「さて、大急ぎでライオンバスに乗りにイコカ~」
「あ、ちょっと待っとって」
「カンガルーさんがおる」
「なつかしなー、アカカンガルーさんやろか」
「記念写真とらんとあかん」
「うちら小顔やから、むずかしな」



「ま、こんなもんやろ」
「待たせたな、さ、大急ぎでイコカ~」




「ちょっと待っとって」
「本物のカンガルーさんおるで」




「カンガルーさん、お久しぶりやね」
「うちら急いどるさかい、すぐに失礼するけどかんにんな~」
「あ、お腹に赤ちゃんおるやないか」




「わ~、めっちゃかわええねえ」
「カンガルーさんの赤ちゃんは生まれはった時、2cmくらいなんやてな」
「2cmいうたら、うちらの卵は17mmくらいやから、同じくらいなんやね」
「そや、それで2センチの赤ちゃんは自分でお母さんの袋の中まで登ってくんや」
「そらえらいなー」
「お腹の中にある乳首をしっかりくわえてとるんやで」
「乳首ってうちらにはないもんやね」
「そや、うちらは乳汁がお腹に滲み出てきはるからな、それをぺろぺろ赤ちゃんがなめるんやね」
「小さいのにえらいな」
「乳首をくわえとる力はそれはすごいもんなんやて」
「そうして2センチから今みたいに大きくなりはったんやね、大したもんや」
「元気でおるんやで」
「おかあはんも他のカンガルーさんたちもがんばってな」
「今日はろくにあいさつもせんですまんかったな」
「またイコカカードで遊びに来るからな、それまで元気にしとってなー」

「さて、ライオンバスに間に合うようにはよ行かんとあかん」
「アフリカ園まで猛ダッシュや~」

「あ、見てみ、トナカイさんおるで」
「トナカイさん~、すまんなー、今うちら急いどんのや」




「せっかく、こっちへ走ってきてくれはったのにな」
「すまんな」

「あ、トナカイさんの角やて」
「さわってみよう!やて~」
「乗ってみたらあかんかな」





「くんくん、クリスマスのにおいがしよるで」
「ほんまかいな」




「この角誰の角?やて~」
「えっと」
「時間ないからめくって答え見たろ」




「うわ~、めくるのはどいてからにしてんか~」
「答えわからへん~~~」
「とかいっとる場合とちゃうで」
「ライオンバスやライオンバス!」



・・・・やれやれ