「速やかに放水やらねば処分」国の指示か 都知事が抗議
http://www.asahi.com/national/update/0321/TKY201103210345.html
2011年3月21日22時44分
 石原慎太郎・東京都知事が21日、首相官邸の菅直人首相を訪ね、東京消防庁による福島第一原発への放水作業に関連し、国の対応に抗議した。政府関係者が「速やかにやらなければ処分する」と同庁隊員に指示し、長時間放水した結果、放水車が壊れたなどとしている。都関係者によると、この政府関係者は海江田万里経済産業相という。海江田氏周辺は「そのような発言の事実はない」と否定している。

 石原知事は菅首相と会談後、報道陣に「言う通りでなければ処分するなんて(言っても)、絶対に兵隊は動かない」と述べ、首相に抗議したことを明らかにした。

 枝野幸男官房長官は21日夕の記者会見で「事実関係を把握した上で、善処が必要であれば政府として対応させていただく」と述べた。

 東京消防庁によると、19日午後からの2回目の放水は当初、7時間の予定だったが13時間35分続いた。屈折放水塔車の排出ガス処理装置の警告灯が点灯し、3回目からは別の車両を使った。長時間の運転で、排ガス中の有害物質を減らす装置のフィルターにすすがたまった可能性があるという。
 海江田氏が本当に言ったのかは未だ判然としてませんけど、馬鹿な圧力をかけた馬鹿がいたことだけは確かなようですね。こうした話で虚言を弄してまで政府批判をすれば、メディアの連中はともかく政治家としては致命的な傷になりますし。また、取り扱いに習熟してる人間が操る放水車が故障するなんてのも、上位者ではあっても素人の人間が横槍入れたとかでもない限り考えづらいですしね。

 うーん、自衛隊の出動や米軍への支援要請など、初動こそ文句つけようがなかったんですけど、その後がグダグダですね。
 この非常時においてすら、政治主導を何か勘違いして、何にでも首突っ込んでは引っかき回して事態を悪化させてるだけのような気がします。また、権限と情報を官邸に集中させすぎてるせいか、首相を初めとする幹部が注視している問題はともかくとして、目が向いてない部分がまるでお座なりになってる傾向も大きそうです。ここ数日ではある程度改善されたようですが、震災後数日はメディアが報じていない場所には救援がまるで届いてないなどという現象も生じていたようですし。

 こういう時、トップは細部にはあまり口を挟まず(原発の問題にしても、震災に見舞われた東北全体から見れば極一部)、責任だけ引き受けて全体へと目配りを欠かさず調整に徹するのが一番いいような気がするのです。今のやり方ですと、戦略を決めるべき人間が行進する兵隊の背筋の伸ばし方にまで口を挟んでるようで、これでは現場の士気は上がりませんし、また、近視眼的な方針しか出せないと思うのですよ。
 昨日報道がありました自民党の谷垣氏への入閣要請にしても、提示された副総理兼震災復興担当相というポストにどれだけの権限があるのか、完全なフリーハンドが与えられるのかなど考えますと、受けられたもんじゃないとも思います。むしろ、名前だけのポストで全責任負わされるんじゃと警戒するのは無理もないわけで。

 出来るだけ震災対応中の批判はしたくはないんですけど、こーいうのが続くと頭が痛くなってきます。どうせ対応能力がないのはこれまでの実績から明らかなのですから、せめて現場の判断や行動を信じ、責任だけ背負うことに専念して欲しいものです。
 究極的には、与党の政治家なんてそのために居るようなもんなんですから。


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