フィリピン政府は20日、中国との領有権争いが続いている南シナ海で「サンゴ礁が破壊され、海洋環境が悪化した」として、中国側に対し法的措置を検討していることを明らかにしました。

南シナ海のロズル礁付近などでは、11日までに実施されたフィリピン沿岸警備隊による調査で、サンゴ礁の破壊や海底の変色が確認されました。

フィリピン側は、周辺の海域で中国の海上民兵の船およそ50隻が確認されたとして、「意図的な活動が行われた可能性を強く示している」と主張。

フィリピン司法省は20日、「サンゴ礁が破壊され、海洋環境が悪化した」として、中国側を相手取り国際仲裁裁判所に提訴することを検討していると明らかにしました。

中国は南シナ海で軍事拠点化を進めていて、サンゴ礁を埋め立てることで人工島を造ろうとしているとの見方も出ています。

南シナ海の領有権をめぐっては、2016年に国際仲裁裁判所が中国側の主張を認めない判決を出していますが、中国はこれを拒否しています。