「荒川線はええ雰囲気で楽しかったな」
「さて、お昼や」
「どこいかはるの」
神田から歩いてすぐのとこ
あ、看板が出てる
「あれか」
「グイン亭やて!」
「なんやそれ」
「グインってのはすごい本の主人公なんや」
「ふんふん」
「なぞの豹頭の戦士と銀髪のきれいな双子の姉弟を助けるとこから始まるものすごい雄大なお話や」
「ふんふん」
「本編だけで文庫本で130冊も出てるんやで」
「そんなにか!イコはん全部読みよったの?」
「読み始めたらとまらんようになってもた」
「そういや、カメノハシさんが年末でどこも連れてってもらえへんかった時、ずっと本読んどったね」
「登場人物もな、いろんな人が出てきおってな、めちゃおもろいんや」
「イコはんは読書家やね~」
「ふんふん、これがグインサーガの本やね」
「表紙の絵がまたええんや、確か4人くらいの画家さんがリレーみたいにして描いてはるんや」
「どの本も見覚えがあるな」
「こないなお店があるってしっとったらもっと早くに来たかったな」
このお店は、普段は「カフェクリスティー」なんだけどね、たまに「ホームズカフェ」とかになるんだって
グイン亭は5月15日から7月10日までなんだよ
「ほう、おもろいね」
「うちグインは読んでへんけど、シャーロックホームズはTVで見たで」
グインサーガはアニメにもなってるんだよ
録画しておいたのがあるからそのうちみてみれば
「見る見る」
「そやけど、グインはCGとか駆使して実写版の映画にしたらええんとちゃう?」
ハリウッドがやってくれるといいね
なんか別物になりそうだけど
「さて、お昼やお昼」
「わー、表紙の絵が飾ってあるで」
「すごー」
「このマント着とる人?」
「せや、なかなか気苦労の多くてな、思わず応援したくなるんや」
「ところで何が食べれるの?」
ノスフェラス丼とか、オリーおばさんの肉饅頭とか
「わーオリーおばさんの肉饅頭いうたら、世界中で一番食べてみたいものやないか」
「うちはメアリーポピンズのジンジャークッキーを食べたいけどな」
「お話の中に食べ物の話が出てくると、冗談ぬきでよだれ出て、お腹が鳴りだすほどなんや」
・・・ところが、ノスフェラス丼とかは17時からなんだって、
・・・ごめん
「え~~~~」
「がーーーーん」
今なら、グインパンケーキがあるって
この時間だと飲み物が100円で頼めるって
「そらお得やね」
「したらパンケーキ食べてそのあとまたどっかでご飯食べたろ」
「グインさんの横顔とロゴが書いてあるで」
「グインさんかっこええね!うちも本読んだろ」
「グインサーガの作者の栗本薫さんはグインを完結することなく亡くなってしもたんや」
「じゃ、お話途中やの?」
「今な、宵野ゆめはんとか、五代ゆうさんとかが続きを書いとるんや」
「別もんになってしまうんとちゃう?」
「それがな、なかなかおもしろい展開になっとるんやて」
「詳しくはスイコはんがグインサーガ読んだら話したるわ」
オリーおばさんの肉まんじゅう食べたかったね、
また出直してこようね
「ノスフェラス丼ってどないなんやろね、イドがかかっとんのかね」
「イドってなんや」
「ノスフェラスいう砂漠に住む、怪物や」
「ふんふん」
「見た目はくず湯に似とるんやて」
「美味しそうな怪物やね」
「いきものでもなんでも呑み込んでしまいよるおっそろしい怪物やねんで」
いやーまぢがっかりしてしまいましたが、また来るとしましょう
グイン亭はハヤカワのHPからチェックしてください






