工事現場に敷いて重機の通路に使われる「 敷鉄板(しきてっぱん) 」が福岡県などで相次いで盗まれる事件があり、県警は14日、県内の金属買い取り業者の敷地で、地中から敷鉄板約170枚を発見、押収したと発表した。県警は一連の事件に関連した盗品の可能性があるとみて、捜査を進めている。

 県警は一連の捜査で、容疑者グループが敷鉄板を売った金属買い取り業者を特定し、この業者も買い取ったことを認めた。今月上旬、県内の山間部にある業者の敷地を捜索したところ、複数箇所の地中約2メートルから計171枚(1枚0・5~1・6トン)が見つかった。県警は業者が摘発を逃れるために埋めたとみており、盗品等有償譲り受け容疑で捜査する方針。

 福岡県などでは、2022年以降、敷鉄板の窃盗被害が50件以上発生している。県警は昨年8月以降、主犯格の配管業の男(58)(常習累犯窃盗罪で公判中)ら6人(29~58歳)を窃盗容疑などで複数回逮捕。今月14日には佐賀市で5枚(75万円相当)を盗んだとして男女2人(ともに48歳)を新たに逮捕した。

 県警によると、この8人の関与が確認された敷鉄板の被害は、福岡や佐賀、島根各県で計約200枚(約2300万円相当)。今回の171枚は今後捜査するため、被害は膨らむ見通しだ。8人はメンバーを入れ替えながら、夜間など作業員がいない時間帯を狙い、トラックで工事現場に乗り付けて荷台に備え付けたクレーンで敷鉄板を積み込んでいたという。

 鉄は価格が高騰しており、24年の鉄スクラップ価格(九州地方)も1トン5万円台と19年の約2倍に上昇している。敷鉄板もサイズによっては1枚20万円以上で売買されており、県警は売却益を得る目的で窃盗を繰り返していたとみている。