【北京時事】中国で宗教聖職者に「祖国への熱愛」を義務付ける新たな規則が施行された。規則は、習近平政権が掲げる「宗教の中国化の堅持」を改めて要求。共産党による宗教統制がさらに鮮明になり、イスラム教徒の少数民族ウイグル族や政府非公認のキリスト教会などへの迫害が一層強まりそうだ。

 1日に施行された宗教聖職者に関する規則は「聖職者は、共産党の指導や社会主義制度を支持しなければならない」と明記した。聖職者が「宗教の中国化を進める役割を果たす」ことも求めた。

 習政権は、宗教団体が外国の組織やテロ集団と関わることを警戒してきた。これを反映した形で、規則は「宗教的過激思想や外国勢力の侵入への抵抗」を聖職者の義務に挙げた。

 さらに、聖職者の禁止行為として「過激主義の宣伝や支援」「テロ活動」などを列挙。違反すると、刑事責任が問われることもあると記した。政府の宗教関連部門に対しては聖職者の個人情報に関するデータベースの構築を行うよう規定した。

 一方、聖職者の養成学校に関する規則でも「中国化」教育を行うことを強調。9月に施行されるこの規則は、習氏の指導思想に関する教育の実施を義務付けており、宗教の「中国化」が一段と徹底されることになる。