えーと、HebeiSpiritとはとりあえず関係ありませんが、韓国船の事故関連って事でこのカテゴリーでお送りします。
2007年11月7日にサンフランシスコで起きた、韓進海運所有コンテナ船の、橋脚への衝突事故の分析記事です。

以下、訳文
Analysis: Cosco Busan collision reportより

分析:コスコ釜山 衝突事故報告

Rajesh Joshi 2009年2月19日木曜日

7000万ドル以上の損害をもたらしたコンテナ船『コスコ釜山』のサンフランシスコベイブリッジ衝突事故は、『認識能力が低下した』水先人と無能な船長と、お粗末な運航管理が全ての原因であると、新たなレポートが結論付けた。

しかし、国際海事機関が最終的に指導勧告するのは、「船橋の運用管理教育における、文化的・言語的差異による船員能力への影響」を含む要素に対する、アメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)の全ての関係者に対する連絡不足である。

NTSBのコスコ釜山事件報告書に記載された30の結論は、関係者間に等しく非難を広げるかもしれない。しかし、それはコスコ釜山の船長が、水先案内人に対する彼の職権を発揮するのを妨げた『文化的差異』に起因する。報告書も二者間のやり取りが、正確に行われていなかったことを認めている。

英語能力の不足している新人船員を、2001年建造の5,477teu級コンテナ船に配属した運航会社の船団管理能力も、要因として挙げられている。

報告書は全般的に、「認識能力が低下した」水先人、「無能な船長」、そしてその船員達をきちんと訓練しなかった運航会社と、米国沿岸警備隊の水先人に対する「健康状態の不十分なチェック体制」を事件の要因として掲げている。

その他の勧告において、船舶交通管制(VTS)は無線通信が、船舶と水先人のみで行われてないかを確認する必要があると指摘し、米国沿岸警備隊はVTS人員に対し「彼らの職権において船の運航を予想し、指示・管制する訓練」を指導する必要があるとも述べた。

コンテナ船は、濃霧に覆われた2007年11月7日の朝オークランドの港から韓国へ向けて出航し、サンフランシスコ-オークランドベイブリッジに衝突した。

NTSB算出の損害額は、環境回復のための7,000万ドル、コンテナ船に対する200万ドルと橋に対する150万ドルに達したとされ、26マイルにわたる海岸線が漏出した油にまみれ、50種2,500羽もの鳥が死んだと言われている。

サンフランシスコ港の水先案内人John Cotaは、デルタ支持塔とエコー支持塔の間を抜けようとコンテナ船を誘導しようと試み、デルタ支持塔の方へ舳先を向けさせた結果、支持塔の基部にコンテナ船が衝突した。緩衝装置は予期された機能を発揮して橋脚構造を保護し、コスコ釜山の損害を喫水線上に留めることが出来た。

NTSBの報告書は、衝突直前に左舷一杯に舵を切らせた水先人の指示が、緩衝装置と船体への損害を局限したことを認めている。

しかしながら、水先案内人の医療遍歴に対する厳正な調査が要求された。

水先案内人は睡眠時無呼吸症と診断されたが、彼が睡眠不足であった証拠はなかったと、NTSBは語った。

しかしそれに加え:「おそらく水先人は事故当日、認識能力を低下させる複数の薬物を服用しており、当時これらの影響下にあったと考えられる」

「水先人は良好な体調のときに比べ、データを解釈し問題なく船を先導する能力が、船舶衝突の時点で認識機能の低下により減少していたという」

報告書は水先人と船長が「船がドックを出る前に、広範囲にわたって、船長と水先人との間で情報交換が出来なかった」ことが、事故があった航海中、効果的な意思疎通を確立し維持できなかった原因だと指摘する。

水先人と船長の交流は、「水先人に対する職権を振るうのを嫌う船長を生み出す文化的相違が、サンフランシスコ湾を航行する際に影響をもたらしているかもしれない」

にもかかわらず、船長も「船と船員の安全と環境保全に重きを置いた、船舶航行に関連する乗組員安全管理系統で見つかる、いくつかの手法を実行しなかった」

報告書は、安全管理システム(SMS)マニュアルが、運航会社からは英語だけでしか提供されておらず、船の「働く言語」ではなかったことが、乗組員のSMSに対する理解を妨げていたとし、「船長と乗組員に、SMSの全手順に従うことの重要性をよく理解させて」いなかったと指摘する。

「コスコ釜山は運航会社によって、乗り組む船に不慣れで、以前に一緒に働いたことのないお互いに不慣れな寄せ集め、かつ、不十分な船舶航行訓練と、乗組員安全手順の訓練しか施されていない船員を乗組員にした危険な状態で、韓国に向け出航させた」と、報告書は結論付ける。

にもかかわらず、NTSBは健康状態の不十分な発表を元に水先人の粗探しをし、米国沿岸警備隊を非難の最終的な矛先としている。

「米国沿岸警備隊の船員健康状態管理は、健康評価に身体の変調を報告することを義務付けていないため、不十分であり続ける」

「商船船員の資格に必要な、水夫の健康状態の適否に最終的な責任がある沿岸警備隊は、健康状態が不適な水先人が、業務を続けるのを許可すべきではなかった。」

報告書は沿岸警備隊に勧告する:「どんな身体の変調や薬物服用も、必須の健康評価項目として、適時船員に報告を求めよ」

「水先案内監督機構の代表は、水先案内の監督と(航行するのに充分な技量を持つ)水先人の能力データと情報を適宜収集し、定期的に報告させるメカニズムを確立せよ(この部分の訳協力:陸の運送屋さん)」

最後に、アメリカ水先案内業協会に:「貴方のメンバーにこの事故の状況を知らせ、パイロットカード(※)は船長と水先人の間での話し合いの補足に過ぎないことを思い出させ、船長や航海見張りを担当する航海士を含めた議論の上で、誘導による船舶航海の全てを決定するよう奨励してください。」

※パイロットカード:船長から水先人へ船舶の載荷状態、推進器・操船機器に関する情報などが書かれた書類。水先人からは、港や海峡、内海の情報が書かれた「水先情報カード」が手渡される。
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うーん、水先人が薬物でヘロヘロになってた可能性やら、コンテナ船乗組員が寄せ集めだったりと、かなりgdgdだった模様。一方的に韓進海運を責められない印象かな。
ただ、IMOの中の人はNTSBが重きを置いている「水先人の体調不良」には反対のようで、コスコ釜山の船長を含む乗組員に対する訓練不足が、大きな要因と見ているように思えます。確かに、ろくに船になれてない船長達が操る船では、事故起こして当然な気がしますがw;
てか、マニュアルが英語オンリーってあーた…

まあ、こんな奇天烈なことやらかすお国の船ですから、何があってもおかしくないかもですけども
韓国の航海用電子海図(ENC)について(注意喚起)
今般、韓国が刊行している九州沿岸のENC( KR3G3G00, KR3G3K00)に、以下のとおり航海安全上危険を及ぼすようなデータが多々存在することが判明しました。

y=-( ゚∀゚)・∵:. ターン


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