アトランティスの穹700 | 月猫堂☆紡ぐ物語

月猫堂☆紡ぐ物語

降りてきた物語を書いています。

◇◇◇

ディルタナスは自室に戻ると、椅子に深々と座って、重い息を吐いた。
「疲れた。」
アダンは小さく笑うと
「ハーブティーでもご用意しましょう。パジャク」
「はい。」
パジャクは、お茶セットをサイドテーブルの上に置いた。
お湯の入ったポットとティーポットと瓶に入ったハーブが数本。
パジャクは、ティーポットの蓋を開けると
「調合はどのように?」
「おまかせします。」
アダンは、にっこりと笑って言った。
パジャクは、ごくりと唾を飲み込んだ。
こういう時は、お題を出されていると。分かってきた。
パジャクは、ハーブの瓶を眺めて考えた
(銀車の中で、ディルタナス様は薬を飲んでいる…薬を飲んでから半日も立っていない。…と、いうことは)
真剣に取り組むパジャクをアダンは微笑ましく眺めた。
「…弟子の成長が嬉しいようだな。」
アダンを見上げてディルタナスは笑った。
「ええ、それはもう。」
アダンは笑むと、パジャクに言った。
「ああ、そういえばディルタナス様の髪の色をお話しするんでしたね。」
ふ、とパジャクの気がそちらに逸れた。