最近、本を読んでないなと思って久しぶりに中井拓志さんの本を読みました。今回は『獣の夢』1年前に出版された拓志さんの新作です(そろそろ次の作品を出して欲しいなぁ、とは思ってます)最初に読んだ時はちょっと判り難いと思ってたんですけど、改めて読むと話の面白さがよく判る。メインテーマは情報の暴走、氾濫した情報は新たな情報の暴走を誘発させる。

レフトハンドではウイルスの暴走をテーマにシンプルに、クウォータームーンでは子供の残虐性と集団心理を、アリスでは

脳学と人の言葉の領域についてが主なテーマで書かれてました(あくまで主観的な意見ですが)

ただ、いくつかの問題点が有るのも事実な訳で…レフトハンドは一回読んだだけでお腹一杯になる位にボリュームが有るんです、更に無駄なシーンが結構多い。他の三作品は全部同じで何処か似通ったキャラクターが居るんですよ。だからこの人の作品に登場人物の心理描写をあんまり期待しない方がいいかもしれないです。

でも…その部分を差し引いてもかなり面白い。何よりも比室アリス宮地珠紀という二人の怪物を産み出した頭脳には正直尊敬しました。まずは比室アリス、アリスの登場人物で世界を一瞬で崩壊させる事が出来る少女。

マンデルブロー集合 、この中に蝶を閉じ込める…実に意味不明なことですよね。そもそも、この絵は手書きなんて出来ません。それをやってのけたのが比室アリスという存在、物語はアリスを中心に次々と予測不能の方向へと流れていきます。

この作品は一番のお気に入りかもしれないです。





そして、宮地珠紀の解説を書こうと思ったら時間が無いよぉぉぉぉ!そういうわけで、もしも出来たら夜中にまた更新します。