全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!

北野です。


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私は、「国家ライフサイクル論」という手法で、長期の予
測を行っています。

それで、今までたくさんのことを当ててきました。

わかりやすい例をいくつか。


2005年に出版した初めての本『ボロボロになった覇権国家
アメリカ』の中で、

「アメリカ発の危機が起こり、アメリカが没落する」

ことを予測しました。

2008年、アメリカ発「100年に1度の大不況」が起こり、
「アメリカ一極時代」は終わりました。


同じく『ボロボロになった覇権国家アメリカ』の中で、


「2008年から2010年にかけて危機が起こる」

「だが中国は、この危機を短期間で克服する」

「しかし、中国の高成長は2020年まで」


と予測し、いずれもそうなりました。


2007年発売の『中国ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』で
は、ロシアについて「超大国に返り咲くことはできない」
と予測しました。

当時ロシアは、原油高でイケイケで、プーチンは「ルーブ
ルを基軸通貨にする!」と宣言していました。

しかし、結局、私の予測通り、ロシアは超大国になること
ができませんでした。


2014年、集英社から発売された『クレムリン・メソッド』
の中で、インドが超大国になるという予測をしています。

あれから10年経ち、いまや誰もが、「インドの時代が来る
こと」を確信するようになりました。


というわけで、「国家ライフサイクル論」を使えば、極め
て精度の高い未来予測ができることが証明されています。



▼バノンさんのバイブル『フォース・ターニング』とは?



数年前、興味深い話を聞きました。

「80年周期」の話です。

ネタ元は、トランプさんの首席戦略官だったバノンさんが

「バイブルがわりに読んでいる」

と公言していた


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ざっくり言えば、「歴史は80年周期で繰り返す」という内
容です。

どうなんでしょうか?

たとえば、2008年の「100年に1度の大不況」は誰もが

1929年に起こった「世界恐慌の再来だ!」と思いました。

約80年ぶり(正確には79年ぶり)の大経済危機でした。

その後の動きはどうでしょうか?


1934年、ヒトラーがナチスドイツの総統になりました。

それから79年後の2013年、現代のヒトラー・習近平が中
国の国家主席になりました。


1939年、第2次世界大戦がはじまりました。

それから79年後の2018年、ペンス副大統領の「反中演説」
から「米中覇権戦争」がはじまりました。


というわけで、なんとなく、「繰り返すのかな~~」とい
う感じです。

もちろん、正確に繰り返されるわけではありません。

またぴったり80年で繰り返されるわけでもありません。

ですが、「興味深い現象」と言えるでしょう。



▼80年周期内の春夏秋冬



80年周期は、さらに20年ずつ4つにわけることができます。

言ってみれば、春夏秋冬です。


・春

これは私の国家ライフサイクル理論の、「移行期」と「成
長期前期」にあたるでしょう。

前の体制が崩壊し、新しい体制ができ、急成長していく。


・夏

これは、「成長期前期」「成長期後期」にあたるでしょう。

新しい体制が確立され、繁栄を謳歌します。


・秋

これは、「成長期後期」から「成熟期」に当たるでしょう。

春に出来上がった体制が「収穫の秋」を迎えます。

ところが、冬に向けて、春に出来上がった体制の崩壊がは
じまっていきます。


・冬

危機の冬が到来し、春にできた価値観がもはや古くなり崩
壊していきます。


そして、新しい価値観に基づいた新たな春がやってくるの
です。


本当でしょうか?



