ペンギンmixi日記より転載ペンギン


2009年07月05日21:42

「さよならだけどさよならじゃない」



「ねこぶろぐ はじめました。」


<7月2日>

AM1:00
17年連れ添ったピーチが老衰の為
体から魂が抜けました。

最期の時は、急に倒れてけいれんを起こし、
母の腕に抱かれ、あたしになでられ、
母とあたしに名前を呼ばれながら、
深呼吸を何度かした後、気がついたらいつのまにか旅立っていました。
猫の最期を看取ったのが初めてで、最期の呼吸は苦しそうだったけど、おだやかに魂が抜けた気がする。
最期に顔をみてくれてありがとう。
あたしの顔みて安心したのかな。そうだといいな。

目を見開いて、瞳孔が開いているという状態だったけど、
くりくりした目が特徴だったので、閉じないままにしておいた。
毛布にくるんで抱いた。
抱っこが嫌いな子だったんだけどね。
首がすわっていない赤ちゃんみたいだった。
だんだん体温がなくなっていくのが、とても悲しかった。

この日に自分が死ぬのがわかっていたかのように、
滅多に行かない父のところへ来たらしい。
しばらく上れなかったソファにのぼろうとして、
母に抱き上げてもらい一緒に寝たらしい。
たぶん、あたしが帰ってくるのを待っていたんだろうね。
いつも家を出る前に、
帰ってくるまで待っててねと言っていたのを
わかっていたんだろう

ピーチは賢くて、とても優しい子だったよ。

仕事がものすごく忙しい時期なので、
仕事を休むわけにはいかなかったから、
泣き続けて一睡もせず、腫れた目で会社に行き、
時々泣きながらも仕事をこなして帰ってきました。
お花を買ってきてあげたかったのだけど、残業で買えず。

母と、おしっこまみれになってしまったピーチの体を、
キレイにしてあげようと、お風呂に入れてあげた。
お風呂に入るのが嫌いな子だったけど、
死ぬ間際は、自分の体をなめる気力がないせいか、
ぬれた風呂場で横たわっていたから、
もしかしたら自分なりに流そうとしていたのかもしれないなぁ・・・と思った。
ドライヤーには2時間かかったけれど、
ふわふわで元気だった頃のピーチの毛並みに戻った。
最近はおしっこでおなかの毛と手足の毛がガビガビになっちゃっていたからね。
きれいになって、すっきりしたでしょう?

父に火葬の準備をお願いしてもらい、
7/5に火葬ということに決まる。
ドライアイスか、氷で体を冷やしておいてくださいといわれたらしい。
アイスノンで体を冷やす。
冷たいかな?ごめんね。

ここのところピーチが心配で熟睡できていなかったらしく、
久しぶりに短時間だったけど熟睡できた。

<7月3日>

朝起きて、ピーチに触れる。
冷たい。
固い。

時々ピーチの匂いがする気がする。
家の中はもちろん、運転中とか仕事場でもするんだ。なんだろう。

ピーチがすきだったベビースターラーメンを買ってきてお供えした。
もう、我慢しないでいっぱい食べていいよ。
今日こそお花を買ってあげようと思っていたが今日も残業で買えず。。

ちゃくは一人きりになって、なんだか元気がない。
やたらと鳴いて、甘えにくるけど、なんかさびしそうだ。
ピーチの遺体に近づいたりしない。
ピーチの棺桶になる予定の箱に入ったりしないし爪を研がない。
普段なら箱を見つけたらうれしそうに入るのに。
わかっているのかな。
ピーチの為に入れた水を飲んだり、ピーチのごはんを食べたりもしない。
不思議だね。本能でわかっているのかな。

ピーチの冷たくなった体を撫でていると
いろんなことを思い出した。忘れていた思い出も思い出した。
ピーチがうちに来た日のこと、小さいときのこと、
一緒に遊んだこと、慰めてくれたこと、
一緒に寝たこと、一緒に食べたこと、目でお話したこと、
死ぬ間際のこと、死に顔も、
全部全部
忘れないと思った。

<7月4日>

今日はわたしがうまれてから10000日目の記念日で、
3年くらい前からずっとこの日をまっていた。
まさかこの日にピーチが生きていないとは夢にも思っていなかったけど。

ピーチの棺桶はダンボールだったので、
なんか殺風景だからきれいな紙を貼ってあげようと思い、
LOFTに大事な人と買いに行く。
ずっと買いたかったお花も買いに行く。
ピーチって名前だからなんとなくイメージカラーがピンク。
きれいな包装紙とお花を、
これがキレイだよと、一緒に選んでくれた。ありがとう。

