うそつきいじわるだいきらい。の駄目駄目ヘタ蓮さん視点、はじめました。

 

 

ごめんねゆるしてあいしてる。10の続きなものであったらいいのに。

( ´,_ゝ`)

 

 



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うん。何というか、こうやっぱり…………凹むよ。



君に恋をしていると、そう告げた俺の言葉を叩き落とすつもりなのかって程、即座に彼女の唇からこぼれ落ちたのは「うそつき」と俺の想いを否定する言葉。
「だって、つるがさんには……敦賀さんのきょーこちゃんがっ」
俺の胸を押して、腕の中から逃げるように後退って身体を小さく竦めた栗色の髪のがふるふるとかぶりを振る。
「……キョーコちゃん?」
俺の、「敦賀さんのきょーこちゃん」って、一体?
彼女の名前を呼んだ俺の疑問の声に顔をくしゃりと歪めて違うと、そう言った彼女は……
敦賀さん呼んだの。代マネをしてた時の夜に…………きょーこちゃん、ありがとうって……優しく笑って、あんな大事そうに……」
喉を震わせた涙声で、そう。
初めて熱を出して朦朧としたままに見た懐かしいあの夏の思い出の夢。夢うつつの俺が呼んだらしい、キョーコちゃんの名前。
大粒の涙をにじませた瞳を俺から隠すみたいに顔を深く俯かせて。
俺の手のひらから離れていく涙に濡れた頬。
「だって……敦賀さん、私のこと……嫌って…た。だから……私じゃ、ないっ。」
喉のヒクつく音と震える肩。
キョーコちゃんが泣いている。
彼女を泣かせた……過去の俺をぶん殴りたい。
「キョーコちゃん」
そう呼んで、泣いている彼女の鼻さきを人差し指で押す。
人の顔を指さすなんてマナー違反な上に、更に泣いている女の子の顔だなんて紳士な「敦賀蓮」ならしくない振る舞いに、キッと俺を睨む琥珀色の大きな濡れた瞳。
「キョーコちゃんの夢を見てたんだ。昔、熱あたりで倒れた俺のおでこに心配そうに泣きそうな顔で冷やしたハンカチを乗せてくれた時の夢を。でも……自覚する前に、まさか本人に気持ちがバレてたなんて……なんだか」
言葉じりを濁して……きょとんと俺を見上げるキョーコちゃんの目から片手で顔を隠すけど……指さきに触れる自分の頬が、焼けるみたいに熱い。





だって、仕方がないじゃないか。
あんなに諦め悪く足掻いて足掻いて、やっと自覚したっていうのに……
ぐふふ笑いで社さんに揶揄われるようになるずっと前に、それもまさかの本人に直接だ。名前を呼んだ、それだけで、俺の気持ちがそんなにもはっきりありありとバレてただなんて。
その上、やらかした俺の行動のせいで…………
いや、復讐だなんて動機が気に入らなかったとはいえだ。
本気で怯えさせたり嫌味な事も吐いたし先輩づらでお説教してからかって……事務所から放り投げるみたいに追い出した事もあったな。
あぁ……凹む。本当に、過去の俺を殴りたい。
キョーコちゃんをあんなにも怯えさせたツケだろうか。
俺には……コーンだろうと敦賀蓮だろうと久遠だろうと、俺の特別なキョーコちゃんはただひとりだっていうのに。
俺のキョーコちゃんへの気持ちがバレてても、これっぽっちもだ!もしかして……とすら思ってもらえてもなくて、別人を想ってると思われて泣かれるだなんて。
かっこ悪くて情けないし無性に照れ臭いし、べっこりと凹むけど……
今更、後に引けるかっ!!
俺には君しかいないんだ!




コホンと、赤くなってるだろう顔色を誤魔化すみたいな我ながら芝居くさい咳ばらいなんてしてのが出てしまったけど。
「俺のキョーコちゃん」
愛しい彼女の名前を声にする。
彼女が言ったように大切にこの胸にある気持ちをたっぷりと。それと、彼女の王子様だけに許さなた呼び方で呼べるように、そう願いを込めて。
「最上キョーコさん、君に恋をしています。」
俺を見上げている大きな愛しい君の瞳から、逃げることなくまっすぐに。
どうか伝わるように。
恋に傷ついて愛を拒絶していた君が、信じてくれるように……
「だから、お願い。別れるなんて言わないで。お嫁さんになってもらうまでは、俺の恋人でいてください。」
キョーコちゃんの左の手を取り、手探りでポケットから取り出したバングルを……いつかその薬指を飾る先約の願いも込めて




細い手首で煌めく石へ込めたリガードバングル。
やっぱり、君によく似合う。






涙に濡れた睫毛がパシパシと数度瞬き、そして……
キョーコちゃんは泣き出したんだ。






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| 壁 |д・)
べっこべこに凹む蓮さん、書くの楽しいっす☆
そして、泣きっぱなしな当初の予定通りに泣いていただくキョコさん。



次で終われるといいですねー?
( ´_>` )ハッハッハッ



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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