「初めて登る階段ってなんかわくわくしよらへん?」
「そやねー」

「SSコロンビア号はきれいな船やね」
「おがさわら丸もきれいやったけど、また違うよさがありよるね」
「船も鉄道もみんな乗ってみたくなるな」
「みんなちがうよさがありよるからな」
「そやそや、みんなちがってみんなええ、てな」




「わー」
「船はあれがええよね」
「次に生まれたら船乗りになりたいなー」
「さよかー」





「見晴らしええなあ」
「プロメテウス火山から、ポロトパラディーゾの町並みまで見えよるで」

「シリキウトゥンドゥさんのエレベーター乗ったときも見晴らしよかったけどな、すぐにおちてしもたからな」
「スイコはん、押さんでくれへん?」




「あそこに停泊しとる船は骨付きソーセージやビール売ってるレストランなんやて」
「食べてみたいな~」
「食べたいものや見たいものたくさんありすぎて困るな」
「そやけど、押さんでくれへん?スイコはん」



「あっちはロストリバーデルタへ向かう川やね」

「押すないうとろうが」

「あ~すまんすまん」

「高いとこで悪ふざけしたらあかんで」

「そやね、しゃれにならんもんな」

「よいこのみんなは真似したらあかんで」



「ここが船の先頭や」

「舳先やね」

「トランジットスチーマーラインがはしっとるで」

「あれも乗りたいな」





「船の左側からは外海が見えるで」

「あのずっと向こうに小笠原諸島がありよるんね」

「海はずっとつながっとるからな、オーストラリアにもつながっとるんやで」

「いつか船の旅もしてみたいな」

「そやね」




「かっこええな~、これなんやろ」

「錨を巻き上げるのやないか」

「なるほど」


「ところで、SSコロンビア号のSSってなんや」

「うんと小さいってことか?」

「いやいや、これがSSサイズやったらLLサイズはすごいことになってまうで」

「もしかして」

「って、イコはん、下ネタはあかんで」

「ばれたか」


SSコロンビア号のSSは「スチームシップ」の略だよ


「蒸気で痛いとこをあっためるんやね」

「そら湿布や」

「蒸気船いうことやろ?」

「なるほど、ミッキーさんと蒸気船は縁がありよるからな」

「ミッキーさんのデビュー作は『蒸気船ウィリー』いう短編アニメやったね」
「今ではこんな大きな船の船長さんなんやね」

「すごい出世やね」

「ミッキーさんはがんばりやさんやからね」

「うちらもがんばらんとあかんね」

「そやそや」


「そろそろイコカ」

「イースターインニューヨーク、見に行かんとな」

「あ、でもちょっと待っとって」




「船の窓から見る景色はまた格別なんや」




「反対側も見たろ」

「ええもんあるで」






「撮影スポットやね」

「ええ記念写真になるね」


「SSコロンビア号の中にはちょっとリッチなレストランがあるんやて」

「船底にはおもろいアトラクションもありよるんやで」

「それも行けるとええね」


イコズの旅はさらに続きます