こんにちは、T、Kです。

 

北海道もようやく夏に突入ですね。

 

時は西暦1999年

私は非常に病んでいました。

パニック障害の発作に悩んでいました。

当時、宮城県仙台市に住んでいたが

当時は今と違い心療内科や

メンタルクリニックが少なく

発作の度に緊急搬送される。

 

病院に着いた頃には発作は落ち着いている。

 

原因が分からずドクターショッピングを繰り返す日々

最後に訪れた精神科で

初めて

パニック障害

知りました。

 

更に、仕事上圧し掛かる責任もとても重く

おバカな私は信じてしまった。

 

そ・れ・は

「ノストラダムスの大予言」

西暦2000年

会社辞めました!!

後悔はしないが反省している!!かな?

この世の最後は行った事が無い南国で、、、、

都会の喧騒を離れ

静かな

西表島

のんびり過ごすはずが何故か

サトウキビ畑で収穫のアルバイト。

通称

キビ刈り

 

長年、飲食関係の仕事、しかも昼から深夜まで

昼夜逆転の生活が日常。

拘束時間最低14時間

今ならブラックかもしれないが

当時の会社は通常運転。

 

体力勝負のキビ刈り。

 

無理だと思ったが何とかなった。

キビ刈りをしたらパニックの発作が消えた!!

農業が精神疾患に(うつ病等)良いというのは

最近知りました。

 

それよりも肉体労働など経験がない。

しかも照りつける太陽

まとわりつく湿度

 

キビ刈りは1月から4月迄の季節労働

本来なら冬なのだが

さすが亜熱帯気候の先島諸島

一番寒い日の気温が15度位である。

 

島人は寒いらしいが

ナイチャー(内地の人)の私には

肉体労働には丁度良い。

しかし

15度位の日が3日程で

西表の冬は終わる。

 

次に訪れるのが雨季。

 

2月一杯は雨の日が多い

それでも気温は20度以上

カッパなんて来ていられない

汗と湿度でカッパを着ても蒸れてしまうので

結局カッパは脱ぎ捨てる

 

3月になると天候が安定してくる。

気温も日を越すごとに上昇

太陽の日差しが痛い。

 

4月になるとキビ刈りも終わりが近い

天候はもう夏の感覚

朝、テレビの天気予報を見て

予想気温の高さを見てがっかりする

それでも畑で肉体労働

汗が吹き出し、水分補給に余念がない。

オマケに全身筋肉痛。

 

キビの収穫は当番制

製糖工場から各農家にシフトが発表される。

 

シフト以外の日は知り合いの農家さんのお手伝い

うちなーぐち(沖縄語)で言う

「ゆいまーる」

であります。

 

結局、休みの日があまりない

2月から3月にかけて精神的にも肉体的にも

壊れてくるアルバイトがちらほら

石垣島に遊びに行くにも

当時は船で往復3600円程度

キビ刈りの日給5000円

悩みどころです。

 

強烈な印象を受けた人はテレビでマクドナルドの

CMを見て

石垣島に渡り

飛行機で沖縄本島まで飛び

マクドナルドのハンバーガーを

食べて帰って来る人も、、、、

日給10日分位かけて

しかも日帰りで!!

多分移動時間が殆どで

マクド滞在時間は1時間程度だろう。

 

当時の石垣島にはモスバーガーと

知る人ぞ知る

A&W(通称エーダァー)

この二店舗しかなかった

エーダァーは

幻のドリンク

「ルートビア」

が飲める。

確か250円でルートビアが

「飲み放題」

日本人の口には

合わない

 

早い話「激マズ」です。

飲んだ瞬間、頭を過った言葉

「罰ゲーム」

嫌がらせのお土産でルートビアの

350ml缶

24本入り一箱を

送る人も沢山いました。

 

面白がって送った人は沢山いましたが

携帯には苦情の電話が、、、

当時はまだガラケーの時代

スマホが普及していなかったのは幸いですね。

 

