Lloyd's List China's excessより

中国の過剰港湾設備

Marcus Hand 2009年2月20日

度を越した注文による新造船、特に大型ばら積み船とコンテナの余剰船腹については、よく報告される。しかし、人々はしばしば陸側の問題を忘れ、扱いも小さくなりがちだ。

近年、一夜にして巨大なコンテナ港を作り上げてしまうかのような中国の能力は、コンテナ輸送の急発展を促進してきた。あらゆる主要な沿岸都市が、世界貿易とのコネクションの象徴である、主要港湾施設を持つことを望んでいる。

中国がそれほど多数の大型港が必要であるかどうかは、常に疑問とされていた。しかし、輸出主導での製造業の激しい興隆は、今のところまでは『廃墟』港化を防いできたといえる。しかし、世界貿易の急速な悪化により、広大な空きヤードや、空を向いたまま停止している埠頭のクレーンといった光景が現実化しつつある。

Alphaliner forecastsのレポートによると、中国は2010年には3500万teuもの過剰な港湾設備を抱えることになると予測した。これは多くの国の港の、合計コンテナ取り扱い能力を超える、驚異的な数字であるといえる。

厦門と大連といった地域の過剰港湾設備は100%を超えると予想されており、環渤海地域と珠江デルタ地域の過剰設備も、相当深刻なものとなるとみられている。

にもかかわらず、新設港の計画と投資は、未だ承認され続けている。過剰な設備投資を止めるための課題の一つとして、特に金融市場における、国際的な民間港湾運営者による投資が挙げられる。

しかしながら、インフラ整備を目標に掲げた政府の景気刺激策により、中国のコンテナ港の設備過剰は、数年にわたる不安要素として立ちはだかりそうだ。

※1teu=20フィートコンテナ1個分
-------------------------------
五輪特需による経済成長を見越しての投資だったんでしょうけど、リーマンショックとそれに続く経済危機でどこの国も生産調整に走る昨今、中国経済も急激な減速を余儀なくされてるのは皆様もご存知の通り。
その影響が、こんな所にも現れてるわけですね。

無理矢理Hebei号事件に絡めると、余剰の港湾設備を無理矢理活用するとなったら、釜山あたりのハブ港から仕事を奪うしかないわけで。例の寧波海事裁判所での審理に影響してきそうです。

中国の動向も気になる!と思った方はこちらをクリック!
人気ブログランキングへ

Voice (ボイス) 2009年 03月号 [雑誌]

本当にヤバイ!中国経済―バブル崩壊の先に潜む双頭の蛇