From 三橋貴明



【近況】
改めて、経済学者のISバランス論
(貯蓄投資バランス論)は
「笑って」しまうほどに愚かです。

・民間収支+政府収支+海外収支=0
これは、要するに
「誰かの黒字は、誰かの赤字」と
言っているにすぎません。

現在の日本は、
・家計の黒字+企業の黒字=
政府の財政赤字+経常収支黒字(※海外の赤字)
となっています。

これを、なぜか経済学は、
・民間の貯蓄超過=
政府の財政赤字+経常収支黒字
と、表現するため、経済学者たちは、
「政府が財政赤字を出すには、
民間の貯蓄超過が必要だ」
と、ストックとフローを
ごっちゃにした理解をしてしまうのです。
まさに、貨幣のプール論。

ちなみに、今後、
企業の借り入れと投資が増えた結果、
「企業の黒字」が±0になったら、
どうなるでしょう。
どうもなりません。

・家計の黒字=
政府の財政赤字+経常収支黒字
になるだけです。

政府が20兆円の財政赤字を「出し」、
経常収支の黒字が10兆円ならば、
家計の黒字が30兆円になるだけ。

誰かの赤字は、誰かの黒字です。
企業の黒字(経済学者がいう「貯蓄超過」)が
±0であろとも、政府が財政赤字を増やせば、
その金額分(全く同じ金額分)、
家計の黒字が増えます。

「民間が黒字だから、
政府は財政赤字を出せる」
わけではないのです。

「政府が財政赤字を出せば、
民間の黒字が増える」
のでございますよ。
いい加減に、理解しましょうね、
伊藤元重先生。