島人(シマンチュ)は

バイトのナイチャーを

最初は

バイト生と呼ぶ

仕事を認められると苗字で呼ばれる

そうすると

島人と飲む席が増える

国内なのに意味不明の単語が飛び交う

因みな沖縄の人は同じ名字が多い為

名前で呼び合う

体は疲れていても地元の方々と

飲む酒は美味かった

とにかく面白かった

酒が無くなると

「共同売店」までお使いに

 

普通の商店と違い沖縄独特の制度

共同売店

雇用主の名前を告げれば

お金は払わなくても良いのです。

 

早い話、売掛ですが

製糖工場に出荷したキビの代金が

入ったら払う仕組みでした。

 

商品の品数は少なかったですが

石垣島からまとめて仕入れ

地域の住人が管理、運営をしている。

懐かしいです。

 

「大富共同売店」

 

今でも有るのだろうか。

 

本来の目的は

この世の最後は南の島で

ゆっくり流れる時間の中で

ノンビリ過ごして

機会があれば

希少動物の

「西表ヤマネコ」を

見れたらなぁ~

だったのに。

 

こんなはずじゃなかった。

 

体はキツイが精神が修復している

そう実感した。

 

言葉に語弊があるかも知れないが

責任の無い仕事なので

自分の体のケアをしているうちに

心が軽くなった。

 

畑に行くのが段々楽しくなる。

 

実際の畑は危険がいっぱい。

当然ハブもいるし鼠やサソリ

南の島は

海も山も毒を有する

生物が沢山生息している。

キビ刈りの時期は一応、冬に当たるので

仮に畑でハブを見つけても

割と平気だった。

 

爬虫類なので気温が低いと活性が悪い

誤ってハブを踏んだり

キビを刈る時にキビの根元を持つのだが

偶然、その場所にハブがいたら噛まれる事も

私がハブに噛まれたのは2回しかないけど

キビ刈りに馴れるとハブが近くに居ると

なんとなく、独特の匂いがするので

その際は慎重に。

 

因みにハブは2種類

沖縄本島等にいるハブは噛まれたら危険

病院で血清を打たれます。

 

八重山諸島のハブは

先島ヒメハブ、別の種類になる。

 

毒性が低く注射は打たれるが

あまり、心配はない

但し、噛まれた後は結構痛いです。

 

1月から2月半ばまでは逃亡するスピードが

のろまなハブですが

気温が上昇し始めると

まるで別物

ウサギと亀でした。

 

2月に噛まれた時は

偶然、キビの根元で休んでいたハブを

掴んでしまった。

その時のハブはしょうがないから噛んだ感じで

 

動きもとてもスローモーションでした

 

5月に石垣島のたばこ畑で遭遇したハブは

動く速さが別物だった。

 

瞬殺でした。

気が付いたら右手を

噛まれました。

 

生け捕りにしようとした自己責任だが

ハブを買い取ってくれる人がいるので

ちょっと

おこずかい稼ぎをしようかと、、、

 

買い取ったハブは

ハブ酒の原料にするのだそうです。

 

ハブ酒を飲むと確かに効いた感じはします。

 

難点は独特の香りがするので

好みは分かれます。

 

キビ刈りの流れは

基本的に8時から5時位まで

12時から1時までお昼ご飯

 

10時と3時に

30分間のもぐもぐタイム

 

飲み物、パン、お菓子類、

とにかく

量がハンパなかった。

仕事自体が

有酸素運動と無酸素運動の組み合わせだから

エネルギー補給と水分補給は欠かせない。

 

今の私がキビ刈りをしたら

確実に痩せるな(笑)

 

仕事の手順は居たって

シンプル

 

先にキビの上の部分の葉っぱを鎌で切り落とす。

 

これは、主に女性の仕事。

 

次に男の出番

 

キビをガンガン刈っていく

 

