「これ見てみ」
「おおっ、他人とは思えないぴっちーさんとさっきお花畑でおどっとった人のかばんやね」
「裏もかわええな」
「3800円もしよるねんね」
「高か~、アップリケで丁寧に作ってあるから仕方ないけどな」
「スイスは山も物価も高いねんな」
「ちょっとうちらのお小遣いでは買えんな、残念や」
「あっちに写真撮影コーナーがあるで、」
「立派な絵やねー」
「座り心地のええイスやね~」
「こっちのイスもふかふかや~」
「これイスとちゃうで」
「わ、イスやなくてイヌはんや!」
「うち、この人見たことあるで、ぴっちーさんを口に入れてるんや」
「がが~~~ん」
「もしかしてうちも食べられてしまうかも知らんな」
「ちょっと待ち、思い出したで」
「なんや」
「ぴっちーさんを口に入れとんのは火に飛び込みそうになったぴっちーさんを助けてあげたところや」
「さよか」
「そうや、このイスさんとちゃう、イヌはんはやさしくて賢くて強いイヌさんやねん」
「あ~えらいびびった~~」
「ごめんな、ヨーゼフさん、勘違いしてえらいすんまへん」
「それならうちも口に入ってみたかったな」
「おおっと、こっちにすごいブランコがあるで~」
「乗ったろ乗ったろ」
「これはすごい!」
「空のブランコや~」
「アルプス、すごいな~」
「奇跡のアルプスやな」
「またきたろか~」
・・・・・8月20日でこのアルプスは新宿の小田急から消えてしまいました、ちゃんちゃん。