安倍総理が暗殺されて1年間、ネット民として投票率の問題に正面から向き合ってこなかったという点を反省している。

思えば、失職の可能性こそ自浄作用の始まりである。労働者においては減給・解雇の危険、企業においては減益・倒産の危険があるからこそ、立ち直りのきっかけとなるのである。

したがって、まずは政治家に落選の恐怖を植え付けることから始めるべきであったのだろう。そして、官僚にはコントロールできる政治家が落選するというプレッシャーを与えるべきである。

 

安倍総理の暗殺=日本国民を敵に回す!!

 

この図式を敵に示すことができなかったこと、慙愧の念に堪えない。

 

 

私はネコである。名前はもうない。

【167】安倍首相の訪中 米中新冷戦踏まえた対応を 「一帯一路」への協力は危うい

2018.10.22 05:00

 習近平国家主席の中国は、自由で開かれた国際秩序の護持者では決してない。軍事力や経済力を振りかざして、国際ルールを顧みずに自国に都合の良い秩序を作ろうとしている。「力による現状変更」を目指す国の典型である。

 安倍晋三首相は25日から中国を訪問するが、この冷徹な認識を踏まえ、外交を展開してほしい。形ばかりの友好のかけ声に惑わされ、習政権の巨大経済圏構想「一帯一路」への協力に突き進むのは危うい。日本の国益と国際社会の平和と繁栄を損なうからだ。

 ≪秩序を乱す国と認識を≫

 国際会議への出席を除く日本の首相の訪中は、平成23年12月の野田佳彦首相(当時)以来、約7年ぶりとなる。安倍首相は習氏や李克強首相と会談する。

 首相は11日、中国共産党の宋濤中央対外連絡部長との会談で「日中関係は順調に進展している」と述べ、訪中で両国関係を発展させる意向を示した。宋氏は「中日関係は正常な軌道に戻りつつある」と応じた。

 23日は、日中平和友好条約の発効から40年の節目だ。両政府は友好ムードを高めようとしているが、果たして両国関係の実態を反映しているのだろうか。

 国同士の本当の友好とは、首脳や閣僚が相互訪問し、笑顔で握手して協力を唱えるだけでは成り立たない。

 安易に習政権に迎合することは2つの点で問題がある。

 第1は、米中両国の対立が「新冷戦」とも呼ばれる深刻な局面に入った点である。

 中国は2001年の世界貿易機関(WTO)加盟後、自由貿易の恩恵を享受して急成長を遂げた。だが、補助金で国有企業を優遇したり、海外の知的財産を不当に奪ったりしてきた。米国は中国が軍事にもつながる先端技術を盗んできたと批判している。個人・企業の情報を自国で囲い込むデジタル保護主義も問題だ。既存の国際秩序を根底から覆しかねない脅威となっている。

 ボルトン米大統領補佐官は12日、南シナ海や通商問題について「トランプ大統領は中国が国際秩序を食い物にしていると強く感じている」と語った。米国は通商、安全保障、選挙干渉、ウイグル人弾圧などの人権といったあらゆる分野で対中批判を強めている。

 国際環境は構造変化を起こしつつある。日本は世界情勢を見誤ることなく、同盟国米国と連携して対中政策を再構築するときだ。

 第2は、中国の対日強硬姿勢が何ら改まっていない点だ。

 尖閣諸島周辺の排他的経済水域(EEZ)に中国が観測用ブイを設置し日本は抗議したばかりだ。周辺領海への中国公船の侵入はなくならない。領空侵犯の恐れがある航空機への自衛隊の今年度上半期の緊急発進(スクランブル)は、中国機への対処が前年度同期比58回増の345回に上った。

 ≪現実見ぬ友好論は甘い≫

 南西諸島への中国の軍事的圧力は増しているのが現実だ。首相が靖国神社に真榊(まさかき)を奉納すると中国は「断固反対」と反発し、戦没者慰霊に介入してくる。

 これらの改善なしに「正常な軌道」などありえるのだろうか。

 ところが、日本では「米中新冷戦」や中国の対日圧力の現実を顧みない友好ムードが出ている。

 自民、公明両党と中国共産党による「日中与党交流協議会」は12日、「一帯一路」で具体的成果を挙げるよう求める共同提言を採択した。福田康夫元首相は14日のシンポジウムで日中が国際秩序を守る責任を果たすよう訴えた。

 米中関係が悪化し日本にすがってきた点や、中国に「自由貿易」といった国際秩序の守護者をもって任ずる資格などない点を踏まえていない議論だ。甘すぎる。

 首相の訪中で懸念されるのは「一帯一路」への協力を手土産にすることだ。「一帯一路」はインフラ資金をばらまいて経済・軍事上の勢力圏を広げる戦略であり、債務で途上国を縛る手法への批判も大きい。

 日本のインド太平洋戦略とは対極的な概念で、協力すれば国際社会から失望され、米国の不信も招くだろう。隣国との経済関係は重要だが、中国の強国路線に手を貸しては大きな禍根を残す。

 首相は習氏らとの会談で、経済、安全保障、人権の各分野で中国の問題点を臆することなく指摘し、是正を求めるべきだ。