【67】ロシアが動いた?!

 

長年欧州にかかわってきますと、彼らの東アジア地域への無関心さに呆れます。そもそも「極東」とはFar East(極めつけの東)の意味ですからね。

さすがに南シナ海でのチャイナの埋め立て工事は非難ごうごうです。それにここにきて北方領土がクローズアップされてきました。領土問題は実効支配している側は騒がないのが鉄則です。そのまま既成事実を積み上げていけば、領土として認められる可能性もありますので。竹島を実効支配する韓国がバカ騒ぎをするのは、文字通りバカの証明です。その点、ロシアは静かに実効支配を続けています。

ところが、ここへきて欧米の新聞が北方領土を取り上げ始めました。きっかけは、安倍総理のウクライナ訪問です。キエフで「力による領土の変更は認めない!」と述べたのが、ロシア側の動きを誘ったようです。

1855年:日露和親条約(択捉島とウルップ島の間を両国の国境とする)

1875年:千島樺太交換条約

(日本は樺太の領有権を放棄し、代わりに千島列島全部を日本領とする)

1905年:ポーツマス条約(日露戦争の結果、南樺太を日本領とする)

1945年:日本の敗戦のどさくさに紛れて南樺太と千島列島全島を不法占拠

思いっきり力による領土変更をやってますね!!

ロシア人はバカではないので、できるだけ目立たないように不法占拠を続けて既成事実を積み上げ、ロシア領に加えるつもりでしょう。今の時点では、北方領土に関心が集まるだけでも日本に有利に働きます。これも地球儀外交の一環といったら褒めすぎでしょうか。

(2015年6月12日)