日本への本帰国が決まったら、アメリカの銀行にあるドル預金をどうするかを考えなければいけません。


「アメリカの銀行は海外(日本)からネットバンキングでお金を動かすことができないから、普段使っていた銀行口座は閉じて、Union Bank(三菱UFJフィナンシャルグループ傘下の銀行)の口座を開設、そこにドル預金を移して、日本に送金するなり、残ドル債務の支払いに充てるなり、ドル預金として保持しておくなりする」


と聞いていました。



まず、日本に帰国した後も少なくとも2~3か月の間は、日本からお金を操作できるドル建て銀行口座を維持する必要があります。


・離米間際に使ったクレジットカードや光熱費等の支払い(離米後に請求が発生)

・退居後に返金される家賃のSecurity Deposit、保険等の解約時の割戻金を受け取る


ために、何かしらのドル預金口座が必要だからです。


(ちなみに離米後の各種請求書は、信頼できる同僚などに受け取りを依頼しておき、その同僚宅に請求書が届くように住所変更手続きをし、届き次第日本に郵送してもらい、持っているドル預金口座から送金するなり、小切手を切ってアメリカへ郵送するなりするのが一般的なようです)



以下、我が家がアメリカで使っていたBank of Americaの場合。


・120日間、何も取引き(お金の出し入れ)がない場合、口座はDormant(休眠)状態になり、お金を動かせなくなる

・Dormantになってしまった口座を再びActiveにするには、アメリカの店舗に出向いて手続きする必要がある(アメリカに出張等でよく来る人ならいいが、そうでない場合はお金を動かせないままになってしまう)


ということで、BOAの窓口担当者から、口座はクローズすることを勧められました。


口座をクローズしても、BOAカードは年会費無料で維持できます。

BOAカードで買ったものの支払いはUnion Bankの口座から行えばよいので。

(日本のクレジットカードと違い、アメリカの場合はクレジット請求額が口座から自動引き落としにはならず、毎月自分で引き落とし口座の指定をして支払い手続きをする必要があるので、そこでUnion Bankを指定すればよい)


アメリカのクレジットカードを持っていた方が、何かアメリカのものをネットでドルで買いたい場合や、

出張・旅行時の支払いに使えて便利。

登録住所を日本の住まいに変更しておけば、カードの有効期限が切れた際も新しいカードを日本に送ってもらえます。



「日本から米銀行のドル預金を操作できなくなる」という点については、BOAの場合、


ネットバンキングでお金を操作する際は、手続きの最後に、(登録してある)アメリカの携帯電話にテキストで送られてくるセキュリティコードを入力しないと操作が完了しない(米国内、海外問わず)

帰任時は当然、アメリカの携帯電話を解約する

セキュリティコードを送るべき電話番号が存在しなくなるので、送金などの手続きを完了できない


ということのようでした。



ということで、BOA口座についてはクローズすることにしました。



帰任後のドル建て口座として、夫の会社からUnion Bankのアカウントを作るように指示があったので、そのようにしました。日本人駐在員はこの銀行の口座を作って帰る人が多いようで、日本人対応専門部署もあり、日本語でやりとりできます。


企業によって規定が違うでしょうし、帰任が決まったら会社から何かしらの指示があるのではないかと思います。



Union Bankの特徴としては、


・デビットカード機能付きATMカードをもらえるが、クレジットカードの機能は付いていない

(デビットカード払いが普及している米国内であれば、出張時などの各種支払いに使える場面が多い)

ATMで現金の引き出しはできるが、入金はできない。小切手の入金もATMではできない。



以下は、Union Bankの日本語コールセンターで聞いた内容(2015年12月現在)です。



1 ATMとデビットカードの使用について


ATMでの預金引き出しは Max $1,000/Day

デビットカードの使用金額は Max $2,500/Day


預金は米国内ではVISA/MasterマークのあるATMで引き出し可能(手数料なし)、

日本国内ではゆうちょ銀行・AEON銀行・SEVEN銀行で円建てで引き出し可能(手数料$5)



2 海外送金(アメリカ→日本)


カスタマーサービスに電話をし、送金依頼

本人確認(PINが必要)

