お貼りになっている動画は、「キーがAmで、Abを使ってみる」をテーマとなさっている曲です。
ギターのリフやフィルインが16分単位で取られていてノリのかっこいい曲ですね!
A♭がどう使われているか。
サビのコード進行:
F Fm C
F Fm C
E F Fm C
A♭ E
F Fm C Am
E7
そして Am のイントロに戻ります。
つまり、サビで(Am の平行調である)C に転調的に進んだ中で、C との関係で A♭が使われている。
C → A♭の進行は、長3度下に「飛ぶ」ようでもあるし、C の「c」をそのままに「e 、g」をそれぞれ半音下と半音上の「e♭、a♭」に進めたと捉えれば「なめらか」でもあります。メジャーコード C の主音上に、マイナーをマイナーたらしめる2つの音程、短3度と短6度を乗せた形。
A♭は次に E に進みます。Am のドミナントである E、ということですが同時に、C → A♭→ E と、「長3度下に飛ぶ」が連続する形になって、面白いです。
全体として、コード進行が「自由」でありながら同時に声部の進行がクロマティックに「なめらか」です。唐突ではなく、コードとコードの関係が練られてる。
A♭が出て来るのがこの1か所だけ、というのが潔いです。
サビ前半16小節の自由な拡がりがサビ後半6小節に要約されて、てきぱきと展開する。2つの「刈り込み」、「『F Fm C』を繰り返さないこと」と「A♭に行かずその分2小節短いこと」がそのキモです。E7 がドミナント機能で Am に進んだ時にはもう次のセクションに入ってる、という感じ。