キビを刈る時は専用の斧でキビの根元に打ち込む。

 

斧は約1~2キロの重さ。

 

それを延々と繰り返す。

 

ある程度刈ったら畑から引き出し

積み上げる

 

積み上がったキビを二股のキビ刈り用の鎌で

余分な皮を取り女性が仕上げる

 

それから再び積み上げて山を作る

これを綺麗な山にしないと

製糖工場に搬入する

トラック運転手から

ちゃ~あびられる

日本語に訳すと

「とても怒られる」

です。

今となっては良い思い出ですが

当時は

「メチャクチャキツカッタ」

馴れない頃はキビを1回で刈り取れないので

2~3回位斧をフルスイングで強打する。

 

要領を覚えると大概1発で決まる。

でも

一日中、何回も1~2キロの斧を振り回す。

全身が筋肉痛

特に痛いのが肘と手首!!

腱鞘炎?

それどころではない

痛みと痺れで夜中に目が覚める

ご飯を食べるにも

肘は痺れ

手のひらはグローブみたいになっている。

箸がつかめない。

まるで痛風の発作のようだ。

 

何度も辞めようかと思ったが

頑張ってみた。

 

ある時は島の住人

ある時は本州からきたバイト達

同じ境遇、時として全然違う立場の島民

オリオンビールを飲んでから

島酒(泡盛)に突入!!

 

酒を飲んで腰が抜けたのは

島酒だけだ。

仕事終わりの酒を飲むのが楽しかった。

 

私を雇ってくれた南風元さん。

 

とても感謝しています

牛の世話をしたり

琉球犬のクロの散歩も

楽しかったです。

 

イノシシ猟に連れて頂き

貴重な体験もしました。

イノシシ猟は免許が必要なので

誰でも出来る訳ではない。

当時、西表島で免許所持者は

かなり少なかったらしい。

 

ワイヤー仕掛けの罠だが

猪の迫力には圧倒された。

 

仕掛けは太い木の根元に巻きつける。

 

ワイヤーは猪の前後どちらかの足に掛る

 

猪突猛進

 

罠に嵌った猪は木の周りを全力で走っている。

 

動物を見て怖いと感じたのはこの時が初めてだ。

捕獲した猪を自宅まで運ぶのだが

これが、重労働です。

 

基本的に罠はジャングルの中

しかも山の中

西表の猪は割と小ぶりで

40キロ~60キロ程度

それを

二人で山から運び出すのが

一苦労

猪は暴れるし、臭いしで

二人で担ぐのだが

山から下りるまでが大変だった。

 

キビ刈りのバイトで

猪猟に行った人は

当時は珍しかったそうだ。

重労働だったが貴重な体験だ。

 

因みにその日は休みだった、、、、

当然日給は出ない、、、、

まだまだ書ききれない事が山ほどあります。

 

海の話とか、、、

しかし

今回はこの辺で一度

区切りを付けます。

 

長々と書いてしまいまして

申し訳ございません。

この場を借りて

南風元さん、美底さん、金城さん

そして

佐藤さん

この場を借りてお礼申し上げます。

 

ありがとうございました。

 

しかし

島を出る前夜の宴の際に驚愕の発言が

思わず耳を疑った。

 

石垣島に渡ったら白保の義範の所に行って

たばこの葉っ収穫のしごとなぁ~~

私は思わず

「えっ、、、、、」

絶句しました。

 

今度こそは石垣島でのんびりと時間を

過ごそうかと思っていたのだが

いつの間にか次のバイト先が

知らない内に確定していた

 

嬉しいやら悲しいやら

 

更に追い打ちを掛けたのが

来年は1月の第一月曜日までに

島に戻って来いよ。

 

自分の意思とは関係なく

スケジュールが埋まっていく。

 

今となっては嬉しい限りです。

 

長文、失礼致しました。

 

ここまで読んで頂きありがとうございました。