カラカラ天気と五人の紳士 | 猫棒徒然雑記_mirror

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コラム系日々雑記。半径5センチの超近視眼的日常。

2024年4月6日(土)~26日(金)
東京都 シアタートラム

 

作:別役実
演出:加藤拓也
出演:堤真一、溝端淳平、野間口徹、小手伸也 、高田聖子、中谷さとみ 、 藤井隆

 

あらすじ

ある日、ある所に、「棺桶」を担いでやって来た五人の紳士たち(堤真一・溝端淳平・野間口徹・小手伸也・藤井隆)。
どうやら、五人のうちのひとりが懸賞のハズレくじでもらった景品らしい。
せっかくの景品を役立てるためには、仲間の一人が死んで棺桶の中に入らねば、と、五人の議論が始まった。
いかに本人が死を意識せず、痛みを感じる前に死ねる方法がないものか、、、と模索する五人。
そこへショッピングバッグを抱えた女性二人(高田聖子・中谷さとみ)が現れた。
彼女たちは、同じ懸賞の当たりくじの当選者たちだったのだ。
そして、その一等賞の景品とは・・・?

 ↑

公式サイトより

 

よく演技が上手い下手とか、

言いたい人がいるけれど、

確かに、確かに、

下手な人は見ていてわかる。

 

特に舞台では!

 

でも、上手い演技というのは、

いったいなんなんだろうか。

 

それは、物語のセリフの意味を

客に届けることだ!!!

 

ということが、

よっっっっっっっく。

わかりまくした。

 

見よ、この、目眩がするほどの

手練れの実力者たちを!

 

本当にもう、これだけすごい役者さんたちが

集う芝居を観ないなんて選択肢はありまえない。

 

チケット代10000円?

OK OK

上巻時間1時間15分?

んんんんんん、まあ、いい

OK OK

 

いやもう、本当にすごかった。

至福の時間だった。

だから劇場通いはやめられない。

 

不条理劇で有名な別役作品、

初見にして、

かなり丁寧な演出。

 

不条理劇とは、

意味の通らない不条理な出来事が

連発する演劇だそうで、

 

観劇前はちょっと不安だったのだけど、

確かに、意味は全然わからないし、

展開も突飛だし、

 

だいたい、

物語の世界観を表すセリフも、

登場人物たちの背景を示すセリフも、

まっっっったくなくて、

 

ただ、今、そこにある出来事を

見せていただくという感じなのですが、

 

上手い役者さんってすごいよ。

意味のないセリフなのに、

意味が伝わってくるんだよ。

 

怖いわー。

 

ある意味、

怖いわー。

 

五人の紳士たちの関係性も、

二人の淑女たちの関係性も、

まったく何もわからなくても、

その時の、セリフの意味が伝わってくる。

 

何かの暗喩なのか、

何か別の意味があるのか、

きっと、探れば探れるんだろうけど、

 

それは観た人それぞれが、

あれは、ああいう意味なんだろうと、

帰りの電車の中で思えばいいことで、

 

リアルタイムの劇空間には、

今、ここ、居る

という事実しかないのです。

 

二人の淑女たちがともに

劇団☆新感線の役者さんというのも、

なんだか面白く。

 

意味はないんだろうけど、

なんとなく意味を探してしまう。

 

面白かったです。