▼40年栄えて、40年かけて滅ぶ



少し検証してみましょう。

繰り返しますが、「ぴったり80年」ではなく「ざっくり
80年」であることを意識してください。

誰もが「そうだよね」と納得する「歴史の転換点」は、
第2次世界大戦が終わった1945年です。

これを基準年としましょう。

その80年前は、1865年です。

1868年の明治維新「直前」といえるでしょう。

その後、江戸幕府が崩壊。

明治天皇を中心に、欧米型の新体制ができあがっていきま
した。

これが「春の時代」です。


さて、20年後の1885年、日本では伊藤博文が初代内閣総理
大臣に就任しました。

新体制が固まったのです。

1889年には大日本帝国憲法が公布れました。

1895年、日清戦争に勝利。

1905年、日露戦争に勝利。

1885年から1905年の20年間が「夏の時代」です。

世界一の陸軍大国ロシアに勝利したことで、日本は「世界
の大国」と認知されることになりました。


さて、1905年から1925年は「秋の時代」。

日本は、「収穫の秋」から冬(危機)にむかっていきます。

まず、日本は1914年から1918年に起こった第一次世界大
戦の戦勝国になりました。

そして日本は、1920年に設立された国際連盟の常任理事国
になったのです。

まさに日本は、「収穫の秋」の時代を迎えていました。

しかし、冬の兆しも確かにでていたのです。


日露戦争前まで良好だった日米関係は、南満洲鉄道問題で
悪化していました。

1923年には、日ロ戦争の勝利を大いに助けた日英同盟が破
棄されました。

日本はこの時代、「収穫の秋」でした。

一方で、「夏の時代」に良好だったアメリカ、イギリスと
の関係が最悪になっていた。

日本は、破滅の冬に突入していきます。


1925年から1945年は、「冬の時代」です。

1931年、満州事変

1932年、建国

1933年、国際連盟脱退。

1937年、日中戦争開始

1941年、日米戦争開始

1945年、敗戦

まさに「冬の時代」でした。



▼日本の冬は、もうすぐ終わる。



さて、1945年から1965年が、次の「春の時代」です。

日本は1945年から1952年まで占領され、GHQが新しい体
制を構築していきました。

経済では高度成長がはじまっています。

たとえば1960年の名目GDP成長率は21.4%、1961年は20.
8%。

実質GDP成長率は1960年13.3%、1961年は11.9%もあっ
たのです。

@参考↓
https://www.komazawa-u.ac.jp/~kobamasa/lecture/japaneco/gnp/gnp1952.pdf


1965年から1985年が「夏の時代」です。

1968年、日本のGNPが、世界2位になりました。

1979年には、社会学者エズラ・ヴォーゲルの


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が出版されました。

当時は、世界中の人が、「日本はアメリカを越えるだろう
」と思っていたのです。



1985年から2005年が「秋の時代」です。

日本は1985年から、「収穫の秋」に入りました。

いわゆる「バブル時代」です。

国民の90%以上が、「私は中流階級」と考えていた。

金があり余っていて、実に幸せな、浮かれた時代でした。

私もよく覚えています。

しかし、1990年にバブルが崩壊し、いわゆる「暗黒時代」
に突入していきます。


2005年から2025年が、「冬の時代」。

「秋の時代」にはじまった暗黒時代は、延長に延長を重ね
てきました。

「暗黒の10年」が「暗黒の20年」「暗黒の30年」になって
いったのです。

しかし、「フォース・ターニング」の話が本当であれば、
「冬の時代」は、来年2025年で終わります。

それで、既存の価値観が、どんどん崩壊しているように
見えます。

「既存の価値観」は、「春の時代」(1945年~1965年)
に作られました。

それは、「会社中心」で、なおかつ「パワハラ」「モラハ
ラ」「セクハラ」が日常茶飯事の価値観だったといえるで
しょう。

もちろん、「昭和の戦後は全部悪かった」とは言いません。

勢いがあり、経済はどんどん成長していたのですから。

ですが、実際「パワハラ」「モラハラ」「セクハラ」は「
当たり前」の日本だったのです。

冬の時代が終わりに近づいているせいか、最近、絶対的と
思われていた権威がどんどん崩壊しています。

ジャニーズ(セクハラ)
宝塚(パワハラ、モラハラ)
吉本(セクハラ)

つい最近まで「何をしても誰からも叩かれない」と思われ
た存在が厳しくバッシングされています。

他にも、安倍派、二階派、岸田派が解散したこと。

安倍元総理が、財務省こそが暗黒の30年を作った真犯人で
あることを告発した


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が大ベストセラーになったこともそうでしょう。

いずれにしても、「冬の時代」は後1年で終わり、新しい
春の時代がやってきます。

そして、冬から春への移行は、前回に比べ、比較的穏やか
に進む可能性が高いのです。


しかし、一つだけ注意が必要です。

もし、台湾有事→ 日米台vs中国

戦争が勃発すれば、冬から春への移行が、前回同様の悲劇
を伴う可能性がでてきます。

だから私たちは、全力で台湾有事の勃発を阻止する必要が
あるのです。


春は近い。


このことを知って生きていきましょう。



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