「ってことでとりあえず、お昼や!」

「とーとつやねー」

「星の王子さまミュージアムの向かいにある『游膳』でお昼や」

「カボフさんのおったとこやね」




「今日はカボフさんおらへんね」

「カボフさんは季節限定の方なんやろか」

「また次の季節に会えるとええね」



「今日はサラダうどん御膳と」




「カツどんにしたんやで」


「うどん、こしがあってうまいね~」

「カツどん玉子の火の通し方が絶品やで!」

「ほんまめちゃうまや!」

「おさじがついとるとこが気がきいとるね」

「どんぶり物は最後のごはんさらえるのがむずかしいさかいな」




「セットのデザートの盛り付けしゃれとるね」

「カステラとソフトクリームやねんけど、倍おいしく感じるな」

「コーヒー、ええ香りやね」


「さてお腹ごしらえが済んだとこで、星の王子さまミュージアムにちょこっと寄って」

「なんといってもうちら、年パスもっとるからね~」

「そして今日のメインイベントやね」





「今日のメインイベントは星の王子さまミュージアムから歩いて15分くらいのとこにあるんやで」






「ついた~~」

「この鉄道はオリエント急行なんやで」

「本物なんやで」

「この電車の中で殺人がおきたんやね、幽霊とか出てくるんとちゃうか?」

「そら、アガサクリスティーの創作やて」



「ここが入り口やねんね」

「大丈夫やろか、単孔目はお断りいわれへんやろか」

「最近の鉄道はペット可やから大丈夫やろ」

「せやけど、走る貴婦人といわれるオリエント急行やで」

「うちらやてタマゴ産む哺乳類といわれるカモノハシやで」



「大丈夫やて、ちゃんとチケットも買うてもらえたし」

「これ乗ってどこまで行くんやろか」



「立派な部屋やね」

「ガラスにきれいな模様がついとるね」


「オリエント急行ではお茶を飲むところとお食事するところが違うんやて」

「そら贅沢やね」

「この車両はサロンカーいうお食事するとこやねんて」




「ガラスが美術品みたいやね」

「この車両はラリックさんが内装を担当したんやて」

「それでラリック美術館にオリエント急行があるんやね」

「ラリックさんはアール・ヌーヴォからアール・デコの時代まで活躍したガラス工芸家であり宝飾デザイナーなんやで」

「イコはん今のコピペしてしゃべったやろ」

「ばれたか」




「立派で優雅なサロンやね」

「スイコはん、やっぱり単孔目お断りいわれるんちゃうか?」

「大丈夫やて、イコはんは心配性やね」





「すわり心地のええ椅子やね」

「電車の中の椅子やから動かんようねじで止めてあるんやね」




「ティータイムや~」

「さくらのシフォンケーキやて~」

「お茶もコーヒー紅茶、ハーブティーから選べるんやで」

「うちらうんとエレガントにふるまわんとあかんね」

「シフォンケーキええにおいするねえ」

「うっまー、とかいうたらあかんね、おいしゅうございます、とかいわへんとね」


「お茶のあとは乗務員さんがオリエント急行の話をしてくれて、質問にも答えてくれるんやで」

「ここの乗務員さんはうちらの顔のおにぎり作ってくれへんやろか・・・」

「多分作らへんと思うで」




「明り取りの窓やろけど、きれいやね」

「ちょっとカパルさんの口に似てるで」

「ほんまや」




「さて、目的地についたみたいやから降りるか」

「あっという間の旅やったね」


・・・いや、このオリエント急行、どこにも行かないから




「ラリック美術館についたで」

「ちなみに美術館は入園料かかるんやけど、ミュージアムショップや庭の散策やレストランは入園料なしで利用できるんやて」

「せっかく来たんやから、寄ってこ」


美術館の中は撮影禁止ですが、庭の散策もしたので、もう少しおつきあいください。