今回はイギリスのロックバンド、ヤードバーズの1stアルバム”Five Live Yardbirds”です。このアルバムは1964年にリリースされ、当時行われたライブの様子を収録したライブ盤です。ヤードバーズと申しますと、来日公演の記憶が新しいエリック・クラプトンや2023年に惜しくもこの世を去ったジェフ・ベック、そして、レッド・ツェッペリンでの活動で知られるジミー・ペイジらが在籍した事(3人の在籍時期が被る事は無かった)で知られています。


”Five Live Yardbirds”がリリースされた頃に在籍していたのはエリック・クラプトンです。本作ではリードギターを担当(当時はエリック・スローハンドという愛称で呼ばれていた模様)しています。ヤードバーズの音楽性はブルースやR&Bといった黒人音楽をベースとしたものです。本作でもチャック・ベリーをはじめとするカバー曲で構成されています。ライブ盤故、スタジオ盤と比較しますと音質こそ劣るものの、粗削りな演奏は凄まじい迫力であり、まるで当時のライブハウスに居るかのようです。


今回はUK盤です。モノラル盤のみのリリースで、ステレオ盤は存在しません。私が所有している盤は品番がSX 1677に変更された2ndプレス(初版は33SX 1677)で、レーベル面の特徴から66年(?)から68年頃の間にプレスされたものと考えられます。60年代半ばから末にかけてクラプトンが在籍していたグループ、クリームの人気に乗じて本作もリイシューされたのでしょうか?


マトリクスは両面1Nの初版と同じものです。肝心のコンディションは極めて良好です。特に、盤の状態は素晴らしく、奇跡のミントコンディション!初版でこれ程の状態を見つけるのは恐らく困難を極めるかと思われます。


コーティングの皺こそ見られるものの経年を考慮しても十分美品と言って良いでしょう。クラプトン(中央で柵から腕を出している灰色のジャケットに身を包んだ人物)は当時19歳だったとか。驚きです。


裏面。G&L社製のフリップバックタイプ。写真では判り辛いものの背の上下に絞りが見られますから如何やら初回ジャケットでは無さそうですが、品番は修正されず初版のものが記載されています。


インナースリーブ。60年代半ば頃まで使われていた通称EMITEX(中央に穴が空いたタイプ)では無く、レコードの広告入りタイプ。サージェントペパーズ、ここには写っていませんが裏面にはピンク・フロイドの1stアルバムの広告も有りますので67年以降のものかと思われます。勿論状態は大変良好。


盤。品番は改められたタイプ。細かな表記こそ異なりますが基本的なデザインは初版と共通です。


もしも過去の所有者によるインナースリーブの入れ替えが行われておらずオリジナルの組み合わせを維持していたのであれば、2ndプレスの中でも67年から68年の間にプレスされたものである可能性が高そうですが、どうでしょうか?


ヤードバーズ並びにエリック・クラプトンのデビュー盤、皆さんも是非聴いてみてください。