林官房長官は〝遺憾砲〟だけで済ませるのか 中国、日本の水産施設登録を全て無効にしていた 登録がないと中国に輸出できず

中国の税関当局が、日本国内にある水産物輸出業者の加工や保管などの施設登録を、5月から全て無効にしていたことが分かった。登録がないと中国への輸出はできないという。中国は昨年8月から、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けて日本産水産物の輸入を停止しているが、今年4月までは施設の登録を有効のまま維持していた。今回の措置により日本からの水産物輸出にどのような影響が出るのかは不明だ。

岸田文雄首相は昨年11月、習近平国家主席との会談で日本産水産物輸入停止の即時撤廃を求めた。両首脳の議論は平行線だったが、対話を通じた問題解決の方法を見いだしていく考えで一致した。だが、習主席は16日のロシアのプーチン大統領との首脳会談での共同声明で、東京電力福島第1原発の処理水を「核汚染水」と呼んだ。

林芳正官房長官は「事実に反する言及を行ったことは大変遺憾だ」と述べ、外交ルートを通じて両国に抗議したという。「中露に対し丁寧かつ透明性をもって説明していく」と語ったが、〝遺憾砲〟だけでは事態は好転しそうもない。