大飯再稼働で福井知事、原発相に前向き回答
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120604-OYT1T01120.htm

 細野原発相は4日、福井県の西川一誠知事と県庁で会談し、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)について、政府の安全対策を説明したうえで、再稼働に県の同意を求めた。

 西川氏は、野田首相が原発の必要性を国民向けに直接説明することなどを条件に、再稼働を前向きに検討する考えを示した。

 会談には、牧野聖修経済産業副大臣、斎藤勁官房副長官も同席した。

 細野氏は大飯原発の安全対策について「原子力規制庁発足までの暫定的な安全基準の下で再稼働する場合は、特別な監視体制を敷く。政府が責任者としてしっかり対応する」と説明した。

 これに対し、西川氏は「原発の再稼働の必要性について、首相が国民に直接訴えてもらうことが国民の安心と支持につながる。そうした対応がされれば、福井県議会、おおい町の意見を十分聞いた上で、所定の検討を進めたい」と応じた。
(2012年6月4日21時54分 読売新聞)

 ようやくここまで……とは思うものの、実のところ、さして前進してないんじゃないかなとも思える内容。
 確かに関西広域連合とかいう道化者集団が再稼働容認(本来、頭を下げて再稼働を依頼すべき立場の都市部の需要者が“容認”ってのも噴飯物ではありますが)に転じたのはハードルを下げたとも思えます。ですけど、首相による国民への直接説明を要求してるってのは、要は最終責任は政府が取ると明言しろって事であって、結局のところ、原点に戻ってきただけって気もします。
 福井県としては再稼働許可出した後に、浜岡のような要請の形をとった事実上の停止強要だの、事故が起きた際の責任の矛先が向くような事態は避けたいでしょうし(これ、無責任に見えますけど、原発政策が国策である以上、政府が責任をとるべきなのは当たり前の話ですしね)。

 もし明日、首相が福井県知事の要求どおりの説明を行って、再稼働に取りかかったとしても、フル稼働までに6週間の時間が掛かるのを考慮するならば、完全に真夏日になってるであろう時期には間に合わないわけですが……失われた時間は、あまりにも大きいと言わざるを得ません。


 確かに福島第一の事故の被害は甚大でしたし、それでエネルギー戦略に変更が加えられるというのも不思議ではないんですが、それはあくまで現在のリソースを把握した上で、出来ることと出来ないことをきっちり切り分けた上で議論すべき事の筈。
 責任を取りたくないが故の言葉遊びや、ただひたすら大衆に媚びて自勢力の拡大に利用するような真似こそ、真っ先に排除すべきなんですが……

 ともあれ、もはや最適解は一つしかないのですから、逡巡してないでとっとと再稼働の決断をして欲しい物です。
 将来のビジョンもないまま節電だけを国民に強要するような真似には、いい加減終止符を打って欲しい物です。

 なんで発電所群が被災したわけでもない西日本が、無茶な節電を強要されないといけないのか。
 東日本の大震災に対して、西日本は大政災とでもいう状況にならなきゃいいんですが。


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●停電の方が参考になるような事態に陥らなきゃいいんですけどね……