先日、ビートルズの最後の新曲こと”Now And Then”がリリースされました。解散から50年余りが経過しても尚、ビートルズの新曲を聴く事が出来る事に感激です。とは云え、最後の新曲と宣言しており、今後は新曲が発表される事は恐らく無いと考えるとひとつの時代が終わった様な少々複雑な気分であります。


この楽曲は70年代末にジョン・レノンがカセットテープに残したピアノ弾き語りによるデモ音源を基にしており、ジョージがギター、リンゴがドラム、ポールがピアノとギター、ベース、コーラスを演奏して組み合わせて完成させています。元々は95年に完成させようとしていた模様ですが、デモ音源のノイズが酷く、技術的な問題から未完成のままとなっていました。その後20年以上が経過した近年、AIの発達に伴い、デモ音源からジョンのボーカルのみを抽出する事に成功し、此の度完成に至ったとの事です。その際、ポールとリンゴは改めてレコーディングを行い、ギターとコーラス、ベース、ドラムのパートを提供しています。そこへ95年にジョージがレコーディングを行ったリードギターを組み合わせています。40年を掛けて完成に至ったのです。正に時空を超えた4人による楽曲であります。


ミュージック・ビデオも作成されました。時空を超えた4人の姿を見る事が出来ます。ジョンのクリアなボーカルには驚くばかり。


さて、前置きが長くなってしまいましたが今回は毎回様々なアーティストのシングル盤を御紹介してく企画です。ビートルズの新曲の話題からスタートしましたので本来であれば1stシングルを御紹介すべき所ですが、既出でしたので今回は2ndシングルといきましょう。


以前御紹介しました1stシングルの記事は此方。


ビートルズの2枚目のシングルは”Please Please Me / Ask Me Why”です。リリースは1963年1月。前作のリリースから約3ヶ月後です。この頃のビートルズの知名度はまだまだ低い頃でした。然し乍ら本作は当時のチャートで2位を記録するなど、後の大ブレイクに繋がるきっかけとなったと云う事が出来ます。このシングルに収録された2曲は間も無くリリースされる事となる1stアルバム”Please Please Me”にも収録されます。


さて、そんなシングルを見ていきましょう。品番は45-R 4983となっており、SP盤との区別を付けるために頭に45-という表記が付けられています。然し、程なくしてSP盤は製造を終了し、区別する必要も無くなりましたので、途中からこの表記は外されています。


このシングルの初回盤は前作と同様、赤いレーベルデザインが採用されていましたが、程なくして(赤いデザインは1か月も使われなかった模様です)黒いデザインのものに切り替えられています。赤レーベルに関しては前作以上に探すのは難しい状況なのであります。


黒レーベル、品番は45-表記ありの中期タイプ。中期と申しましても、先述の経緯からほぼ初回盤と云っても良いでしょう。マトリクスは初回の1Nですから音も変わらないと思います。


盤のコンディションは擦れ傷が見られますが、音には殆ど影響しません。このシングルに収録されている2曲はどちらもアルバム”Please Please Me”に収録されており、バージョンも全く同じ(厳密に申しますとシングルに収録されておりますのはモノラルバージョンでして、ジョンとポールのハモリの部分でジョンが歌詞を間違えてそれに気付き吹き出す事で有名なステレオバージョンとは異なり、正しい歌詞で歌っています)ですからシングルでも重複している訳です。しかし、音質的に有利なシングル盤で聴きますと非常に迫力のある音に圧倒されます。


黒レーベルタイプであれば比較的入手し易いのでレコード店で見掛けた際は是非手に取ってみては如何でしょうか?