ガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」凍結解除を巡る自民、公明、国民民主3党の協議が打ち切られる方向となり、国民の玉木代表が進めてきた政府・与党との協調路線は曲がり角を迎えている。

 「必要なのは政治決断だ。国民のためのトリガー条項発動を今日、ここで求めたい」

 玉木氏は6日の衆院予算委員会で岸田首相に対し、4月末にガソリン価格を抑える政府の補助制度が終了することを念頭にこう迫った。

 首相は「(自民、公明、国民の)3党で検討する」などと慎重な言い回しに終始し、玉木氏が望む答弁は引き出せなかった。

 玉木氏は質疑後、記者団に「首相は裏金問題で頭がいっぱいになっていて、政策どころではなくなっている。非常に残念だ」と語り、不満をにじませた。3党協議を打ち切る方針も明らかにし、7日にも党として協議からの離脱を正式決定する考えを示した。

 トリガー条項はガソリン価格高騰時にガソリン税を減税する仕組みで、国民が最も重視する政策の一つだ。国民が2022年度予算に賛成したことを契機に、22年3月、3党による協議を開始し、凍結解除に向けた議論を行ってきた。

 ただ、与党側は、凍結解除によって、価格下落を見越した買い控えなどで流通現場が混乱するおそれがあるとして慎重姿勢を崩していなかった。

 自民が国民との協議に応じたのは、「与党に取り込むことで政権浮揚を図りたい」(幹部)との思惑があったからだ。だが、自民派閥の政治資金問題が表面化し、昨年の臨時国会で国民が内閣不信任決議案に賛成したことで、凍結解除の機運は急速にしぼんだ。凍結解除に前向きだった自民の萩生田光一氏が政調会長を辞任したことも影を落とした。

 玉木氏は昨年11月の衆院予算委で、凍結解除の実現を巡り「政治生命をかける」と述べていた。3党協議の決裂によって、玉木氏の責任を問う声が高まる可能性もある。

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