「さて、夜ご飯も食べたし」
「風呂も入って歯も磨いたし」
「そろそろ寝たろか」
「明日はカメノハシさんお休みやし、どこかつれてってもらえるやろか」

イコズ、出かけるよ

「って、もう9時すぎとるで」
「いくらなんでももう遅いやろ」
「でも、まあそう言いよるなら出かけよか」



「真っ暗やね」


「ここ、新宿やね」
「もう12時やで」

「新宿都庁に向かう動く歩道も動いとらんで」

「よい子はお布団で寝てる時間やもんな」

「どきどきするな」

「バスに乗るんやね」

「このバス、なんか普通のバスと様子違うで」

「窓はカーテンかかっとるし、座席もカーテンで囲まれとるし」

「車内の電気も消えて真っ暗になったで」

「カメノハシさん、どこ行くん?」


いいとこだよ


「『いいとこだよ』ってなんかこわい物言いやね」

「サバトかなんかに連れて行かれるんちゃう?」

「あかんで、カメノハシさん、黒魔法は危険やで」


もうお休み、目的地に着いたらわかるよ




「朝やで」

「目的地、ここ?」





「ここどこやろ」

「お腹すいたで~」


もう少し待っててね、その辺見てきてもいいよ、私はここで並んでるから


「さよか」

「あ、あれなんやろ」




「霧が出とるで」

「ちゃんとうちらのオリジン、オーストラリア大陸あるで」



「あ、だれかおるで」

「この人、セサミストリートのゾーイさんいいよるんや」


「こんにちは、ゾーイさん、ご機嫌はいかがですか?」

「ご機嫌よさそうやね」





「あ、ゾーイさん、えらいすんまへん、足でうちのこと踏んづけとるで」




「これ、今日のチケットなんね」

「魔法使いの人がおるね」

「どっかで見たことある方やね」

「やっぱり、うちらのこと黒魔法や錬金術に使おうとしとるんとちゃう?」

「なんといってもうちらは珍獣やさかいな」


さ、朝ごはん食べるよー


「やっぱり、なんかドキドキしよるね」

「ここ、めっちゃおしゃれなお店やね」



「朝ごはんはサンドイッチやねんね」

「なんかようすがちゃうね」

「パンやなくて、シュークリームの皮なんや」

「シュークリームの皮なのに中身はクリームでなくて、海老と玉子やね」


「こらうまいわ」

「あ~、もしかしたらここはそんなこわいとことちゃうかも知らんな」





「そやけど、地面にキスマークついとるし」





「かっこええおねえさんはベンチに座っとるし」

「こんにちは、うちらイコズです」

「イコを関東でも知ってもらうんで関西から越してきたんやで」

「隣座ってもええですか」


なんか、無駄に?びびってるイコズですが、さて、どんなとこに来たんでしょうね。