく疑問に思った。
何故、そこまで頑なに?だって、スキャンダルやゴシップは日常茶飯事なこの業界とはいえだ。縦にも横にも繋がりはあるし、所属の事務所も真っ向から喧嘩を売ろうとはまず思わないだろう最大手。相手さえ選べば、多少誰かに気取られたとて言いふらされて即座に大事を招くとも思えない。
それなのに、たった一度のそれが致命打とばかりなキョーコの頑迷さ。
どこかおかしい。
と、かつてのキョーコの恋愛拒絶っぷりと曲解っぷりが頭をよぎるようで、その場のふたりの男の空気が張り詰めだしたその時。
キョーコはこぼしてしまったのだ。



「だって、一度でも誰かバレたら絶対に本当に?って確認されるでしょう。そんなの……例え演技でだって否定なんて出来る訳ないじゃないですかっ!」



うっかりポロリと、そう。




社の視界の隅で、蓮の背中が崩れ落ちてゆく。
蓮との交際を口先だけであっても否定したくないから誰にもバレたくないのだと、そう言ってくれた恋人の強烈なる言葉に心臓を直撃され、敦賀蓮、撃沈。
あーぁ、これはまた絵に描いたような見事な鴨葱。と、社はそう思いながらも鞄から愛用のスケジュール手帳とビニール手袋と携帯などを取り出す。
賭けてもいい。
キョーコがバレたら否定しないとそう言うのだ。その存在を永遠に絡めとりたいと望む男が黙っていれる筈もないだろう。
たぶん秘密の関係なんて3日も持たないんじゃないかな?なんてそう考えながらこれより先に必ずに訪れるであろう多忙なる日々のスケジュール変更と対応を事務所と相談する為に、ビニール手袋に手を通したのだった。




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「敦賀さんと付き合ってるの?」に「付き合ってません!」って、言いたくないからバレないよーに!!な、キョコさんとかかわいくないっすかね?
_(:3」z)_


三人称、くどさっぷりの具合が難しい。
読み返しな羞恥ぷれぃ、がんばりやす。
(。ŏ_ŏ)


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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