(CNN) 南米エクアドルは18日、中国からの入国者に対し、国内を通過する非正規移民の流れが目立つとして、ビザ(査証)免除の措置を停止すると発表した。

エクアドル外務省は声明で、最近入国した中国人のうち、通常ルートで出国しなかったり、ビザ免除で滞在が認められる90日間以内に出国手続きを取らなかったりした例が約半数を占めていると指摘。具体的には、非正規移民として国内にとどまるか、「西半球の別の目的地へ向かう非正規ルート」で出国しているとの見方を示した。

エクアドルは、中国人の移民が米国へ向かう徒歩ルートの出発点と位置付けられることが多い。CNNは過去に、首都キト市内で空港での出迎えから、中国人が経営する宿泊先や米国境への移動の手配まで、さまざまなサービスを高額な料金で提供する業者の実態を報じたことがある。

同国の集計によると、昨年記録された中国人の入国4万8381件に対し、出国は2万4240件。中国以外の国籍の出入国者に比べ、大幅な差が生じていた。中国人の入国は、2022年の約1万3000件から急増したことも分かる。

エクアドル当局は、外国からの訪問者が人身売買の被害に遭うことを防ぎ、適切な入国管理を図ると表明している。

中国外務省の報道官は、両国間のビザ相互免除が16年に始まってから、人的交流やさまざまな分野での協力に役立ってきたと指摘。中国はいかなる形の密入国活動も断固許さず、国境管理を妨げる犯罪を厳しく取り締まると強調した。