2025年度の予算に建造費が盛り込まれる
新明和工業が製造し海上自衛隊で運用している救難飛行艇「US-2」の生産が一転して継続される見通しになったことが2024年8月30日、防衛省の令和7(2025)年度概算要求で明らかとなりました。
【次世代は無人機に?】これが、新明和工業で開発中の「XU-M」飛行艇です(写真)
海上自衛隊で運用される「US-2」(画像:海上自衛隊)。
同機は2024年と2025年に1機ずつ調達を計画していたものが、一度見直された経緯があります。そのためほぼ生産打ち切りの方針で固まったとみられていましたが、過去最大の8兆円前半の防衛費を計上する方針となった2025年度の概算要求で建造費を盛り込み、復活する見通しとなりました。
同機は波高3mの荒波や超低速でも離着水できるなど、大型飛行艇として高い性能を有しています。しかし一方で、元々の建造費の高さによる海外での売り込みの苦戦や、ここ数年は円安と部材高により、生産終了も時間の問題であると報じられていましたが、ひとまず生産は継続となるようです。
ただ、今回調達される機体は1機のみで、将来的な後継機に関しては、少子化により乗員の確保も困難になることなどから、新明和工業が開発中であるXU-Mのような無人機になる可能性は依然として高いと予想されます。