全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。



まずは、お知らせから。

日露戦争の英雄・東郷平八郎が心酔した人物。

ジョン・ロックフェラー3世が絶賛、尊敬した日本人。

松下幸之助、稲盛和夫を成功に導いたメンター。

大谷翔平も熱心に学ぶ偉人の教え。

これらはすべて、ある一人の人物に関する説明です。

私もこの方の教えを学び、人生が全然違うものになりまし
た。

あなたの人生もきっと劇的に変わる「ある人物」に関して
知りたい方は、こちらをごらんください。

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では、本題。

ロシアは7月17日、いわゆる「穀物合意」からの離脱を宣
言しました。

日経新聞7月17日。



<ロシアのペスコフ大統領報道官は17日、同日が期限だっ
たウクライナなどとの黒海穀物合意について「停止する」
と述べ、延長に応じない考えを示した。
合意を仲介したトルコ、国連にも18日からの停止を通告し
た。>
ーー


これは、何でしょうか?

2022年2月24日、ウクライナ戦争がはじまりました。

ロシア軍は黒海を封鎖。

これで、ウクライナは小麦輸出が出来なくなってしまった。

ちなみにウクライナは、小麦輸出で世界5位です。

ロシアのターゲットはウクライナですが、被害はそこにと
どまりません。

ウクライナ産の小麦を食べていた人たちが飢えることにな
る。

国連世界食糧計画(WFP)によると、ウクライナは世界4
億人に食糧を供給しているそうです。

ロシアによって世界中の食料価格が高騰するだけでなく、
世界的な飢餓問題が起こる。

そこで、
国連、トルコが仲介し2022年7月、ウクライナとロシアを
含む「穀物合意」が成立しました。

ところが、ロシアは1年経った今年7月17日、穀物合意か
らの離脱を宣言したのです。

なぜロシアは離脱したのでしょうか?

「条件が満たされていないから」としています。


<ペスコフ氏はロシアが求める「条件」が満たされればた
だちに再開するとも付け加えた。
条件の詳細は明らかにしなかったが、欧米による金融制裁
の緩和を求めているとみられる。
ロシアは自国の銀行が国際決済網から締め出されているこ
とや保険の制限が自国産の食料・肥料輸出を妨げていると
主張している。>(同上)
ーー


条件の詳細は明らかになっていませんが、要するに、

「制裁緩和」を求めているのでしょう。

これ、今後どうなるのでしょうか?

4億人が飢える事態になるのでしょうか?



▼穀物合意離脱は、「ロシア一人負け」の理由



「穀物合意離脱」、冷静に考えるとロシアの一人負けです。

なぜでしょうか?

まず、国連を敵に回してしまう。

産経新聞7月18日。



<ロシアが黒海を経由してウクライナ産穀物を輸出する「
穀物合意」の一時離脱を決めたことについて、国連のグテ
レス事務総長は17日、世界の食料価格が高騰し「人的被
害が増える」と述べ、深い遺憾を表明した。>
ーー


「ロシアは孤立していない」という人がいます。

というのも、対ロシア制裁をしているのは、主に欧米と日
本だからです。

現状、ロシアに制裁を科しているのは、40か国ほどだそう
です。

それでも、欧米と日本で、世界GDPの約半分ですから効
果はあります。

一方、ロシアとしては、「残りの国々を取り込んでいく」
のが基本戦略になるでしょう。

ところで、黒海封鎖は、世界に迷惑をかける行為です。

まず、穀物の供給量が減り、世界的に食糧価格が上がる。

それだけでなく、飢餓人口が劇的に増える。

黒海封鎖は、ロシアが味方につけたい、中東、アフリカな
どにおけるロシアの評判を大いに下げる結果になります。


もう一つの理由。

とはいえ、「そもそもロシアは、もう黒海を封鎖できない」
可能性がある。

どういうことでしょうか?

共同7月18日を見てみましょう。



<ウクライナのゼレンスキー大統領は17日の動画声明で、
ウクライナからの黒海を通じた穀物輸出は


「ロシア抜きでも機能する」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

と述べ、合意当事者のトルコと国連に継続を要請したと
明らかにした。

ゼレンスキー氏はトルコのエルドアン大統領と国連のグテ
レス事務総長に、黒海経由での穀物輸出か、それと同等の
活動をウクライナ、トルコ、国連の3者で続ける提案をし
たと表明。

輸出継続は「世界中の全ての人に必要だ」と強調した。>
ーーー


ゼレンスキーは、「穀物輸出は、ロシア抜きでも機能する」
といっています。

これは、どういうことでしょうか?

要するに、トルコ軍にウクライナの穀物輸出用の船を守っ
てもらう。

ロシアは、トルコ軍が護衛するウクライナ船を攻撃するで
しょうか?

ウクライナに勝てないロシアが、トルコと戦争を開始する
????????

ちなみに、トルコはNATO加盟国。

ロシアがトルコと戦争をはじめれば、全NATOとの戦争に
なります。

そして、国際社会は


「トルコは、世界の人を飢餓から救うために動いていた。
それを攻撃したのはロシアだ!」


となります。

つまりこの件で、トルコのエルドアンは、「100%善人」
であり、

世界の人を飢えさせるプーチンは、「100%悪」になって
しまいます。


つまり、「穀物合意離脱」は、どう転んでもロシアが一人
負けなのです。

なぜ、このようなバカげたことをするのでしょうか?

ロシアのトップが「戦術脳」だからでしょう。

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単純善悪論ではなく、

「その考え方で行って、日本は【勝利できますか】?」

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