家に帰ってお花をあげ、
ただのダンボールをきれいにラッピングしてあげた。
最期の最期まで箱には入れたくないよねって母と決めているから、
明日家を出るまではこの箱は使わない。

ラッピング中も、ちゃくはだまってみていた。
いつもならじゃれてくるくらい、
包装紙がガシャガシャいっていたのにだまってみてた。

母が仕事から帰ってきて、
ピーチが死んでから、
ピーチの匂いが電車にのっているときとか、
仕事中とか時々するんだよねーと言っていた。
あたしと同じだ。
ピーチの魂がくっついているのかもしれないねと話した。
家にいてもなんとなく、ピーチの雰囲気がする。
いつもいたお気に入りの場所のどこかしらに、いるような気がする。
というより、いるんだろう。と思う。
妄想かもしれないけど。

母が明日棺にいれるお花をたくさん買ってきてくれた。

季節柄なのか、わからないけれど、
ピーチに顔をスリスリすると、
ちょっとだけ腐敗したような匂いがする。
心臓が止まってから3日ほどたっているから仕方ないか。
すっかり体が固まって、ピンクだった肉球が真っ白になっていた。
血液と体温で肉球がピンクなんだね。知らなかったよ。

ピーチの毛に触れられる最後の夜。
たくさん撫でた。
まだまだたくさん涙がでる。
ちゃくが心配そうな顔で見てた。

母とピーチの遺影を選ぶ。
パソコンに入っているピーチの写真を全部見た。
あんまり写真を取らせてくれない子だったし、
若いときはデジカメの時代じゃなかったので、
あんまり残っていないんだけど
まるまる太っていた時代のものから、
最近のやせてきた時代のものまで全部見た。
こんなにやせちゃったんだなぁ。
遺影を選びながら元気なピーチを思い出して
また泣いた。母も泣いた。

全部かわいくて、選べなかった。
よく撮れているものを何枚か印刷した。

明日 骨になる。

<7月5日>

AM9:30
11時から火葬なので、
ピーチを納棺する。

胸が苦しくて泣き崩れた。
ちょっと持ち上げたら鼻から血がたくさんでてしまった。
たぶんもう内臓とか脳とかが腐敗してしまっているんだろう。
手に血がついた。
ピーチの血を見たのは初めてだ。

目もずっと開いているから乾燥して白い。
けど、もう閉じることもできない。

毛布とピーチの好きなカリカリごはん2種類と
ベビースターラーメン2袋と
家族の写真とピーチとさくらがめずらしく一緒にうつっている写真と
お花をたくさんいれてあげた。

お寺に行くまで、車のなかでずっと撫でた。
ありがとう、おつかれさま
何度この言葉を心の中でつぶやいただろう。
ありがとう。
生まれてきてくれて。
私のところへきてくれて。

お寺へ行き、火葬場に案内された。
燃やしたくなくて、足が進まなかった。
一歩一歩ゆっくりと火葬場に連れて行った。

そこでピーチを渡し、火葬する台に準備され、
「最期の別れをしてください」
と告げられる。

最期じゃないと思っているけど、最期の別れ。
もう二度とこの体のピーチに触れることができなくなる。
母と泣き崩れながら撫でて、キスをして、頭にほおずりをした。

写真とごはんとお菓子とお花と毛布、全部一緒に燃やしてもらった。

残ったお骨は、とても白くてきれいな形だった。
お寺の方に、こんなにキレイに残る子は1割くらいでめずらしいですよと言われた。
病気をしたり、なにか治療をしたりすると、骨になったときにわかるらしい。
骨の色がピンクだったり、がんだと黒い塊が残ったり、骨が割れたりするらしい。
骨は真っ白で、どこも崩れていない、本当にキレイな骨だった。
健康だったんだね、よかったよ。
のどぼとけの骨も丈夫でしっかりしてた。
そこのお寺の方は骨を見て性格がなんとなくわかるらしく、
こんなこだったでしょう?と何度かズバリ当てられた。

手足の骨と背骨と骨盤を箸で骨壷に収め、
頭蓋骨とあごの骨とのどぼとけは、手で骨壷に収めてあげた。
小さくなっちゃったね。ピーちゃん。

お寺から小さな骨壷を抱えて帰ってきた。
やっぱりときどきピーチの匂いがするよ。
雰囲気もするよ。いるんだよね。そのへんに。
けど、ちゃくはやっぱり寂しそうだよ。


ありがとうね。ピーチ
さよならだけどさよならじゃないよ。

生まれ変わりたくなったら、生まれ変わってまたうちにおいで。

ずっとうちにいたかったらずっとうちにいればいいよ。

ずっとそばにいてくれてありがとう
今もそばにいるんだよね
大好きだよ
愛してるよ
また家族になろうね