ハザカイキ | 猫棒徒然雑記_mirror

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コラム系日々雑記。半径5センチの超近視眼的日常。

2024年3月31日(日)~4月22日(月)
東京都 THEATER MILANO-Za

 

作・演出:三浦大輔
出演:丸山隆平、勝地涼、恒松祐里、さとうほなみ、九条ジョー、米村亮太朗、横山由依、大空ゆうひ、風間杜夫 / 日高ボブ美、松澤匠、青山美郷、川綱治加来

 

あらすじ

芸能記者である菅原裕一(丸山隆平)が担当することになった、国民的人気タレントの橋本香(恒松祐里)と人気アーティスト・加藤勇(九条ジョー)の熱愛疑惑。リークしたのは、香の友人・野口裕子(横山由依)。
香の父・橋本浩二(風間杜夫)は人気俳優であったが、芸能事務所の社長となり、いまは香のマネージャーの田村修(米村亮太朗)とともにマネージメントをしている。

香がまだ幼い頃に、不倫をスクープされ芸能界から姿を消した自身の経験を元に、香にはスキャンダルを起こさないよう諭している。マンションから出てきた香を追い、菅原が入ったスナックには浩二と離婚した香の母・智子(大空ゆうひ)がいた。
菅原には同棲している恋人・鈴木里美(さとうほなみ)と、親友・今井伸二(勝地涼)がいる。菅原は里美との生活に安らぎを得、今井と会うときには仕事の愚痴を話したり、ごく普通に過ごし、そんな生活が今後も続くと信じていたが、実は二人は菅原の仕事を快く思ってはいなかった。
ある日勇がとある不祥事で芸能界を追放され、事態が急変する。

勇との熱愛をスクープされた香にも芸能人としての存続の危機が訪れ、菅原も芸能記者として最悪の事態に陥る……

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公式サイトより

 

「端境期」とは、

元は農業用語。

作物の収穫が終わり、

次の収穫までの間のこと。

 

転じて、

物事の移り変わりの時期をいう。

 

この物語にこのタイトルを持ってきたのは、

たぶん、

この先もう少しだけでも

いい時代になって欲しいという、

願いなのかなと思った。

 

というか、

自分はそう思いたかった。

 

言ったもん勝ちの被害者ムーブ。

誰もが被害者ポジションを気取り、

正義面して加害者(と認定した者たち)を

糾弾する。

 

いやなんかもう、

見ていて、とても疲れたのは、

演劇が現実の合わせ鏡だからだろう。

 

個人的には炎上に薪をくべるのには

まったく興味がなく、

そんなことに無駄に時間を使うなら、

映画の1本、本の1ページでも読んだほうがいい

と思うのだけど、

 

それは自分のとっての楽しみが、

映画とか本とか演劇だけど、

 

SNSで正義を振り翳すのが、

娯楽になってしまったら、

嬉々としてそれに参加するんだろう。

 

その矛先が自分に向くことがあるなんて

まったく考えもせずに。

 

まったく考えていなかった芸能記者が

晒される側になってしまった、

 

そのため、人間関係が変わっていくのだけど、

だから、どうする?

という結末は用意されていない。

 

傷ついて、傷つけて、

遠ざるでもなく、立ち止まるでもなく、

ただそこで、

今、そこで、

 

生きていくしかない。

 

丸山くんはヘドウィグ役が鮮烈だったので、

以来、舞台を追っかけているのだけど、

今回は押さえ気味だったかな。

受け身の役なので仕方ないけれど。

 

勝地くんの闇と哀しみを内包した

人物造形はすっごく良かった。

ものすごく難しいポジションの役だけど、

さらっと見せてくれた。

 

役者さんたちの力量で、

繊細なバランス保たれている。

最後まで切れない緊張感が

とても美しかった。

 

席が遠かったので、

細かい表情がわからなかったのが

残念だけど、

配信あるかなー、見たいなー。

 

モヤモヤとした気持ちのまま

劇場を出ると、

そこは歌舞伎町のど真ん中。

 

生き抜きましょう。

次の時代まで。