31人の肺がんの臨床に関わる先生方に同じ質問。
31人中、条件付きもいれると30名の先生方がYES!
ところで、次世代シーケンサーてなに?
少し長くなるが、新聞の解説記事を少しだけはしょって載せてみる。
日本経済新聞 朝刊 日曜に考える(13ページ) 2016/4/24
【メディカルNOW】DNA解読「次世代シーケンサー」 体質に合った治療に道
個人の体質に合った医療の実現に欠かせないのが、「次世代シーケンサー」と呼ばれるDNA解読装置の飛躍的な性能向上だ。人間のすべてのDNAを読み解くスピードが向上し、コストも10年前の1万分の1以下に下がった。同じ病気でも遺伝子の違いでタイプを分け、患者ごとに有効で副作用が少ない薬を選択できる時代になった。
中略
その後、次世代シーケンサーが登場した。2006年時点で解読コストは1000万ドル程度かかったが、現在では約1000ドルと1万分の1になった。解読時間も約2カ月から1日程度に短縮できたという。
中略
同じ病気でもヒトや進行度によって原因遺伝子が異なり、その違いによって、薬の効果や副作用の出方が異なるからだ。なかでも進んでいるのが、がんの分野だ。
国立がん研究センターなどは300人の肝臓がん患者のゲノムを解読した。異常が起きた遺伝子で、肝臓がんを6つのタイプに分類できた。分子標的薬と呼ばれる抗がん剤を開発することにつながるという。
中略
国立がん研究センター中央病院では1月から患者のゲノムを利用したゲノム診療を始めた。標準的ながん治療が効かなくなった患者の遺伝子を検査し、臨床試験中の薬剤の選択などに生かす
このスライド、一番意味深い。
- 赤色のパイ39%でEGFR、KRASなどが発見される。 分子標的薬が臨床試験中だったりして、治療オプションとなる可能性がある(米国の話)
- オレンジ色のパイ26%でEGFR、BRAF、ALK、ROS1、RETなどが発見される。 標準治療適用となる分子標的薬がある。(米国の話)
じゃあ、生検がとれる場合、日本ではどうしたら良いのか?
オレが知ってるのはLC-SCRUMの臨床試験だけ。
http://epoc.ncc.go.jp/scrum/lc_scrum/
2017年3月に終了予定とある。 その後どうなるか不明。
ホルマリン固定の検体は不可なので、新鮮なやつが必要のようだ。
仮に遺伝子変異が見つかってもEGFRやALKならいろいろ薬が使える。 一方、ROS1をはじめ、希少遺伝子変異の場合は臨床試験に参加するしかないが、いつでもオープンということではないので、敷居は高いかもしれない。
ちょっとテンションさがる。
米国はともかく、日本ではあまり期待できないのかなぁ。