父は 64歳で亡くなりました。
肝臓がんでした。

25年ほど前のことです。

 

 

元々病院嫌いで、自営業ということもあって、健康診断を受けることもなく、

腰の痛みでどうしようもなくて 近所の病院に行くと、

 

「救急車で搬送するから!」と、


大学病院へ入院。

 


輸血によるC型肝炎からの肝硬変・肝がんでした。

 


肝動脈塞栓術を行いましたが、


食道静脈瘤が破裂し、

 

あっというまに弱っていき、

 


入院から3か月で亡くなりました。

 


入院したばかりの頃は食欲もあって、


病院の食事はまずいから、と


母が3食作って持って行っていました。

 


が、すぐに口からの食事は制限がかかり、

 


最後は水分さえも飲めなくなって、

 

 

湿らせたガーゼで口の中を拭くのが 母と私の仕事でした。

 

 

 

こんなにあっという間に逝ってしまうんなら、

 

 

痛みのコントロールだけしてもらって、

 

いわゆる緩和ケアで、

 


食べられるうちは 好きなもの食べさせてあげたかったなぁと

 


母も私もすごく後悔しました。

 

父の笑顔の最後は 


初孫である長女の 幼稚園の入園式の日、

 

真新しい、ちょっと大きな幼稚園の制服に、


黄色い鞄と黄色いベレー帽をかぶってお見舞いに行った長女の姿を見たとき。

 


「お父ちゃん、あの時幼稚園に入ったばかりだった長女が

今はもうお母さんになってるんだよ」

 

積極的治療をするのが いいのか悪いのか、


もし自分が父の状況になったら、どうするだろう・・・。