自民党派閥の裏金事件をめぐり、自民の有村治子氏が6日の参院予算委員会で、故・安倍晋三元首相の名前を冠した「安倍派」(清和政策研究会)の呼称が「繰り返し報道されるのはたまらない」と述べ、不満を表明する場面があった。

参院予算委で、自民党の有村治子氏の質問に答弁する岸田文雄首相=2024年3月6日午前10時7分、岩下毅撮影

 有村氏は予算委で、「安倍元首相亡き後、後継者を1人に絞らないというのは清和政策研究会の都合。安倍派、安倍派と報じられる現状は、昭恵夫人はじめご遺族に申し訳ない」と発言。そのうえで「本来は『清和政策研究会』と報道されるべきだ」と主張した。

 これに対し、岸田文雄首相は「報道の呼称についてコメントすることは控える」と応じた。「私は国会で答弁する際には、正確性を期す観点から清和政策研究会という言葉を用いている」とも述べた。

 安倍派は昨年8月、塩谷立元文部科学相を「座長」とする新体制を決めた際、「安倍派」の呼称を引き続き使うことを決めた。裏金事件を受け、同派では現在、解散に向けた手続きを進めている。

 有村氏は当選4回で麻生派に所属。2014年、第2次安倍改造内閣で初入閣した。