1時間後に折り返し電話がかかってきて、手続きを進める


我が家は実際にUnion Bankを通じてアメリカ→日本の送金をしたことがないので分かりませんが、

おそらくこの後に何か更にやりとりがあるのではないでしょうか。


ネットでは日本にお金を送れないようです。



3 口座の維持


残高$1,500以上→手数料なし

残高$1,500未満→$8/月の口座維持手数料がかかる


1年間、何も取引がないと休眠状態になる(1か月前に確認の手紙が来る)

→延長したければ、電話で依頼



4 小切手によるUnion Bank口座への入金


・米国内/海外問わず、小切手をUnion Bankカリフォルニアへ郵送するか、

Union Bankアプリを使って小切手を写真撮影、アプリ経由で入金

  アプリ経由での小切手入金の上限額は、口座開設後3か月未満は$1,500/日、

  3か月以降は$5,000/日、$10,000/月

・普通の米銀行と違い、Union Bankは米国内ATMを使っての小切手入金はできない


家賃のDepositや各種契約解約時の返金が小切手で送られてくる場合も多いです。

受け取った小切手は裏にサインをしてから自分の口座へ入金するものですが、サインをアメリカ在住の同僚等に依頼できるならば(本当はそういうことはすべきでないですが)、小切手の送付先は同僚にし、サインを代筆してもらってUnion Bankカリフォルニアへ郵送してもらうのが簡単です。


そういうことを頼めない場合は、日本の自宅へ小切手を転送してもらって、サインをして、またアメリカへ郵送するか、上記のようにアプリを使って入金することになります。


家賃のDepositは何千ドルにもなりますし、郵送中の小切手の紛失・盗難なども多いそうなので、そういった大金の小切手は受け取りたくなかった我が家はオーナーにお願いして小切手ではなく振り込み(送金)でUnion Bankの口座へDepositを返してもらいました(送金手数料はこちら持ち)。




ドル預金を保持するか、日本に送ってしまうかの判断は、人それぞれでしょうね~。

その時の為替相場によっても違うでしょうし。


私たちがアメリカに赴任した5年前は超円高だったので、その当時帰任した人たちは、日本に十分な預金がある場合は日本への送金はせずにそのままドルでキープする人が多かったようです。逆に今のような超円安ならば、円に替えても損はないでしょうね。


アメリカ赴任時は1ドル87円くらいの超円高で、「ラッキーーー音譜 帰る頃には逆に円安で120円くらいになっていればいいのにねにひひ ま、そんな都合よくはいかないだろうけど」と冗談交じりに話していたのですが、本当にその通りになり、運が良かったです。

 「当分アメリカには来ないし、利益確定!」とばかりに、ほとんどを日本に送金しました。1万ドル単位で送るだけに、為替の1円の違いが受取金額の大きな差となりますから、最後の1か月は、円が上がりませんように~!と毎日祈っていましたよ(笑)



あとは、アメリカに限らず海外出張・旅行が多い場合、現地通貨に対するドルと円の為替レートを比較して、より有利な方の通貨で決済するために、ドル預金とアメリカのクレジットカードを残しておく、という考え方も聞きました。ドルが強い場合はドルで決済、と。




以上、自分たちが経験した範囲で書きました。

間違っていることもあるかもしませんし、ドル預金や米銀行口座の扱いに関しては

他にもいろいろな方法があると思います。

ご自分が本帰国する際は関係各所に確認・相談して下さいね~。



ちなみに、赴任時にNTT固定電話の権利を休止した人が多いかと思いますが、休止状態で権利を保持しておけるのは5年間だけで、それを過ぎて特に延長手続きをしないと自動的に権利が消滅、帰国後にNTTを使いたければ再度何万円も出して権利を買うことになります。(休止したものを復活する場合も、再加入の場合も、新しい電話番号をもらうことになります。休止は最大10年間。)


そんなことは知らなかった我が家、休止手続きから5年2か月経ってしまっていたので、権利は敢え無く消滅しておりました。。


固定電話はほとんど使わないし、また何万円も払って権利を買うのはバカバカしいので、インターネットと合わせて光電話に加入しました。NTTより、基本使用料も通話料も割安です。


本帰国して2か月が経ちますが、いまだに小切手で各種返金が送られてきます。

すべて写真を撮ってUnion Bankのアプリで入金。

家賃のDepositも入ったし、Union Bankに結構お金が残っている、、、

どうしようかなー

こっちに送ろうかなー

そのままドルで残しておこうかなー