金正日総書記が死去=正恩氏に権力継承へ-北朝鮮情勢、不透明に
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011121900312
 【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮中央テレビが19日伝えたところよると、北朝鮮の最高指導者、金正日労働党総書記が17日午前8時30分(日本時間同)、現地指導の際、列車の中で心筋梗塞を起こし、心原性ショックを併発、死去した。69歳だった。朝鮮中央通信は三男、金正恩中央軍事委員会副委員長(28)を後継者と伝えており、軍部を中心に体制維持を図るとみられる。しかし、圧倒的な統率力で独裁体制を維持した金総書記の死により、北朝鮮をめぐる情勢は一層不透明となった。核兵器と弾道ミサイルの開発を進める北朝鮮の行方は予断を許さない。
 金総書記の遺体は首都平壌市内の錦繍山記念宮殿に安置された。正恩氏らが葬儀委員会を構成、28日に平壌で葬儀、29日に中央追悼大会を行う。29日までが「哀悼期間」となる。韓国政府は国家安全保障会議を緊急招集。韓国軍は不測の事態に備え、全国で非常警戒態勢に入ったが、北朝鮮軍に特異な動きはない。中国も難民の大量流入などの事態を懸念し、北朝鮮との国境付近の軍の配置を強めるとみられる。
 金総書記は心臓や腎臓に疾患があり、糖尿病も進行していた。2008年8月に脳血管の疾患で倒れ、一時動静が途絶えた。同年11月に現地指導などの活動を再開した。
 10年9月の党代表者会と中央委員会総会で後継者に確定した正恩氏は軍の支持を受けており、軍事優先の「先軍政治」体制が存続される見通し。拉致問題解決の見通しが立たない日朝関係も当面、大きく変化する可能性は低い。
 金総書記は1942年2月、故金日成主席の長男として生まれ、74年に後継者に内定した。激しい権力争いを経て実権を掌握、80年に党書記に就いた。94年7月の金主席の死去後、97年10月に労働党総書記に就任した。98年9月には国家最高ポストに格上げされた国防委員長に選ばれ、名実ともに北朝鮮の最高権力者となった。(2011/12/19-14:22)

 ここんとこさして注目してなかったせいもあるんですけど、なんとも唐突な印象が。もっとも、ここんところこれといった動静が伝わってきてなかったように思えますし、案外それなりに体調は悪かったのかも知れませんけども。

 さて、情勢が不透明化とありますけど、どうでしょうね。少なくとも後継者として正恩氏が指定されており、なおかつ指定後に複数回にわたり粛清が繰り返されてるだけあって、北朝鮮国内の混乱は取りあえずのところ最小限に収まるのではないでしょうか。
 午前中に発射された短距離ミサイルにしても、軍の暴走ではなく正恩体制開幕の号砲と取った方がいいかも。さすがにこれから指導者の死を公表するって時に、無許可でミサイルの発射なんてさせないでしょうし。
 ただ、新指導者としての威光を国内に示すため、核実験や弾道弾の発射テストなどは今後数ヶ月以内に行われるかもですね。もっとも、それは金正日体制でも行われてた事ですし、対外的にはこれといった変化をもたらさない気もしますが。

 北朝鮮以外の国にしても、これといった対応の変化はあんまり見込めない気もします。
 合衆国はこれを奇貨にしようと強行派・穏健派ともに策動しそうではありそうですけど、それ故に意思を統一しきれずに新体制へと時間を与えそう。
 中露はともに北朝鮮の崩壊を望んではいないでしょうし、特に中国は脱北者の大量流入を防ぐためにも、新体制に対しても援助は継続していくでしょう。

 そしてもちろん、我らが民主党政権にしても、この機会を生かすって事は出来ないでしょうね。街頭演説に出かけかけてて特別放送を聞き逃したなんてのはどーでもいいんですけど、官僚との連携が未だに途絶した状態に等しい現政権では、今後の対北政策を上手い方向に転がすなんて芸当はまず無理でしょうし。

 なんだかんだと騒がしくはなりそうですけど、まだしばらくは代替わりこそしたものの、金王朝体制は続くのではないでしょうか。
 チュニジアやエジプトのように、民衆が蜂起できるような状態ではなさそうですし、北朝鮮は国内要因より国外要因で今後が左右されるような気がしてます。
 たとえば、中国が経済の失速により国内統治で手一杯になって、北朝鮮を含む諸外国への援助を続けられなくなるとか……これにしても、いつくらいに起きるかとか予想することは難しいですが。


 まあなにはともあれ、今回の件で一番の被害を受けたのは韓国軍内にもいるであろう、リア充の皆さんでしょう。
 北朝鮮に大規模な攻勢をかけられる余裕があるとは思えませんけど、少なくとも29日の追悼大会までは警戒態勢を解くことは出来ないでしょうし。
 クリスマスに休暇取ってた人も取り消されたことでしょう。いとあはれ


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